兼松が経理業務に最新AI-OCRを導入。シナモンAIの技術で業務効率化を実現
最終更新日:2024年07月12日
2024年、AI(人工知能)ソリューション提供企業のシナモンAIは、総合商社の兼松が会計システムにAI-OCRプラットフォーム「Flax Scanner HUB」を導入したことを発表した。
2023年12月より運用が開始されたこのシステムは、兼松の経理業務における人手による確認や紙ベースの回覧業務の課題を解決し、大幅な業務効率化を実現している。兼松は今後、関係会社を含む兼松グループ全体のDX推進に向けて「Flax Scanner HUB」の利用拡大を検討している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 兼松がシナモンAIの「Flax Scanner HUB」を導入し、経理業務の大幅な効率化を実現
- AI-OCRによる高精度な文書読み取りと自動データ処理で、人手作業を大幅に削減
- 兼松グループ全体のDX推進に向けて、AI-OCRシステムの利用拡大を検討中
兼松における「Flax Scanner HUB」の導入背景と効果
兼松は、グローバルに事業を展開する総合商社として、DXの一環で会計システムの機能強化を進めていた。従来の経理業務では、支払い妥当性のチェック、会計システムへの情報入力、伝票の回覧と照査などにおいて、人手による確認と紙ベースの回覧が中心であり、業務効率化の障壁となっていた。
シナモンAIの「Flax Scanner HUB」の導入により、これらの業務にAIを活用することで大幅な効率化を実現した。具体的には、Commercial Invoice、Debit Note、国内請求書、伝票8種など多様な帳票を対象に、AIによる帳票分類や顧客希望の後処理(辞書機能等)を実装。その結果、各種帳票の文字単位精度が平均92.9%から99.7%という高水準を達成し、帳票分類においては平均精度100%を実現している。
「Flax Scanner HUB」の特徴と技術的優位性
「Flax Scanner HUB」は、座標定義型、特徴量学習型、生成AI抽出型の3つの異なるAI-OCR技術を組み合わせたプラットフォームだ。
シナモンAIのオリジナル高精度AI-OCRエンジン「Flax Scanner」に生成AIを統合することで、座標定義なしに非定型帳票からの高精度データ読み取りを可能にした。特に、特徴量学習型と生成AI抽出型は事前の座標定義が不要で、多様な帳票をワンストップで処理できる。
さらに、生成AI抽出型では、データの蓄積と学習を繰り返すことで情報抽出精度が向上し、少量の学習データからでも精度向上が可能なノーコード学習機能(Few-Shot学習)を実装している。これらの技術的優位性により、幅広い業界・業務での利用が可能となっている。
「Flax Scanner HUB」の適用範囲
「Flax Scanner HUB」は、経理業務だけでなく、幅広い業界・業務で活用可能なAI-OCRプラットフォームだ。UIを用いたシステム利用やAPIのみの提供、細かなチューニング設定など、顧客ニーズに応じたカスタマイズも可能である。
特に、シナモンAIは貿易書類を扱う国際物流企業、フォワーダー、荷主(メーカー/商社など)、保険会社(損保)、銀行など、業界特有の帳票が多い分野での導入拡大の推進を目指している。
今後の展望
兼松では、「Flax Scanner HUB」の導入成功を受けて、今後は関係会社を含む兼松グループ全体のDX推進に向けて利用拡大を検討している。また、シナモンAIにとっても、兼松での成功事例を基に、金融、製造、流通など他業界への展開を加速させる好機となるだろう。
参照元:PR TIMES
AI開発会社をお探しの方はこちらのプロ厳選会社紹介記事もご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp