東大発のLightblue Technology、国内最大規模となる67億パラメータの日本語LLMをオープンソース公開
最終更新日:2024年10月10日
株式会社Lightblue Technologyは、2023年7月19日、国内最大規模となる67億パラメータの日本語LLM(大規模言語モデル)を開発し、オープンソースで公開したと発表した。
Lightblue Technologyは、東大発AIスタートアップとしてAIの民主化実現に取り組む企業だ。今回のLLM開発/公開は、同社が新たに設立した研究開発チーム「LLab」において行われており、透明性とセキュリティに優れたLLMのオープンソース公開によりAIの利活用の幅を広げるとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 東大発AIスタートアップのLightblue Technologyが、67億パラメータの日本語LLMをオープンソース公開
- 主要LLMは英語モデルが大半であることを課題視、新たに設立した研究開発チーム「LLab」でLLMを開発
- ビジネスシーンにおける真に実用的なLLM実装を支援、公開したLLMを用いた新サービスの開発・提供も予定
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最先端AIの最速実装に取り組むLightblue Technology
Lightblue Technologyは、AIが安全に民主化された世界の実現を目指して、最先端AIの最速実装に取り組んでいる。「IoTの普及と進化」「人工知能の進化」という2つの流れを組み込む形で、デジタル技術の大衆化について課題を抱えるリアルの現場を支援。支援に必要となる高速演算/最新アルゴリズム/高度高速開発を実現するために、データ収集・演算を担うAIエンジン「Lightblue BASE」も開発した。
「Lightblue BASE」によりLightblue Technologyは、人にフォーカスした画像解析「Human Sensing」をはじめ、動作解析/人流可視化/人物識別/異常検知/工程管理/潜在顧客の発見など、機能要件に応じたAIソリューションの利用を実現。AI活用によるリアルの現場のアップデートに取り組み続けている。
国内最大規模となる日本語LLMをオープンソースで公開
Lightblue Technologyはまた、法人向けチャットAI「Lightblue Chat」の開発・提供も手がける。「Lightblue Chat」は、OpenAI社の「ChatGPT」が持つ機能と、法人向けに配慮した仕様を併せ持つチャットAIだ。公式の「ChatGPT」ではインプットデータがOpenAI社の学習に利用されてしまうリスクがあるのに対して、「Lightblue Chat」では学習利用の防止を実現。また、法人内での個人スペース/共有スペースの設定や、管理者による利用者のチャット内容監査機能も備える。
こうした「ChatGPT」関連事業を進める中でLightblue Technologyは、「ChatGPT」がかつてない規模で広範な普及を実現したことに注目。しかし同時に、主要LLMは英語モデルが大半であること、そして日本語に特化したLLMの開発は国内大手ベンダーが中心であることが、日本のAI普及においては課題であると考えた。
現状における日本語特化型のLLMはまた、具体的な学習方法が不透明であったり、クラウド運用が前提のためセキュリティ面での懸念も多かったりもする。こうした点が、特に企業における実運用では問題になるとLightblue Technologyは判断。こうした問題に対処すべく今回、67億パラメータを有する日本語LLMをオープンソースで公開するに至った。
企業ごとの独自モデル提供や、新サービスの開発・提供も予定
今回Lightblue Technologyが公開した日本語LLMは、同社の生成AI特化開発チーム「LLab」が開発を担った。「LLab」は今後、ビジネスシーンにおける真に実用的なLLM実装の支援も手がけり、企業それぞれに合わせた独自モデルの提供や部署/現場ごとの業務理解を基盤としたカスタマイズにも取り組む予定だ。また、今回公開した日本語LLMを用いた新たなサービスの開発・提供も予定している。
Lightblue Technologyは今後も、AI技術の活用範囲を広げることでAIの民主化を具現化し、課題の解決を通じてポジティブな変革を社会にもたらすことを目指すとしている。
参照元:PRTIMES
自然言語処理の仕組みを詳しく知りたい方はこちらもご参考ください。
LLM(大規模言語モデル)とは何か、どのような仕組みで動くのか、こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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