Hmcomm、成田国際空港がAI異音検知システムを実証実験、24時間365日の遠隔監視で設備異常を早期発見へ
最終更新日:2024年11月27日
Hmcomm株式会社は2024年11月26日、成田国際空港株式会社との異音検知ソリューション「FAST-Dモニタリングエディション」を活用した実証実験の開始を発表した。
同実験は2023年12月から空港内空調設備の異常検知に関する検証を行ってきた成果を踏まえたもので、設備管理業務の効率化を目指す。本システムは24時間365日の遠隔監視が可能で、AIによる異常音の検知と分析データの可視化により、スマートメンテナンスの実現を目指すものだ。
<本ニュースの10秒要約>
- AIによる24時間365日の遠隔監視システムにより、設備の異常を早期発見し、保全業務の効率化とコスト削減を実現
- 現場作業員の人手不足と高齢化、育成コストの課題に対し、定量的なデータに基づく新しい保全手法を確立
- 音データをAIで分析し可視化することで、熟練作業員の暗黙知を数値化し、チーム全体での情報共有を促進
深刻化するメンテナンス業務の課題
現場作業員の採用難度は担当者の89.7%が「集まりにくい」と回答し、60歳以上の作業員比率は37%を超える状況だ。さらに、作業員の離職率は18.7%に達し、教育コストの損失が大きな課題となっている。
また、外国人技能実習生の受け入れを72.2%の企業が検討中であり、多様な価値観を持つチームでの定量的なコミュニケーションの必要性が高まっている。
FAST-Dモニタリングエディションの機能と特徴
本システムは遠隔での点検効率向上を実現し、SIMルータ等と組み合わせることで複数箇所の同時監視が可能だ。AIスコアの時系列データを可視化し、「いつもと違う」状態を検出した項目を数値情報として共有できる。
また、異常検知時の音声データをダウンロードし、関係者への説明に活用することができる。
実証実験の今後の展開
設備のモニタリングデータ収集に加え、異常検出時の対応業務フローの明確化やアプリケーションの拡充、高度化を目指す。現場作業者の意見を取り入れながらアプリケーションを改良し、保全業務のDX化を推進する。これにより、設備保全業務の省力化・効率化、異常の早期発見、安定した品質でのメンテナンス実現を目指す。
AI Market の見解
FAST-Dモニタリングエディションは、インフラ設備管理における人材不足と技術伝承の課題に対する有効な解決策となる可能性が高い。
AIによる異音検知技術は、熟練作業員の経験と勘を定量化し、24時間体制での監視を可能にする点で画期的だ。特に、多言語環境下での作業においても、数値データに基づく客観的な判断が可能となり、グローバル化する保全業務の標準化に貢献する。
今後、本技術は空港施設に限らず、様々なインフラ設備の保全業務に展開され、予防保全の新しい標準となることが予想される。
参照元:PR TIMES
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