NECとアイシン、生成AIとデジタルヒューマン技術によるパートナーAIシステムの開発を開始
最終更新日:2024年10月15日
2024年10月15日、NECとアイシンが画期的な取り組みを発表した。両社は共同で、生成AIとデジタルヒューマン技術を融合させた新しいパートナーAIシステム「NEC Personal Consultant」の開発に着手する。
このシステムは、高齢者や外国人など、デジタル社会から取り残されがちな人々にも寄り添い、自然なコミュニケーションを通じて最適な情報やサービスを提供する。2024年12月から金融業界向けサービスの提供を開始し、その後、ホテルやリテールなど他業種への展開も予定されている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- NECとアイシンが共同で、生成AIとデジタルヒューマン技術を組み合わせたパートナーAIシステムを開発開始
- 顔認証技術や多モーダル対話エージェントを活用し、個々のユーザーに寄り添う自然なコミュニケーションを実現
- 2024年12月から金融業界向けサービス提供開始、その後ホテルや小売など他業種への展開を計画
NECとアイシンが目指す、誰もが恩恵を受けられるデジタル社会
NECとアイシンが共同開発を開始したパートナーAIシステム「NEC Personal Consultant」は、デジタル社会の課題解決を目指す野心的なプロジェクトだ。現在、様々な産業でデジタルサービスが拡大しているが、ITリテラシーや言語の壁により、高齢者や外国人などがそれらのサービスを十分に利用できない状況がある。
また、サービスの高度化に伴い、情報過多に悩む顧客層も増加している。このシステムは、こうした課題に対応し、誰もがテクノロジーの恩恵を受けられる社会の実現を目指している。
NECの生成AI製品や世界トップクラスの顔認証技術、アイシンのマルチモーダル対話エージェントを組み合わせることで、より人間に近い自然なコミュニケーションを可能にする。システムは個々のユーザーの状況や感情を認識し、適切な情報やサービスを提供する。これにより、デジタルサービスの利用に困難を感じていた層にも、テクノロジーの恩恵をもたらすことが期待される。
高度な技術の融合がもたらす、人間味あふれるAIインターフェース
「NEC Personal Consultant」の特徴は、最先端技術の融合にある。NECの「NEC Generative AI Framework」により、業務や利用シーンに応じて最適な大規模言語モデル(LLM)を選択できる。また、NECが独自開発した生成AI「cotomi」を利用することで、業種や業務に特化した高度な応答が可能となる。
さらに、NECの生体認証技術「Bio-IDiom」の中核である世界最高水準の顔認証技術を活用し、信頼性の高い本人確認を実現。
アイシンのマルチモーダル対話エージェントは、カメラ画像や音声からユーザーの状況や感情を読み取り、LLMと融合することで共感的な対話を可能にする。デジタルヒューマン「Saya」の技術を用いて、表情、視線、ジェスチャーなどの非言語表現をリアルタイムで適切に表出し、人間とAIのより自然なコミュニケーションを実現する。
金融業界を皮切りに、多様な分野への展開を計画
NECは2024年12月から、まず金融業界向けにサービスの提供を開始する。その後、ホテル、小売、交通、不動産など、人間的なタッチが重要視される様々な業界への展開を検討している。将来的には、マイナンバーカード認証などの認証技術の適用範囲を拡大し、パートナーAIシステムの活用領域をさらに広げていく計画だ。
同時に、NECはデジタルヒューマンの安全な利用に向けて、AI活用の倫理やガバナンスのあり方についても提言を行っていく方針を示している。「BluStellar」と呼ばれる価値創造モデルのもと、業種を超えた知見と最先端テクノロジーを活用し、社会課題と顧客の経営課題の解決を目指す。
AI Market の見解
NECとアイシンによるパートナーAIシステムの開発は、AIと人間のインタラクションに新たな可能性をもたらす取り組みだ。生成AI、顔認証、マルチモーダル対話など、複数の先端技術を組み合わせることで、より自然で共感的なAIインターフェースを実現している点が技術的に注目される。
ビジネス面では、金融機関の窓口やホテルのフロントなど、直接的な顧客対応が重要な場面での活用が見込まれる。人手不足の解消や顧客サービスの向上、24時間対応の実現など、幅広い効果が期待できる。
一方で、AIの倫理やプライバシー保護の観点から、顔認証技術や個人情報の取り扱いには慎重な対応が求められる。NECが言及しているAI活用の倫理やガバナンスに関する提言は、業界全体にとって重要な指針となる可能性がある。
今後の市場への影響としては、金融業界を皮切りに、小売、ホテル、交通など幅広い業種でAIを活用した顧客対応の導入が加速すると予想される。特に、高齢者や外国人など、従来のデジタルサービスでは十分にカバーできなかった層へのアプローチが可能となり、新たな市場の開拓にもつながる可能性があると考えられる。
参照元:NEC
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