埼玉工業大学、自動運転AIを搭載した大型バスをスクールバスの一部運行に導入
最終更新日:2024年09月05日
埼玉工業大学は、2022年9月22日、自動運転AIを搭載した大型バス「レインボーⅡ」をスクールバスの一部運行において導入したと発表した。
この大型自動運転バスは、同学がAI技術を応用して開発した自動運転機能を後付けで搭載した車両。運行は同学と深谷観光バス株式会社と協力する形で行われ、約1.6kmの公道を自動制御で走行することによりAI技術の体験機会を学生に提供するとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 自動運転の開発に取り組んできた埼玉工業大学、自動運転マイクロバスの送迎も既に実施
- AIやディープラーニング(深層学習)で周囲を認識し、障害物を回避して走行できる「レインボーⅡ」
- 約1.6kmの公道を自動制御で走行、AI技術の体験機会を学生に加えて一般人にも提供
自動運転による学生の送迎を既に行ってきた埼玉工業大学
埼玉工業大学は、以前から自動運転関連の技術開発に取り組んできた経緯を持つ。2019年12月には自動運転マイクロバス「リエッセⅡ」をスクールバスに導入し、自動運転による学生の送迎も既に行ってきた。同学のこうした取り組みは埼玉県にも評価され、埼玉県先端産業創造プロジェクトのスマートモビリティ実証補助にも2年連続で採択。令和3年度埼玉県デジタル技術活用製品開発費補助にも、同学は採択されている。
自動運転ソフトウェアに「Autoware」を導入した「レインボーⅡ」
こうした埼玉県からの補助に加えて、株式会社ミクニライフ&オートの全面的な技術協力を得る形で、同学は大型自動運転バス「レインボーⅡ」を開発するに至った。同車両は、日野レインボーをベースとする定員58人乗りのディーゼル車であり、自動運転ソフトウェアには「Autoware」をカスタマイズして導入。AIによる障害物の検知(識別・分類)機能を強化すると共に、複数のライダーやカメラの画像情報もディープラーニング(深層学習)によって認識することで、障害物を回避して走行することが可能となっている。
埼玉工業大学の自動運転バスは、全国各地の実証実験に多数参画してきた経験・ノウハウを活用し、一般公道における法定速度での走行が可能という特徴を持つ。同学が開発した大型自動運転バスは、2021年2月にはNHK大河ドラマ「青天を衝け」に合わせる形で営業運行も開始。自動運転とドライバーによる手動運転を即時にスムースに切り替え、同ドラマの題材となった近代日本経済の父・渋沢栄一翁ゆかりの地への交通手段「渋沢栄一論語の里循環バス」として活躍した。
学生だけでなく一般人も乗車可能、運賃は無料
今回開始された「レインボーⅡ」のスクールバスとしての運行は、2022年9月19日から12月23日までが実施期間となる。走行日は運休期間を除く毎週月曜日と金曜日であり、一日9便を設定。バスは法定速度内の最高40㎞以下で公道を走行し、ドライバーが乗車するもののハンドルとアクセル・ブレーキはシステムが自動で制御する。着座での運行となるため乗車定員は22名だが、同学の学生だけでなく一般人も乗車可能であり、運賃は無料となっている。
参照元:PRTIMES
自動運転に用いられるAI技術、現状の問題点についてはこちらの記事で解説しています。
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