Salesforce、次世代AIモデルで自律型エージェントが営業タスクを効率化
最終更新日:2024年09月12日
2024年9月6日(現地時間)、SalesforceはAgentforceを強化する次世代AIモデルを発表した。Agentforceを強化するxGen-SalesとxLAMは、Salesforce AI Researchが開発した自律型AIエージェント技術だ。
これにより、営業タスクの自動化や顧客インサイトの生成が可能になり、営業担当者の業務効率が飛躍的に向上する。さらに、xLAMモデルは低コストで高速なパフォーマンスを実現し、より大規模なモデルをも凌駕する精度を誇る。
<本ニュースの10秒要約>
- Salesforceが自律型AIエージェント強化技術「xGen-Sales」と「xLAM」を発表
- xLAMモデルは低コストで高速なパフォーマンスを実現し、より大規模なモデルよりも高い精度を達成
- 新技術により、営業担当者は戦略的優先事項に集中でき、顧客対応の質を向上
Agentforceと新AIモデルの概要
Salesforceが発表した新AIモデルは、Agentforceと呼ばれるプラットフォームを強化するものだ。xGen-Salesは、営業タスクに特化したファインチューニングが施されたモデルで、顧客インサイトの生成や連絡先情報の充実、コールの要約、営業パイプラインのトラッキングなどを自動化する。
このモデルにより、AgentforceのSales Agents機能が強化され、より正確で迅速な自律的パイプラインの育成や営業担当者のコーチングが可能になる。
一方、xLAMは大規模行動モデル(LAM)と呼ばれる次世代の言語モデルファミリーだ。従来のLLM(大規模言語モデル)が主にコンテンツ生成に使用されるのに対し、LAMは他のシステムやアプリケーション内で機能を実行する関数呼び出しに特化している。
つまり、人の代わりにAIエージェントが独立してタスクを実行するために必要なアクションを引き起こすことができる。
xLAMモデルの特徴と種類
xLAMモデルの最大の特徴は、低コストで高速なパフォーマンス、高い精度を提供することだ。例えば、xLAM-1Bモデルは、わずか10億のパラメータで構成されているにもかかわらず、より大規模で高価なモデルを凌駕する性能を示している。
xLAMファミリーには4つの言語モデルがある。
- Tiny(xLAM-1B):1Bのパラメーターを持ち、オンデバイスアプリケーションに適している。
- Small(xLAM-7B):限られたGPUリソースでの迅速な学術的探索のために設計されている。
- Medium(xLAM-8x7B):産業向けアプリケーションに最適な混合専門家モデルだ。
- Large(xLAM-8x22B):最適なパフォーマンスを求める組織向けの大規模混合専門家モデルとなっている。
新AIモデルがもたらす営業の変化
これらの新AIモデルは、営業担当者の業務を大きく変革する可能性を秘めている。自律型AIエージェントが日常的な営業タスクを効率的に処理することで、営業担当者はより戦略的な優先事項に集中できるようになる。
例えば、顧客インサイトの生成や営業パイプラインのトラッキングが自動化されることで、営業担当者は個々の顧客に対してより深い理解と対応が可能になる。
また、これらのモデルは自身の能力の限界も把握しているため、品質保証や業務完了のために人にタスクを引き渡すべきタイミングを認識できる。これにより、AIと人間が効果的に協働し、より高度な顧客サービスを提供することが可能になる。
AI Market の見解
SalesforceのxGen-SalesとxLAMモデルの発表は、AIを活用した営業支援技術の新たな時代の幕開けを示唆しているかもしれない。
これらのモデルは、単なる業務効率化ツールではなく、営業プロセス全体を再構築する可能性を秘めている。特に注目すべきは、xLAMモデルが示す低コストで高性能なAI技術の実現だ。これにより、中小企業を含む幅広い企業がAIの恩恵を受けられるようになる可能性がある。
一方で、AIの自律性が高まることで、人間の営業担当者の役割も変化していくことが予想される。戦略立案やクリエイティブな問題解決、高度な対人コミュニケーションなど、人間ならではの能力がより重要になるだろう。企業は、AIと人間のそれぞれの強みを活かしたハイブリッドな営業体制の構築を検討する必要がある。
今後、この技術がどのように進化し、実際のビジネス現場でどのような成果を上げるのか、注目が集まるところだ。AIの進化に伴い、データセキュリティやプライバシー保護、倫理的な使用についても議論が必要になるだろう。Salesforceの取り組みは、AIが営業の未来をどのように形作るかを示す重要な一歩と言える。
参照元:Salesforce
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