スペースデータ、衛星データからメタバース/デジタルツインを自動生成できるAI技術について、特許取得
最終更新日:2023年03月24日
株式会社スペースデータは、2023年3月22日、衛星データから仮想世界を生成するAI技術について特許を取得したと発表した。
スペースデータは、衛星データ/AI技術/3DCG技術という3つの技術を軸として研究開発を行う宇宙関連スタートアップ企業だ。同社が今回特許を取得した技術は、AIが衛星データから3D都市モデルを生成するものであり、高精細なビジュアルが必要なメタバース/デジタルツインといった用途にも活用が可能となっている。
<本ニュースの10秒要約>
- 「テクノロジーで新しい宇宙を作る」というビジョンを掲げて宇宙事業を展開するスペースデータ
- 膨大な衛星データを活用し、バーチャル空間にもう1つの「地球」を自動生成するアルゴリズム
- 従来の3D地球儀が苦手な人間視点の3Dモデル生成について、強みを持つ技術を開発して特許を取得
テクノロジーを駆使して自らの手で「新しい宇宙」を作り出す
スペースデータは、「テクノロジーで新しい宇宙を作る」というビジョンを掲げて宇宙関連事業を展開している。
宇宙は、一般的には「未知の物理的な空間」と考えられているが、同社は宇宙を「テクノロジーを活用して作り出す対象」であると認識。宇宙の本質は「情報(データ)」であり、人類はテクノロジーを駆使して自らの手で「新しい宇宙」を作り出すことができると考えている。
この「新しい宇宙」は誰もがそれぞれ創造できるものであり、この創造により人々は人種/性別/容姿/環境に縛られることなく自分の運命を変えられると、同社は考える。そして、こうした未来の実現に繋がる事業として、AI技術の開発などに取り組んでいる。
バーチャル空間にもう1つの「地球」を自動生成
スペースデータが主として取り組んでいるのは、バーチャル空間にもう1つの「地球」を自動生成するアルゴリズムの開発だ。
このアルゴリズムは、人工衛星から取得できる膨大な地上観測データを活用し、地球の地理空間情報を理解させることで実現したもの。地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、また3DCG技術によって石/鉄/植物/ガラスなどの細かな材質も自動的に再現している。
このアルゴリズムについて同社は、この世界のあらゆるデータを学習させることも企図。交通量/人通り/昼夜/四季/気温/植物分布/夜間光量といったデータも活用することで、より精緻な「世界」の再構築を目指している。
衛星データからの3D都市モデルを生成するAI技術
スペースデータが今回取得したのは特許第7232552号であり、発明の名称は「情報処理装置、方法、およびプログラム」だ。衛星データからの3D都市モデルを生成するAI技術として、2022年4月11日に出願、2023年2月22日に登録された。
同特許におけるスペースデータのアルゴリズムは、従来の3D地球儀が苦手とする人間視点(一人称視点)での3Dモデル生成について、強みを持つ。従来の3D地球儀は、衛星写真や航空写真を3Dモデルに貼り付けた形で提供される場合が多く、人間の一人称視点では写真の解像度が足りない傾向があった。しかしスペースデータのアルゴリズムは、地上の構造物の意味をシステムに理解させた上で3Dモデルとして再変換することで、この課題を解消。近い距離でも景観を劣化させずに表現することを可能にした。
従来、3次元空間を人間の視点で動き回るVR/ゲーム/映像制作といった領域では、3D地球儀の活用が進んでいなかった。しかしスペースデータは、同社のアルゴリズムであればこれらの領域でも活用が容易であると自負している。
参照元:PRTIMES
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