AIの3Dモデル自動生成では何ができる?特徴や活用シーン、企業で使えるおすすめツール5選まで徹底解説!
最終更新日:2024年11月14日
近年、目覚ましく進化しているのが、生成AIを用いた3Dモデルの自動生成技術です。これまで専門知識や高度なスキルを要していた3Dモデリングが、AIによるコンピュータビジョンの力を借りることで、誰でも簡単に高品質な3Dモデルを作成できるようになりました。
生成AIとはなにか、種類や仕組み、使い方をこちらの記事で、また、コンピュータビジョンについてはこちらで詳しく説明していますので併せてご覧ください。
この記事では、3Dモデル生成のAIサービスでできること、オススメの3Dモデル生成AIツールをご紹介します。
AI Marketでは
AIによる3Dモデル生成とは?
AIの3Dモデル生成は、人工知能を利用して、自動的に3Dモデルを作成する技術です。MidjourneyやStable Diffusionのような2次元の画像を生成する画像生成AIとは異なり、3次元のデータを生成することが可能です。
これまで、3Dモデリングは専門知識と高度なスキルを必要とする作業でしたが、生成AIの進化により初心者でも3Dモデルを活用できるようになりました。具体的には以下のようなことが可能です。
画像生成AIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
テキストからの3Dモデル生成
AIは、シンプルなテキストプロンプトから複雑な3Dモデルを生成することができます。例えば、「茶色の毛皮を持つライオン」と入力すると、その記述に基づいた3Dモデルが作成されます。この技術は、プログラミングや元となる画像がない状態でも3Dモデルの生成を可能にします。
画像からの3Dモデル生成
テキストからだけでなく、2D画像を基にして高品質な3Dモデルを生成することも可能です。ユーザーは物体やキャラクターの画像をアップロードするだけで、それを3Dモデルに変換できます。
これにより、すでに持っている画像イメージを元に、シーンや用途に合わせた3Dモデルを手に入れることができます。
高精度のテクスチャリング
3Dモデルに高精度のテクスチャを適用することも可能です。よりリアリティを追求するためのビジュアルエフェクトを追加したり、質感のある3Dモデルを生成するための修飾が可能になります。これにより、3Dモデルを実際のビジネスシーンで活用する機会も増えます。
自動リギングとアニメーション
AIは、生成した3Dモデルに自動的に骨組みを追加し、アニメーションを適用することも可能です。これにより、モデルの動きを簡単に制御でき、キャラクターのアニメーションを迅速に作成することができます。
バリエーション生成
一度生成した3Dモデルを基にして新しいバリエーションを作成したり、既存のモデルをリミックスして新しいデザインを生み出すことができます。さまざまなデザインアイデアを迅速に試すことができ、クリエイターの創造性を高めます。
AI Marketでは
AIによる3Dモデル生成の活用シーン
AIによる3Dモデル生成技術は、3D制作のプロセスを大きく変革する可能性を秘めています。主な活用方法としては以下のようなものが考えられます。
業界 | 活用方法例 |
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小売・Eコマース |
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製造業 |
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エンターテインメント・ゲーム産業 |
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建築・不動産 |
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医療 |
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ただし、現状ではAIが生成したモデルの品質や精度には限界があるため、プロフェッショナルな用途では人間による調整や仕上げが必要になる場合が多いでしょう。
企業ユースにおすすめの3Dモデル生成AIツール5選
3Dモデルの生成においてもすでに様々なAIツールが存在します。今回は特にオススメの3Dモデル生成AIツールをご紹介します。
【Adobe Firefly】Adobeユーザーは必見
Adobe Fireflyは、AdobeのジェネレーティブAIモデルのファミリーであり、画像や動画だけでなく、3Dモデルの生成をサポートしています。PhotoshopやIllustratorなどのAdobeの主要アプリケーションに統合されており、Adobe Creative Cloudの一部として、さまざまなメディアの編集と生成を可能にするツールです。
Adobe Substance 3Dアプリケーションにも統合されており、3Dオブジェクトやシーンの生成、テクスチャの作成が可能です。日本語を含む多言語に対応しており、グローバルなユーザーに利用されています。
Adobe Fireflyの特徴
Adobe Fireflyは以下のような特徴があります。
- Adobe Creative Cloudの一部として利用可能
- テキストだけでなく、画像からも3Dモデルを生成
- ユーザーフレンドリーなインターフェース
料金
料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- 無料プラン(月25回生成)
- プレミアムプラン:月額680円~(月100回生成)
【Luma AI】スマホで手軽に3Dモデルを生成
Luma AIは動画や写真、あるいはテキストを基に3Dモデルを生成するサービスです。Neural Radiance Fields (NeRF) 技術を使用し、高品質で詳細な3Dモデルを生成し、リアルな反射や照明効果を再現します。開発者向けにNeRFのAPIも提供されています。
2024年には、テキストや画像から高品質な動画を生成するAIモデルDream Machineが発表されました。
Luma AIの特徴
Luma AIは以下のような特徴があります。
- スマートフォンで撮影した動画や画像を3Dへ変換
- 高速でリアリスティックなモデルを生成
- iOS、Android、Webブラウザで利用可能
- Unreal Engine用のプラグインも提供
料金
料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- 無料プラン(月30回生成)
- 標準プラン:月額約3,600円(23.99ドル)~
- プロプラン:月額約12,000円(79.99ドル)~
- プレミアムプラン:月額約60,000円(399.99ドル)~
【Wonder Studio】実写の人間をCGキャラにできる
Wonder Studioは、AIを活用して実写の人間をCGキャラクターに置き換えるツールです。実写映像からAIが自動的に動きを検出し、CGキャラクターにアニメーションを適用します。
1台のカメラで撮影した映像から3D情報を抽出できるため、特殊な機材が不要です。また、処理はクラウド上で行われるため、ユーザーの端末性能に依存しません。
映画制作やアニメーション制作、VFX制作において、キャラクターの動きを簡単に生成できます。
Wonder Studioの特徴
Wonder Studioは以下のような特徴があります。
- 実写の人間を簡単にCGキャラに置き換えられる
- 専用のモーションキャプチャー機材が不要
- 映画制作やアニメーション制作向けの高度な機能あり
- Maya、Blender、Unreal Engineなど、主要な3DCGソフトウェアとの連携が可能
料金
料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- ライトプラン:月額約2,550円(16.99ドル)~
- プロプラン:月額約13,000円(84.99ドル)~
- エンタープライズプラン:カスタム
【Kaedim】1枚の画像から簡単に3Dモデル化
Kaedimは、ロンドンやアメリカに拠点をもつ注目のAIスタートアップが提供するサービスです。初心者でも1枚の画像から3Dモデルを生成できるツールです。
ユーザーは1枚の画像をアップロードするだけで、AIが自動的に3Dモデルを生成します。複数の画像をアップロードすることで、より詳細なモデルを生成することも可能です。生成された3Dモデルは、.obj、.fbx、.gbl、.gltfなどの複数の3Dフォーマットでダウンロード可能です。
クラウド上で処理が行われるため、ユーザーの端末性能に依存せずに高品質な3Dモデルを生成できます。
Kaedimの特徴
Kaedimは以下のような特徴があります。
- 1枚の画像から簡単に3Dモデルを生成できる
- APIとUnity、Blender、Unreal Engineなどの人気ソフトウェア向けのプラグインを提供
料金
料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- 個人プラン:月額約36,000円(240ドル)~
- プロプラン:月額約144,000円(960ドル)~
- スタジオプラン:月額約420,000円(2800ドル)~
- エンタープライズプラン:カスタム
【CGTrader】3Dモデルのマーケットプレイス
CGTraderは、生成AIを活用した3Dモデル生成ツールではありませんが、3Dモデルのマーケットプレイスとして広く知られており、150万以上の多様な3Dモデルを提供しています。ゲーム開発、AR/VR、広告、建築、アニメーション、ビジュアライゼーションなど、幅広い用途に対応したモデルが揃っています。
MAX、OBJ、FBX、3DS、STL、C4D、BLENDなど、業界で一般的に使用されているフォーマットでダウンロードが可能です。
CGTraderの特徴
CGTraderは以下のような特徴があります。
- 歴史的な建築物や人物のモデルなど、特殊なカテゴリーのモデルも豊富
- ハイポリモデルからゲーム用のローポリモデル、3Dプリント用モデルまで幅広く対応
- カテゴリー別、アイテム別、価格別、ファイルフォーマット別など、詳細なフィルタリング機能
料金
料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- 20万以上の無料3Dモデルが利用可能
- 有料モデルは、$9から$49程度の幅広い価格帯で提供
3Dモデル生成AIについてよくある質問まとめ
- 3Dモデル生成AIでできることは?
- テキストや画像からの3Dモデル生成
- 高精度のテクスチャリング
- 自動リギングとアニメーション
- バリエーション生成
- オススメの3Dモデル生成AIツールは?
- Adobe Firefly
- Poly
- Luma AI
- Wonder Studio
- Kaedim
まとめ
AIによる3Dモデル生成は、デザインやプロトタイピング、ゲーム開発、アニメーション制作など、多くの分野で革新をもたらしています。今回ご紹介したような3Dモデル生成AIツールをうまく活用することで、生産プロセスを効率化できるだけでなく、個人やチームのクリエイティビティをさらに高めることができるでしょう。
AI Marketでは
参考:AIで3Dモデリングができる?AIを活用するメリットや注意点、生成AIツールの種類を紹介 | SketchUp Pro Japan
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