最終更新日:2023-05-12
チャットボットとは?AI型・シナリオ型の違い・2大導入メリット・効果徹底解説!

Webサイトを閲覧しているとミニサイズの画面が表示され、質問に答えてくれるチャットボット機能をよく見かけるようになりました。人間の代わりに回答業務を実施してくれるチャットボットが浸透したことは、AIの高性能化と大きな関連性を持っています。
この記事ではAIチャットボットに関する知識と導入の参考となる情報を紹介していきますので、将来的に自社のサービスとして導入を意識している方は是非参考にしてください。
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目次
チャットボットとは?
チャットボットとは、自動会話プログラムです。リアルタイムにメッセージの交換を意味する「チャット」と、特定の処理を自動的に実行するコンピュータプログラムを意味する「ボット」を組み合わせた名称です。
AIチャットボットとは、「AIを用いて人間と自然な対話・応答するコンピュータプログラム」を意味しており、人間との対話を通じて情報収集や自動応答する機能があることが特徴です。
AI技術の発達によって幅広い対応ができるようになり、ありとあらゆるシチュエーションにおける活用が普及しています。
OpenAI社が公開したChatGPT(チャットジーピーティー)は、大規模な自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのチャットボットです。人間のようにふるまい、自然な対話からユーザーが求める文章を生成できます。
ChatGPTの仕組み、活用事例、注意点についてこちらで説明しています。
AIチャットボットの仕組みと特徴
AIチャットボットは、問いかけに対して統計学的に正解である可能性が高い答えを選択するといったAIの機能を活用しています。入力された文言から内容を理解し、重要な手掛かりとなる語句を抽出して会話の意図を読み取ることで、ユーザーの質問に適した回答を「探し」「組み合わせ」てテキストを表示します。
iPhoneに搭載されているSiriをイメージするとわかりやすいでしょう。
AIチャットボットでは、人間の言語をコンピュータに処理させる技術である自然言語処理(NLP)と、経験から学習して意思決定を実現できるようにする技術である機械学習を活用しています。会話ロジックを通じてふるいにかけて正答を選ぶ仕組みで、違和感がない会話にするためには膨大な情報を入力しなければなりません。
過去においてはAIチャットボットが誤りのある情報を習得したことによって、適切性に欠ける会話へと発展してしまい問題となった例があります。不都合のない会話を継続させるためには、過りのある情報をケースバイケースで発見して排除するといった運用後の調整も非常に重要です。
AIチャットボットと関連性の高い自然言語処理(NLP)については「自然言語処理(NLP)のAIシステム開発に強い、プロ厳選のAI開発会社!にて、おすすめの開発会社を紹介していますので、ぜひ一読ください。
AIチャットボットが誕生した背景
AIチャットボットが指数関数的に普及した背景としては、社会的に解決すべきいくつかの困難な状況が起因しています。慢性的なマンパワー不足や少子化による有効労働力減少の懸念、人口構造の高齢化と独り暮らしの増加、マーケットにおける顧客ニーズの細分化、要求の高度化と企業に対する業務効率化の要求といったことです。
こういった、過去にはなかったいくつもの課題を新しい技術の力で対処していくことが急務とされています。解決手段のひとつとして注目を集めているのがAIチャットボットで、今後解決できる領域が広がっていくことでより良い状態になると期待されているのです。
また、AIに関するオープンソースの活用により、特定の人に限定されずどんな人も比較的リーズナブルな価格でチャットボットが利用できるようになったことで開発コストが抑制されました。そのため、これまで難しいとされていた精度が高いチャットボットの開発も可能になったのです。
チャットボットの種類
チャットボットは大まかに分類すると、「AI型」と「シナリオ型」の2種類です。
- AI型:膨大な情報を分析して回答の精度を向上
- シナリオ型:所定のルールに沿って回答
それぞれに関して、詳しくみていきましょう。
AI型チャットボット
ユーザーがチャット画面で入力した発言内容や、ユーザーの行動・利用データをAIが解析し、より条件に適した回答が表示される方法を「AI型チャットボット」と言います。用途としては「ECサイトにおける接客」などが考えられます。
【メリット】
複数の分野にまたがっている質問に対しても回答できるため、オペレーターが協力することを減らして人的コストを抑えることが可能。さらにチャットボットはいつも変わらず稼働できるので、深夜や早朝といった対応が困難な時間帯においても回答できます。本来得られるはずの機会損失を減らせるのです。
【デメリット】
回答精度の向上を図るために、大量のデータが必要となる場合があります。ユーザーの発言内容を正しく認識して回答するためのAIの自然言語処理解析精度はもちろん、質問に対して間違いのない回答をまとめたデータベースが必要です。データベースの質が悪いと精度が向上しにくくなります。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットとは、前もって作成しておいた筋書き(シナリオ=Aという質問に対してBを回答 など)通りに自動的に回答が表示されるものです。定められた質問に対して「よくある質問」が書き記されているページに案内するといったカスタマーサポート業務を代行させる用途に向いています。
【メリット】
すでに想定問答集が準備されていれば構築は難しくないため、似通った内容の質問に対する回答を自動化することによって、業務を効率化できます。比較的シンプルな質問に関してはチャットボットが回答して、単純でない内容に関しては人間が回答するといった活用も可能です。
【デメリット】
ルール通りの回答しかできないため、幾つもの質問に回答させようとすると膨大なルールの設定が必要になります。ほんのわずかでもルールから外れてしまうと適切な回答ができないため、複雑な質問に関しては人間が対応する体制を構築すると良いでしょう。
こちらでAI搭載、非搭載のほかにも機能や仕組みなどで詳細にチャットボットを分類する方法を詳しく説明しています。
AIチャットボットが注目されている背景
AIチャットボットは、入力された文章に対して自動的に回答してくれるロボットです。どういった要因でチャットボットは注目されているのか、主な背景を解説していきます。
AIの発達
AIは1950年代頃に創出されましたが、開発・運用する人材確保の不足や多岐の業務に対応できない等、具体的に商品として生産されるまでには至りませんでした。AIという言葉が世の中に浸透し始めたきっかけは、2006年の深層学習、2010年代以降のビッグデータの登場であるといわれています。
ビッグデータを揃えるだけでなく、分析・可視化することで、経営の判断材料として活用できるようになりました。それとは逆に、AIを開発していく過程でもビッグデータは必要となります。
例を挙げると、自動運転などのAIでは深層学習が取り入れられていますが、こういった場合でもビッグデータから特質を明らかにすることによって、人間のように判断できるようになっているのです。ビッグデータと深層学習が進歩したことによって、抽出された大量の情報をAIに読み込ませて精度を向上させることに成功しました。
こちらでChatGPTと従来のチャットボットの違いを詳しく説明しています。
働き方改革の影響
働き方改革により大企業だけではなく中小企業においても、やりがいのある仕事と充実した私生活を両立させるという考え方が活発になっており、残業時間の削減への取り組みが活発に行われています。また、少子化問題の影響によりマンパワーが不足していることからも、生産する能力を向上することが深刻な課題とされているのが現状です。
生産性の向上を改善する手段はいくつも存在しますが、チャットボットは顧客対応業務の無駄をなくして能率の向上をはかれることから一般的な活用が進んでいます。顧客対応業務の無駄をなくして効率化できることによって、社員の負担軽減・残業時間の削減につながるため、働き方改革を実現する後押しとなっているのです。
競合他社との差別化
電話やメールによる顧客サービスには、営業時間や同時に対応できる人数が制約されてしまいます。できる限り早く問題解決を成し遂げたい企業に対して、時と場合によらず24時間365日対応可能なチャットボットは、自社の製品・サービスへの顧客満足度を向上させることが期待できるのです。
また、対応が遅れてしまうと、ユーザーがサービスの利用を諦め離脱する可能性もあります。最悪の場合、競合他社へと顧客が流れてしまうかもしれません。チャットボットなら質問に対する適切な回答が得られるため、顧客が競合他社へと流出してしまうといった機会損失を抑えられるのです。
AIチャットボットの導入メリット
チャットボットを導入することによって多種多様の効果を得られるでしょう。例を挙げると、下記のような導入効果やメリットを期待できます。
24時間365日の顧客対応が可能
チャットボットを利用することによって、時間帯を問わずにどんなときでも顧客対応が可能となります。電話がなかなかつながらず回答が得られるまでにかなりの時間を要していたものを、一気に数分のやり取りで解決できれば、顧客満足度の向上につながります。
人的コストの削減につながる
チャットボットを導入することによって、時間を問わずに対応することが可能となるため、顧客の取りこぼしをある程度防げます。また、一定の業務を任せられることで人的コストの削減へとつなげられるでしょう。
サポート業務を行う人材が不足しており、サポートへの電話がつながりにくい状態が長い間改善されずに持続している企業は、チャットボットを導入することによって得られるメリットを受けやすくなるのです。
AIチャットボットの活用ケース
近年注目を集めているチャットボットは、数多くのシーンで利用されています。業種や業界によって多種多様な利用方法がありますが、以下で紹介する「カスタマーサポート」「社内ヘルプデスク」における活用が典型的です。
カスタマーサポート
ECサイトや製品のカスタマーサポートセンターには日々多くの問い合わせがあります。
内容はサービス・製品の疑問点・クレームなどさまざまですが、それらの中には、よくある質問のページを見れば解決できるような簡単・パターン化された内容も多く、対応するスタッフの業務に余裕がほとんどない状況になっているといったケースが多く見受けられていました。
チャットボットの導入で簡単な質問に関して自分で解決できるようになったため、対応スタッフへの負担をぐっと減らすことができるようになりました。また急激なスマホの普及により、SNSを活用したチャットコミュニケーションが主流になった現在、顧客との新たな関わり方として注目を集めています。
社内ヘルプデスク
チャットボットは、前述のカスタマーサポートにおいて利用されているイメージが浮かびやすいですが、最近は社内ヘルプデスクにおいても導入されています。
例えば大企業などにおいて、社内システムでわからないことを多くの社員から質問されるものの、少人数の担当で対応しなければならないケースが多く、また担当者が他の業務と兼任している場合も多いため、どのような方法で社員の自己解決を促進して、質問件数の削減を図るかがカギとなっています。新規のデバイス・インフラネットを導入した際は社内ヘルプデスクの業務が増加する傾向にあるとされています。
社内SNSを用意している企業も多くなったことによって、気軽に質問することが可能となった反面、担当者の業務量が増加しているとも言われています。そういった状況にチャットボットを導入することで、簡単な質問であれば社員が自己解決できるようになり、結果として対応する担当者の業務量を減らすことができます。
AIチャットボットを導入する際の注意点
現状において抱えているいくつもの課題をチャットボットで全て片付けられるわけではありません。そこで最初に「何を達成したいのか」の目的部分をクリアにすることが重要です。
目的の明確化
チャットボットを導入してからどのように利用するのかを考え始めるのではなく、導入する前に目的が明確となっている必要があります。業務効率化・コスト削減・顧客満足度向上・売上向上など、企業によって導入目的はさまざまです。
目的を明確化しておくことによって、サービスを選定する際の根拠となり、運用によって発生している課題を解決するための指針にもなります。導入する目的が明確になることで、目的を達成するためにはどういったチャットボットが必要となってくるかが見えてきます。
導入コストや運用の手間が発生する
チャットボットの運用を開始するためのシステムを整備するために、手間と時間が発生する場合があります。導入した初めの段階から最適化されたサービスを用意できるわけではなく、精度を向上させるためにマンパワーによる情報収集を実施する必要があります。
サポート内容として、AIの機械学習・シナリオの作成といった行き届いた気配りができた導入支援していることもあるため、不安な場合はサポート体制が整っているツールを選択すると良いでしょう。
誤作動への対応が必要になる
どんなに学習させていても、イレギュラーな回答というものは必ずといっていいほど発生します。そのようなトラブルに備えていなければ停止してしまうため、利用している顧客満足度は下がってしまうでしょう。
このような事態を避けるためには、回答できない質問に人間が速やかに対応するシステムを構築しておく必要もあります。
AIチャットボットを導入する際は専門会社へ
本記事では、AIチャットボットを導入する際の具体的な活用方法・ポイントについて解説しました。AIチャットボットを導入することによって、さまざまなビジネスシーンで応用可能です。
導入を検討する際には、どの分野でどのような仕事をAIチャットボットに任せられるのか、指針を明確に決めながら進めることが大切です。そのため、克服すべき課題と望ましい効果を明確にしておきましょう。
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