ローカルLLMとは?特徴・おすすめモデル・必要なPCスペック・構築方法を解説
最終更新日:2026年09月29日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

ChatGPTなどの生成AIの基盤となっている技術が、LLM(大規模言語モデル)です。しかし、LLMは一般的にクラウド環境での使用がメインであり、それゆえにデータ漏洩等のセキュリティリスクやインターネット接続の問題など、デメリットとなる点があることも事実です。
そこで、公開されたモデルを自社の端末やサーバーで実行するローカルLLMが注目されています。
この記事では、ローカルLLMの概要、モデルの選び方、メリット、必要なPCスペック、構築方法、弊社AI Marketに寄せられた相談事例を解説します。
関連記事:「LLMとは?AIエージェントとの連携・導入方法とコスト・代表的モデル・活用相談事例を徹底解説!」
関連記事:「RAGの構築・開発に強いAI開発企業厳選!外注先の選定ポイントやRAGでできることについて」
目次
ローカルLLMとは?

ローカルLLMは、個別のパソコンや自社ネットワーク内のサーバーなど、ローカル環境で実行するLLMです。
LLMは通常、AWSやAzureなどのクラウドサーバーで運用されることが多く、この場合は計算処理を外部のリソースに依存します。ローカルLLMでは、モデルの実行とデータ処理を自社の端末やサーバーで行います。
この考え方は、デバイス側でデータを処理するエッジAIとも似ています。エッジデバイスでLLMを動かすエッジLLMも、その一例です。
外部にデータを送信しない構成にすれば、機密情報の取り扱いやインターネット接続への依存を抑えられます。そのため、プライバシーやセキュリティを重視する金融・医療分野でも注目されています。
関連記事:「エッジAIとは?メリット・クラウドとの使い分け・相談事例や活用事例を徹底解説」
関連記事:「エッジLLMとは?代表的なLLM・活用メリット・事例・展望を徹底紹介!」
クラウド型LLMとの違い
両者の主な違いは実行環境です。クラウド型LLMは外部サーバーの計算資源を利用し、入力データと回答をインターネット経由で送受信します。
一方、ローカルLLMはパソコンや社内サーバーなど、自社で管理する環境で実行します。そのため、機密情報を扱う場合やインターネット接続が不安定な環境で選択肢になります。
外部クラウドとの通信時間を省ける一方、実際の応答速度はモデルの規模や端末・サーバーの性能によって異なります。データの取り扱い、接続環境、応答時間の要件に応じて選びましょう。
| 比較項目 | クラウド型LLM | ローカルLLM |
|---|---|---|
| 実行環境 | 外部のクラウドサーバー | 自社のパソコンや社内サーバー |
| データの送信 | 利用するサービスに入力データを送信する | 構成によっては、入力データを外部に送信せず処理できる |
| インターネット接続 | 通常、利用時に必要 | モデルや実行環境を事前に用意すれば、オフラインでも利用できる |
| 計算資源 | 主にサービス提供元が用意する | 自社で必要なメモリや、用途に応じてGPUを用意する |
| 応答速度 | 通信時間とクラウド側の処理速度に左右される | 通信を省ける一方、端末の性能やモデルの規模に左右される |
関連記事:「GPUとは?なぜ世界的に需要が拡大?重要性・AIとの関係を徹底解説!」
ローカルLLMとRAG・ファインチューニング
ローカルLLMを自社の業務に合わせて活用する方法には、RAG(検索拡張生成)とファインチューニングがあります。
RAGは、検索した情報をLLMによる回答生成に組み合わせる技術です。回答時に社内資料を検索・参照することで、モデルが学習していない自社の情報も回答に反映できます。参照資料を更新しても、通常はLLM自体を再学習する必要がないため、頻繁に変わる情報を扱う場合に適しています。
ファインチューニングは、既存のモデルを追加のデータで学習させ、特定のタスクに合わせて調整する方法です。回答の形式や特定業務への対応を改善したい場合に検討します。
社内情報を参照させたい場合はRAG、モデルの振る舞いを調整したい場合はファインチューニングというように、目的に応じて使い分けたり、組み合わせたりできます。
モデルに加え、検索に使う資料やシステムも自社環境内に配置すれば、外部クラウドに情報を送らずにRAGを利用できます。
関連記事:「RAG(検索拡張生成)とは?仕組みやLLMとの違い、メリット・活用例を解説」
関連記事:「ファインチューニングとは?LLMで必要な理由・デメリット・RAGや転移学習との違い解説」
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ローカルLLMにおすすめのモデル
ローカルで利用できるモデルには、規模や機能、必要な計算資源が異なる選択肢があります。選定時に確認したいポイントと、代表的なモデルを紹介します。
ローカルLLMのモデルを選ぶポイント
モデルは、主に以下の項目を確認して選びます。
- 用途と必要な回答品質
- PCで利用できるメモリ容量と、モデルの必要メモリ
- 日本語の指示や専門用語への対応
- 画像・音声など、必要な入力形式への対応
- 商用利用や改変に関するライセンス条件
日本語の業務に使う場合は、日本語を入力できるかだけでなく、実際の社内文書の要約や専門用語を含む質問で、指示の理解度と回答の自然さを確認しましょう。複数のモデルを同じ課題で試すと、回答品質と処理速度を比較できます。
ローカルLLMにおすすめのモデル一覧
ローカルLLMの土台には、オープンソースLLMや、学習済みの重みが公開されたオープンウェイトLLMを利用できます。
まず手元のPCで試すなら、必要メモリが比較的少ない小規模モデルが候補です。複雑な質問への推論を重視する場合はgpt-ossやDeepSeekのモデル、画像を入力したい場合はMinistralやGemma、音声も入力したい場合はGemmaの対応モデルを検討できます。
以下に代表的なモデルを示します。必要メモリは量子化方式や実行設定によって変わるため、表の数値は選定時の目安です。
| モデルシリーズ | 提供元 | ローカル利用のモデル例 | パラメータ規模 | 特徴 | 日本語対応 | 必要メモリの目安 | ライセンス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| gpt-oss | OpenAI | gpt-oss-20b | 総21B 稼働3.6B | 推論やツール利用に対応。 | 日本語評価あり | 16GB以上 | Apache 2.0 |
| Llama | Meta | Llama 3.2 3B Instruct | 約3B | 端末上での利用に向く軽量な対話モデル。 | 公式対応言語外 | 4GB以上(4ビット量子化) | Llama 3.2 Community License |
| Mistral | Mistral AI | Ministral 3 3B Instruct | 約3B | テキストと画像の入力に対応。エッジ環境向けに設計。 | 日本語対応 | 4GB以上(4ビット量子化) | Apache 2.0 |
| Gemma | Gemma 4 E4B | 有効約4.5B 総約8B | 端末上での利用を想定。画像・音声の入力にも対応。 | 多言語対応 | 8GB以上(Q4_0量子化) | Apache 2.0 | |
| DeepSeek | DeepSeek | DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B | 約7B | 大規模な推論モデルを蒸留した小型モデル。 | 要検証 | 8GB以上(Q4_K_M量子化) | MIT |
上述したモデル以外にも、QwenやPhi、Graniteなどオープンモデルは複数あります。これらの特徴やダウンロード数、オープンソースとオープンウェイトの違いをもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:「オープンソースLLMとは?代表モデル・比較と選び方を解説」
ローカルLLMの5つのメリット
ローカルLLMのメリットには、柔軟なカスタマイズ性やリアルタイムなデータ処理、情報漏洩のリスク軽減といったものが挙げられます。
| メリット | 概要 |
|---|---|
| インターネット接続が不要 | モデルと実行環境を社内に用意すれば、オフライン環境でも利用できる。 |
| 社内向けのモデルにカスタマイズできる | 社内データを使ったファインチューニングにより、業界の用語や業務に合わせてモデルを調整できる。 |
| リアルタイムでの処理が可能 | 外部クラウドとの通信を省き、応答時間が重要な用途に活用できる。 |
| 情報漏洩のリスクが軽減 | 入力データを外部サーバーへ送信せずに処理できる。 |
| コスト効率がよい | 初期投資は必要だが、利用頻度や既存設備の活用状況によっては、長期的な費用を抑えられる。 |
それぞれを以下で詳しく解説します。
インターネット接続が不要
ローカルLLMのメリットの一つは、インターネット接続が不要なオフライン環境でも利用できる点です。ローカルLLMはデータ処理やAIモデルの実行をローカルデバイスや社内サーバで完結させることが可能で、インターネットに依存しません。
これにより、ネットワーク接続が不安定な場所や、インターネット接続がセキュリティ上の理由で制限されている環境でも、途切れることなく高性能な言語処理が可能となります。特に、遠隔地や災害対応などの特殊な状況においても、ローカルLLMは信頼性の高いツールとして機能することが期待されています。
社内向けのモデルにカスタマイズできる
ローカルLLMはクラウドと切り離して使用できるため、会社独自のモデルにセキュアにカスタマイズすることも可能です。社内データを使用してファインチューニングすることで、業界特有の用語や業務プロセスに最適化したモデルを構築できます。
社内向けのモデルを運用することによって、社員のサポート業務や社内ドキュメントの処理など、特定の業務においても効率化が期待できます。カスタマイズされたローカルLLMは、社内の規定やセキュリティポリシーに準拠しつつ、より精密なパフォーマンスを提供してくれるでしょう。
リアルタイムでの処理が可能
ローカルLLMはデータをデバイス内で直接処理するため、即時の応答が求められる場面でも迅速に対応できます。チャットボットや音声認識システムなど、リアルタイムのやり取りが重要なアプリケーションにおいて、スムーズで効率的な運用が可能です。
リアルタイムでの処理能力は、ユーザーエクスペリエンスを向上させるだけでなく、業務効率の改善にも貢献します。
情報漏洩のリスクが軽減
ローカルLLMはインターネットとの接続が不要になるため、情報漏洩のリスクが大幅に軽減されます。クラウドベースのLLMでは、データが外部サーバーに送信される過程でセキュリティの脆弱性が生じる可能性があり、機密情報が第三者に漏れるリスクが存在します。
しかし、ローカルLLMはデバイスや社内サーバー内でデータを処理するため、外部にデータを送信する必要がなく、情報が流出するリスクを最小限に抑えることが可能です。医療など厳格なデータ保護が求められる業界や、個人情報を取り扱う企業にとって、ローカルLLMはセキュリティ対策として有効です。
もちろんこの場合、ローカルデバイスや自社サーバの物理的なセキュリティ対策は必須です。
コスト効率がよい
クラウド型LLMは利用量に応じた従量課金が一般的で、使い方によっては費用が高くなります。一方、ローカルLLMは初期投資後の追加コストを抑えられる場合があります。1ビットLLMのような軽量化技術も選択肢です。
例えば、1日に1,000回のクエリを1回0.1ドルで処理すると、クラウドサービスの料金は月間約3,000ドルです。利用頻度が高いほど、ローカルLLMのコスト効率が良くなる可能性があります。
計算資源が限られる場合は、SLM(小規模言語モデル)を併用し、特定用途を軽量に処理する方法もあります。
既存のサーバーやGPUを活用できれば、初期投資を抑えつつ、需要に合わせて処理能力を調整できます。導入費用は必要ですが、長期的にはコストを抑えられる可能性があります。
ローカルLLMでできること
ローカルLLMは、文章の作成や要約、質問への回答などに活用できます。
社内資料の検索や業務システムとの連携も、RAGや実行ツールを組み合わせることで実現できます。
| 用途 | できること | 必要な構成 |
|---|---|---|
| 文章作成・要約 | 報告書やメールの下書き、文書の要約、文章の書き換えを支援する。 | 用途に合うLLMと実行ツール |
| 社内文書の検索・質問応答 | マニュアルや過去の資料から関連情報を探し、質問への回答案を作る。 | LLMに加え、文書検索やRAG |
| 情報の整理・分類 | 問い合わせや社内記録を分類し、必要な項目を文章から抽出する。 | LLMと、結果を確認・保存する仕組み |
| コード作成の支援 | コードの説明、修正案の作成、テスト案の検討を支援する。 | コードに適したLLMと開発環境との連携 |
| 画像・音声を含む情報の分析 | 画像の内容に関する質問や、音声から得た情報の整理に活用する。 | 対応するモデルと、入力を処理できる実行環境 |
例えば、社内マニュアルを使った問い合わせ対応には、回答に必要な資料を検索する仕組みも求められます。
どの作業を実現したいかによって、選ぶモデルだけでなく、組み合わせるツールや準備するデータも変わります。
参照:LM Studio|Offline Operation
参照:LM Studio|Chat with Documents
ローカルLLMに必要なPCとGPUスペック
ローカルLLMを自分のPCで動かすには、利用するモデルに合ったメモリや計算能力が必要です。ここでは、PC選定時に確認したいスペックと、GPUの容量・費用の目安を説明します。
必要なPCスペック
ローカルLLMに必要なスペックは、モデルの規模、量子化方式、入力する文章の長さによって変わります。
自前のPCでローカルLLMを活用したい際は、メインメモリ(RAM)とGPUのメモリ(VRAM)を分けて確認しましょう。
| 項目 | PC選定時の目安 | 確認する理由 |
|---|---|---|
| メインメモリ(RAM) | まずは16GB以上を目安にする | CPUでモデルを実行する場合や、モデルの一部をGPU以外で処理する場合に使用する。OSやほかのアプリが使う分も必要。 |
| GPU・VRAM | 小規模な量子化モデルを試す場合は4GB以上が一つの目安。より大きなモデルには、モデルに応じて多くのVRAMが必要 | GPUで処理する際、モデルや処理中のデータを保持する。VRAM容量は応答速度に関わる。 |
| CPU | GPUを使わない場合はCPUの処理性能を確認する | 小規模なモデルはCPUでも実行できるが、応答速度は構成によって異なる。 |
| ストレージ | モデルファイルの容量に加え、複数モデルや更新分を保存できる空き容量を確保する | モデルをダウンロードして保存するために必要。SSDを使うとモデルの読み込み時間を抑えやすい。 |
例えば、量子化した小規模モデルを試す段階なら、現在のPCで動かせるかを確認するところから始められます。
一方、より大きなモデルを使う場合や長い資料を入力する場合は、必要なメモリが増えます。モデルの公開ページでファイル容量を確認し、利用する実行ソフト上でもメモリ使用量を確かめてください。
なお、MacのAppleシリコン搭載機ではCPUとGPUがメモリを共有します。Windows PCなどの「メインメモリ容量+GPUのVRAM容量」と同じ見方で比較しないようにします。
参照:LM Studio|System Requirements
参照:GitHub|ggml-org/llama.cpp
必要なGPUと導入費用
ローカルLLMの実行には、モデルの規模や求める応答速度に合った計算環境が必要です。小規模なモデルはCPUでも実行できますが、より大きなモデルを動かす場合や応答速度を高めたい場合は、GPUの導入を検討する必要があります。
GPUを選ぶ際に重要なのが、GPUに搭載されたメモリであるVRAMの容量です。VRAMが不足すると、モデルの一部をPCのメモリで処理する必要が生じたり、目的のモデルを実行できなかったりします。また、モデルファイルを保存するストレージも必要です。
GPUの価格はVRAM容量や製品によって大きく異なります。NVIDIA製GPUを搭載した製品の価格例を以下に示します。
| GPU | VRAM | GPU単体の参考価格 | ローカルLLMでの利用例 |
|---|---|---|---|
| GeForce RTX 5060 Ti 16GB | 16GB | 96,800円 | 量子化した小〜中規模モデルを、個人用PCなどで試す。 |
| GeForce RTX 5070 Ti | 16GB | 218,000円 | 16GBのVRAMを使いつつ、RTX 5060 Tiより高い処理性能を求める。 |
| GeForce RTX 5090 | 32GB | 722,800円 | より大きなモデルや長い入力を扱うために、VRAM容量を重視する。 |
※参考価格は2026年9月29日に確認した販売店掲載価格です。順にASUS PRIME-RTX5060TI-16G、PNY VCG5070T16TFXXPB1-O、GIGABYTE GV-N5090GAMING OC-32GDの価格で、在庫切れとなっている場合もあります。
GPU以外のPC本体やストレージ、機器の維持・更新にも費用がかかるため、長期的な運用を見据えたコスト管理が重要です。
参照:ドスパラ|ASUS GeForce RTX 5060 Ti 16GBの掲載価格
参照:ドスパラ|PNY GeForce RTX 5070 Ti 16GBの掲載価格
参照:ドスパラ|GIGABYTE GeForce RTX 5090 32GBの掲載価格
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ローカルLLMの構築方法

ローカルLLMを導入するには、以下のような手順で構築するのが一般的です。
- 目的と要件を定義する
- 利用するオープンソース・オープンウェイトLLMを選ぶ
- インフラの準備
- 実行するツールを選ぶ
- 参照資料や必要に応じて追加学習用データを準備する
- RAGの構築や必要な追加学習を行う
- ローカルLLMを評価し、改善を加える
それぞれの手順について解説します。
目的と要件の定義
どのようなビジネス課題を解決したいのかを明確にします。
- 利用目的の明確化
- 必要なパフォーマンスレベルの決定
- セキュリティ要件の特定
- 予算と人的リソースの確認
- 必要なデータやリソース
利用するLLMを選ぶ
目的と要件が決まったら、ベースとなるLLMを選定します。前述の「ローカルLLMにおすすめのモデル」で紹介した選定ポイントと比較表を参考に、用途と実行環境に合うモデルを選びます。
候補を絞ったら、実際に扱う文章や質問を使って回答品質と処理速度を確かめましょう。
インフラの準備
高性能なGPUサーバーなど、必要な計算リソースを準備します。そして、LLMの開発や運用に必要なソフトウェアをインストールし、環境を整えます。
実行するツールを選ぶ
PCやサーバーを準備したら、モデルをダウンロードして実行するためのツールを選びます。
画面上で手軽に試すか、プログラムや社内システムから呼び出すかによって、適したツールが異なります。
| ツール | 操作方法 | 主な特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| LM Studio | 画面操作、ローカルAPI | モデルの検索・ダウンロードからチャットまで画面上で進められる。 | PCでモデルを試す。必要に応じてプログラムから呼び出す。 |
| Ollama | アプリ、コマンド、ローカルAPI | モデルをダウンロード・実行し、ほかのプログラムとも連携できる。 | PCで試したモデルをアプリケーションにも組み込む。 |
| llama.cpp | コマンド、ローカルAPI | 量子化モデルをCPUやGPUで実行し、設定を細かく調整できる。 | PCやサーバーで実行方法を調整する。 |
| vLLM | コマンド、APIサーバー | モデルをAPIで提供し、複数のリクエストを処理する構成にも対応する。 | 社内システムや複数ユーザー向けに運用する。 |
まずPCで試す場合は、画面から操作できるLM StudioやOllamaが候補になります。
社内システムに組み込む場合は、利用するモデルやハードウェアへの対応に加え、API連携や同時利用の要件を確認して選びます。LM StudioやOllamaにはクラウドモデルを利用する機能もあるため、ローカルで運用する際はダウンロードしたモデルを選択します。
参照:LM Studio|Get started with LM Studio
参照:Ollama|Quickstart
参照:GitHub|ggml-org/llama.cpp
参照:vLLM|Quickstart
参照資料や追加学習用のデータを準備する
社内情報をローカルLLMで活用するには、用途に応じたデータの準備が必要です。RAGを使う場合は検索対象の文書を整備し、ファインチューニングを行う場合は目的に合った追加学習用データを用意します。
準備するデータとしては、モデルが特定のタスクに対して正確に応答できるようになるために必要な情報が含まれているのがよいでしょう。社内データとしては以下が使えると考えられます。
- 過去のドキュメント
- チャットログ
- FAQ
- 社内のマニュアル
- 製品・サービス資料
収集した資料は、用途に合わせて内容や形式を整理します。RAGでは検索しやすい状態に整え、ファインチューニングでは必要に応じてアノテーション(データへのラベル付け)などを行い、学習用データを準備します。
資料を検索して回答に参照させることと、モデルを追加学習して調整することは、目的に応じて使い分けます。
これにより、オープンソースLLMが自社の特定のニーズに特化した高度な言語処理能力を獲得できるようになります。
RAGの構築や必要な追加学習を行う
データの準備が整ったら、選んだ方法に応じてシステムを構築します。RAGでは資料を検索できる状態に整え、質問に関連する情報を回答時に参照させます。
ファインチューニングを選んだ場合は、準備したデータでモデルを追加学習します。
ローカルLLMを評価し、改善を加える
構築が完了したら、モデルの評価と改善を行います。評価指標を設定した上で、トレーニングされたモデルが実際のタスクにどれだけ適しているかを評価します。
また、実際の業務シナリオでテストを行い、モデルの実用性や応答の質を確認します。モデルの応答が特定のケースで誤差があったり、期待に達していない場合は、追加のデータを使用した再トレーニングやパラメータの調整が必要です。
この評価と改善のサイクルを繰り返すことで、ローカルLLMは精度と信頼性が向上し、実運用に適した高品質なモデルを構築できます。応答精度や速度が十分と判断したら、ローカルLLMを実際に運用する段階に入ります。
関連記事:「LLMの性能評価方法とは?人手・自動評価の違い、指標・ベンチマーク・ツールを徹底解説!」
実際にAI MarketにいただいたローカルLLMの活用相談事例
AI Marketには、機密情報を扱う業務の効率化や社内ナレッジ活用を目的としたローカルLLMの活用相談を多くの企業・教育機関からいただいております。
お客様から寄せられたご相談は以下のようなもので、AI Marketでは、コンサルタントがお客様の課題感をヒアリングし、適した技術・ソリューションを保有する企業をご紹介いたしました。
- 部門内データと外部公開データを統合する研究施設向けAI+RAG検索基盤の検討
- 過去の制作実績や社内報を活用する社内ナレッジ検索・提案支援環境の整備
- 機密情報を扱う製薬業界の社内AIシステム構築
- セキュリティアセスメント証跡と規制文書の突合による判定業務の効率化
- 機械操作方法や保守問い合わせに対し、画像付きで回答するオンプレミスFAQシステムの検討
※実際のお客様からのご相談内容のため、企業特定につながる情報は伏せています。
① 部門内データと外部公開データを統合する研究施設向けAI+RAG検索基盤の検討
ご相談企業様属性
- エリア:関東
- 従業員数:1,001人〜
要件・技術整理内容
ある研究施設では、研究者データ、研究戦略に関する分析情報、事務処理に関するデータベースを複数のストレージで維持しており、それらを部門内で横断的に活用できる仕組みを求めておられました。目的は、部内各種データに加えて外部の公開データベースも参照しながら、検索、分析、将来的な予測まで視野に入れた活用基盤を整えることです。
特に、研究人事、研究成果、外部資金獲得状況など機微性の高い情報を扱うため、情報の秘匿性を確保した構成が前提条件となっていました。そのため、ローカルLLMとクラウドLLMの違い、RAG構成におけるデータ連携方法、専門エンジニア不在でも維持しやすい運用設計を含めて、初期導入から継続運用までの全体像を比較検討したいというご相談でした。
② 過去の制作実績や社内報を活用する社内ナレッジ検索・提案支援環境の整備
ご相談企業様属性
- エリア:関東
- 従業員数:1,001人〜
要件・技術整理内容
ビジュアル制作を手がける企業では、新しい案件が発生した際に、過去にどのような訴求を行った事例があるか、どのようなテーマや切り口が近いかを素早く参照できる環境を求めておられました。社内には数年分の社内報や制作実績が蓄積されている一方で、人員の入れ替わりもあり、蓄積された知見が案件対応に十分活用されていないという課題がありました。
社外に出せない情報も含まれるため、ローカルLLMの選択肢や、まずはPoC・プロトタイプで実現可能性を確認する進め方への関心が高い状況でした。手元の教師データでどこまで有用性を出せるか、データ整備の追加が必要か、社内提案に向けて何を判断材料にすべきかを整理した上で初期段階から相談できる企業が求められていました。
関連記事:「ナレッジマネジメントとは?AI Marketに実際に寄せられた相談事例、重要手法・生成AI(RAG)を活用するメリットを徹底解説!」
③ 機密情報を扱う製薬業界の社内AIシステム構築
ご相談企業様属性
- エリア:近畿
- 従業員数:〜100人
要件・技術整理内容
製薬関連企業での機密性の高い情報を扱う前提で、社内AIシステムの構築を検討されていました。具体的には、機密性の高い書類作成業務の支援、社内情報の整理と再利用、既存ノウハウを用いた回答支援など複数の業務で社内データを有効活用したいという意向がありました。
相談時点では、すでに利用予定の端末や記憶装置は準備が進んでおり、社外にデータを出さないローカル構成への関心が明確でした。
そのため、単発の開発対応よりも、要件整理から文書管理の考え方、社内利用に適したUI設計、セキュアなローカル運用の具体像まで一緒に検討できる企業が適しているケースでした。
④ セキュリティアセスメント証跡と規制文書の突合による判定業務の効率化
ご相談企業様属性
- エリア:関東
- 従業員数:101〜500人
要件・技術整理内容
サイバーセキュリティを主事業とする企業では、セキュリティアセスメント業務において、規制文書と現場証跡を突き合わせる工数の削減を検討されていました。証跡としてはWord、Excel、PDFのようなテキスト資料だけでなく、スクリーンショット画像やシステムログも含まれます。
実現したい内容は、各種証跡が規制要件のどの項番に対応するかを整理し、適合・不足の判断を支援することです。扱う情報は顧客の機密情報であるため、利用可能なクラウド基盤の制約や外部学習への懸念を踏まえた設計が必要でした。
規制文の構造化、証跡の分類、画像と文書をまたいだ照合など、複数のLLM技術要素を組み合わせた検討が必要なケースといえます。
⑤ 機械操作方法や保守問い合わせに対し、画像付きで回答するオンプレミスFAQシステムの検討
ご相談企業様属性
- エリア:中部
- 従業員数:〜100人
要件・技術整理内容
製品の機械操作方法や保守に関する問い合わせ対応を効率化するため、社内向けの質問応答システムを検討されていました。想定利用者は主に社内担当者で、操作方法や過去のトラブル対応を一定水準で参照できるようにしたいという目的がありました。
特徴的なのは、回答に文章だけでなく画像やイラストも含めたいという要件です。さらに、お客様データや修理履歴を扱うため、オンプレミス運用が前提条件となっていました。
クラウド構成との違いや費用感、セキュリティ上の整理も比較材料として知りたい状況であり、まずは実現可能な構成と運用イメージを把握したいという段階のご相談でした。
AI Marketでは、上記のように、様々な企業・教育機関からのAI活用相談を受け付けています。
生成AIツールを用いて、AI企業の選定をAIに相談するケースも増えています。しかし、実際のAI導入では、機密情報の取り扱い、実装可能性の判断、企業選定など、人が介在しないと判断が難しい要素も多く存在すると考えています。
だからこそAI Marketでは、実際の人間である専門のAIコンサルタントが直接お客様と対話し、ヒアリングから企業選定までを支援し、実現性を見極めながら導入を進めやすい形でご案内しています。
貴社でもローカルLLMや社内向け生成AIの活用をご検討中の際は、ぜひご相談ください。
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ローカルLLMについてよくある質問まとめ
- ローカルLLMとは何ですか?
パソコンや社内サーバーなど、自社で管理する環境で実行するLLMです。モデルと実行環境を事前に用意すれば、オフラインでも利用できます。
- ローカルLLMにGPUは必須ですか?
必須ではありません。小規模なモデルはCPUでも実行できます。
ただし、大きなモデルを使う場合や応答速度を高めたい場合は、GPUとVRAM容量を検討する必要があります。
- ローカルLLMのモデルはどう選べばよいですか?
用途、日本語での回答品質、PCのメモリ、扱える入力形式、ライセンスを確認します。
実際の業務で使う文章を入力し、複数のモデルの回答品質と速度を比べると選びやすくなります。
まとめ
ローカルLLMは、パソコンや社内サーバーなど、自社で管理する環境で実行するLLMです。モデルや実行環境を事前に用意すれば、インターネットに接続せずに利用できます。構成によっては入力データを外部に送信せず処理でき、社内の用途に合わせた運用も可能です。
導入時は、業務に合うモデルを選び、必要なメモリやGPU、ライセンスを確認しましょう。機器の費用に加え、モデルの更新や運用にかかる手間も踏まえて、クラウド型LLMと比較することが大切です。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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