最終更新日:2023-03-24
データビジネスのDATAFLUCTと化粧品ECのオルビス、機械学習による梱包サイズ最適化の実証実験を開始

株式会社DATAFLUCTは、2023年3月22日、機械学習による梱包サイズ最適化の実証実験をオルビス株式会社と共同で開始したと発表した。
DATAFLUCTはデータ活用サービスなどを提供している企業であり、オルビスは化粧品販売などを手がける企業だ。今回の実証実験では、DATAFLUCTが持つ機械学習の知見を用いてオルビスのEC発送における梱包サイズを最小化することで、配送コストの削減が目指される。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- DATAFLUCTが持つ機械学習の知見を用いてオルビスのEC発送における梱包サイズを最小化
- 商品の詰め方を学習した上で、商品/出荷/梱包材データから最適な梱包材のサイズを算出
- 最大で年間2,000万円程の配送費を削減。実地検証の実施や2023年中の本番導入も予定
データビジネスパートナー、DATAFLUCT
DATAFLUCTは、「データを商いに」というビジョンを掲げてデータビジネスパートナーとしての事業を展開している。データの形式にとらわれない「マルチモーダルデータ活用」に強みを持ち、非構造化データであっても収集/蓄積/加工/分析を一気通貫で行える技術を持つ。
同社はまた、誰もがデータを有効活用することで持続可能な意思決定をすることができるよう、需要予測によるロスの削減や持続可能な都市計画、また脱炭素に向けた行動変容の支援といったサービスも提供。需要予測については、最新の機械学習アルゴリズムを採用した「Perswell」も開発し、データサイエンティスト不在の企業であっても高精度の予測を可能にしている。
「梱包のダウンサイジング」を目指すオルビス
DATAFLUCTが今回共同で実証実験を行うこととなったオルビスは、化粧品/栄養補助食品/ボディウェアなどを店舗に加えてECでも販売している。
EC市場が拡大する一方、エネルギー価格や原材料の高騰などにより配送コストが上昇し続けていることを、オルビスは憂慮。物流基盤の持続可能性を高めるべく、AGV(無人搬送ロボット)やAMR(自律走行搬送ロボット)の導入などに取り組んで来たが、さらなる効率化のためには「梱包のダウンサイジング」が有効であると考えた。
オルビスはECにおいて現在、商品サイズから梱包サイズを決定するシステムを使用している。しかしこのシステムでは、必要なサイズよりも大きな梱包材を使い、余分な配送費が発生するケースが発生していた。このサイズ決定をより精緻かつ効率的に行うべく今回、DATAFLUCTと実証実験を行うに至っている。
商品が破損しない範囲で、梱包を最小サイズにまで下げる
両社の実証実験では、機械学習モデルによる梱包サイズの判定について検証が行われる。
判定を担うシステムでは、DATAFLUCTの機械学習サービス「Perswell」およびデータプラットフォーム「AirLake」が活用される。同システムは、商品の詰め方を学習した上で、オルビスの商品データ/出荷データ/梱包材の価格データを参照して最適な梱包材のサイズを算出。商品が破損しない範囲で梱包を最小サイズにまで下げることにより、配送コストの削減を実現する。
実証実験の開始前には、同システムの効果検証も行われた。この検証では1ヶ月分のデータをもとにシミュレーションが実施され、最大で年間2,000万円程の配送費削減が可能という結果が出ている。
実地検証の結果を踏まえ、2023年中に本番導入へ
機械学習による梱包サイズ最適化について両社は、今回の実証実験結果を物流現場にて活用する実地検証の実施も予定。また、この実地検証の結果を踏まえる形で、2023年中の本番導入も見据えている。さらには、知見を活用してオルビスグループ共通の新たな梱包規格/梱包資材も制作し、より効率的な配送を目指すとしている。
DATAFLUCTは今後も、より多くの業界/シーンで活用できる未来予測ソリューションの提供に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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