角川ドワンゴ学園のN高/S高、「ChatGPT-4」を利用した専用AIチャットシステムを普通科に導入
最終更新日:2024年04月05日
学校法人角川ドワンゴ学園は、2024年4月4日、同学園が運営するN高等学校とS高等学校において専用AIチャットシステムを導入すると発表した。
両校が今回導入するのは「ChatGPT-4」と「DALL・E 3」を利用した専用システムであり、普通科の生徒を対象としてビジネスレベルに達したチャットシステムの体験機会を提供する。またこの導入に併せて同学園は、生成AIを用いた執筆が話題となった第170回芥川賞受賞作家の九段理江氏らを招き、AI時代に求められる創造性に関する特別授業も開催する。
<本ニュースの10秒要約>
- バーチャルリアリティ/AI/機械学習などをいち早く導入してきた“ネットの高校”N/S高
- 「ChatGPT-4」「DALL・E 3」を「Slack」上で利用する専用システムを、普通科の生徒に提供
- 生徒による「AI共生委員会」も発足、AI時代に求められる創造性に関する特別授業も開催へ
“ネットの高校”であるN高等学校とS高等学校
角川ドワンゴ学園は、インターネットと通信制高校の制度を活用した “ネットの高校”としてN高等学校とS高等学校を運営している。両校では、「IT×グローバル社会を生き抜く“総合力”を身につける多様なスキルと多様な体験」を提供すべく、ネット社会に適合した新しい教育を実践。バーチャルリアリティなどの最先端のテクノロジーをいち早く導入し、普通科では英会話を練習できるバーチャルアプリの導入も行ってきた。
AIや機械学習についても同学園は、2018年時点より活用を開始。機械学習を学べる課外学習や、AIが作成した手紙を新入生に送付する企画、また温州みかんを題材に生成AIを学ぶ教育プログラムなど、様々な取り組みを実施している。こうした取り組みをさらに進めるべく同学園は今回、N高等学校とS高等学校の普通科にてAIチャットシステムを導入するに至った。
大企業が導入している社内向け「ChatGPT」システムに近い構成を実現
N高等学校とS高等学校のAIチャットシステムは、「Azure OpenAI service」の「ChatGPT-4」と「DALL・E 3」を「Slack」上で利用する形で導入された。「Slack」のパブリックチャンネルにて専用のコマンドを用いると、「ChatGPT」が応答するシステムとなっている。
この専用AIチャットシステムは、株式会社ドワンゴが開発を担当し、大企業が導入している社内向け「ChatGPT」システムに近い構成を実現。特にセキュリティレベルは「Azure OpenAI service」の規定に準じるため、個人情報の流出や不適切なテキスト入力といったリスクの回避を可能にした。また、生徒による投稿や「ChatGPT」の回答を可視化することで他の利用者が使い方を学べるなど、Webサービス版「ChatGPT」よりも優位性があるシステムを実現している。
第170回芥川賞受賞作家・九段理江氏らを招聘し、特別授業も開催
今回の専用AIチャットシステム導入と同時に角川ドワンゴ学園は、文科省が公表している「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を元にした生徒向けガイドラインを、全校生徒に向けて提供。また、生徒による「AI共生委員会」も発足し、AIの活用方法やAIチャットシステムの改善/運営について検討を進める。
さらに同学園は、2024年4月19日にAI特別授業「【N/S高 普通科】『生成AIと創造性』芥川賞受賞作家に聞く、AI時代の『文学』」も実施。この授業では、「全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っている」という発言が話題を呼んだ第170回芥川賞受賞作家・九段理江氏らを招聘し、AI時代に必要な創造性に関する議論などを行うとしている。
参照元:PRTIMES
ChatGPTの仕組みを詳しく知りたい方はこちら、また、ChatGPTの導入支援会社をお探しの方はこちらの記事もご参考ください。
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