ELYZAが自社モデルとOpenAI社モデルでJR西日本グループ企業の顧客対応業務を半自動化
最終更新日:2024年02月16日
株式会社ELYZAは、2023年3月16日、言語AIを活用した顧客対応業務の半自動化を、JR西日本グループ企業にて成功したと発表した。
ELYZAは、東京大学・松尾研発の言語AIスタートアップだ。今回の成果は、同社と株式会社JR西日本カスタマーリレーションズが実施中の言語AI導入プロジェクトにおけるものであり、OpenAI社のGPT系統モデルとELYZAの自社モデルを組み合わせた「二刀流」のシステムで半自動化が行われている。
<本ニュースの10秒要約>
- 顧客対応向上を目的とするJR西日本カスタマーリレーションズとの言語AI導入プロジェクトの成果
- OpenAI社のGPT系統モデルとELYZAの自社モデルを組み合わせた「二刀流」のシステムで、半自動化
- 問い合わせ担当者を文章作成業務から解放。言語AIがコンタクトセンター業務を大きく変えると期待
日本語の大規模言語AIにフォーカスした言語AIスタートアップ、ELYZA
ELYZAは、日本語の大規模言語AIにフォーカスした言語AIスタートアップとして、クラウドサービスの開発を行っている。従来は困難とされてきた「まとめる」「書く」「読む」「話す」といった言語行為についても、AIによる自然言語処理の実用化を推進。高度な知能・知識・経験を伴うホワイトカラー業務のDXを推進している。
同社他企業との共同研究にも積極的であり、JR西日本カスタマーリレーションズとも言語AI導入プロジェクトを展開している。同プロジェクトは、JR西日本カスタマーリレーションズにおける顧客対応業務の品質向上・業務負荷削減を目的とするものだ。言語AI起点でシステム/業務フローのあり方を一から見直す中で、顧客対応業務の半自動化も行われた。
日本語言語AI「ELYZA Brain」と、OpenAI社「GPT-3」の「二刀流」
顧客対応業務の半自動化では、ELYZAが独自開発した「ELYZA Brain」などの日本語特化型言語AIと、ChatGPTなどを手がけるOpenAI社による「GPT-3」が用いられた。実装時には、対象業務や求められる品質、またコスト水準に応じて使い分け/組み合わせが行われている。
海外産AIと国産AIを組み合わせるこの「二刀流」のシステムは、それぞれの言語AIに得意不得意が存在することを受けて構成された。JR西日本カスタマーリレーションズの顧客対応では業務が多岐にわたるため、OpenAI社の言語AIであっても「ELYZA Brain」であってもカバーしきれない領域が発生する。この課題を解消すべくELYZAは、「二刀流」を採用するに至っている。
構築された「二刀流」のシステムは、実際のコンタクトセンター業務において平均評価4.7という高い実用性を示し、業務利用に耐えうる品質のAIであることが確認された。
問い合わせ担当者を文章作成業務から解放
今回の成果を受けてJR西日本カスタマーリレーションズは、問い合わせ担当者が文章作成業務から解放される可能性に期待している。問い合わせ担当者は、問い合わせ情報をまとめて文章を作成するが、この業務は読みやすくわかりやすい文章とするために多くの時間を要してきた。言語AIは、この業務を代替しうるものであり、引いては担当者による顧客対応の品質向上にもつながると考えている。
ELYZAは、言語AIが今後のコンタクトセンター業務を大きく変えると期待。今後も、日進月歩でランドスケープが変化する言語AIの領域において最先端技術の動向をいち早くキャッチし、自社の言語AIと先端的なグローバルモデルを組み合わせた社会実装を進めるとしている。
参照元:PRTIMES
LLMの仕組みについてはこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。また、LLMの開発に強い開発会社を知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
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