セールスフォース、あらゆるワークフローに自律型AIエージェントを組み込む新機能「Agentforce 2dx」を発表
最終更新日:2025年03月07日

セールスフォースは2025年3月5日(現地時間)、自律型AIエージェントプラットフォーム「Agentforce」の最新版「Agentforce 2dx」を発表した。従来のチャットインターフェースを超え、バックグラウンドで自律的に動作し、データ変化に反応し、あらゆるビジネスプロセスやユーザーインターフェースで機能する拡張機能を備える。
新たな低コード・プロコード開発ツールと、パートナーや開発者が作成したアクションやエージェントを提供する「AgentExchange」マーケットプレイスも導入され、6兆ドル規模のデジタル労働市場での展開を加速する。
- チャットインターフェース以外でも自律的に動作し、データ変化に反応して能動的にアクションを実行するAIエージェント技術「Agentforce 2dx」の発表と開発ツールの拡充
- 新たな低コード・プロコード開発ツールとAgentforce Developer Editionの無料提供により、AIエージェントの構成・テスト・デプロイを容易にし、リアルタイムの分析と最適化を実現
- 200以上のパートナーと数百の事前構築されたアクションを備える「AgentExchange」マーケットプレイスにより、業界・職種を越えたAIエージェント導入の加速と6兆ドル市場の開拓
Agentforce 2dxは、AIエージェントの活用範囲を大幅に拡張する。従来のユーザー主導のチャットインターフェースから脱却し、バックグラウンドで自律的に動作するプロアクティブなAIエージェントを実現した。
新機能により、既存のデータシステム、ビジネスロジック、ユーザーインターフェースにシームレスに統合できるようになり、ビジネスニーズを予測して動的にアクションを実行する能力が強化された。
具体的には、Agentforce API、Agentforce Invocable Actions、MuleSoft for Agentforce、Slack Workflow Builder内のAgentforce Steps、Agentforce Employee Template、Agentforce Surfaces、Agentforce Cards、Tableau Semanticsなど多様な統合機能が提供される。
これらの機能により、ERPオーダー作成時にエージェントを起動したり、ローン申請プロセスの自動化を開始したりするなど、バックエンドプロセスや他システムへの統合が可能になった。
同時に、開発者向けの新しいツールセットも発表された。Agentforce Developer Editionは、開発者がAgentforceとData Cloudを使用してプロトタイプを作成するための完全無料環境で、Data Cloudへの10GBのアクセスと1時間あたり150回のLLM生成が含まれる。
Agent BuilderにはAIアシスタンス機能が追加され、ベストプラクティスに従ったエージェントの迅速な構成を支援する。Testing Centerでは、AIを使用してAgentforce構成を大規模にテストし、誠実性やコンテキスト関連性などのガードレールへの準拠を評価できる。
さらに、CLIとVS Codeのサポート、DX Inspector、Agentforce Interaction Explorerなど、開発者の生産性を高めるツールも提供される。これらのツールにより、開発者はAgentforceの構成、更新、テストをプロフェッショナルなコードツールで行い、メタデータやデータを詳細に探索・理解できるようになった。
また「AgentExchange」は、Salesforce内に構築された信頼できるAgentforceのマーケットプレイスとコミュニティで、6兆ドル規模のデジタル労働市場で急速に拡大する機会に参加するための新たな道を開く。
AgentExchangeは、すぐに使えるテンプレートやアクションのライブラリでAgentforceの導入を加速し、企業の時間とリソースを節約しながら、パートナーが自社のコンポーネントを販売し、成長するAIエージェント市場でのシェアを獲得できるようにする。
AgentExchangeは200以上の初期パートナーと数百の既製アクションでローンチし、それぞれが厳格なセキュリティレビューを通過し、顧客レビューに裏付けられたものとなっている。
業界アナリストのValoirによると、SalesforceのAgentforceのようなエージェンティックAI開発に最適化されたプラットフォームを使用することで、組織は他のアプローチと比較して平均16倍速く自律型AIエージェントを提供でき、精度を75%向上させることができるという。
AI Market の見解
Salesforceの新たなAgentforce 2dxは、AIエージェント技術の進化において重要なマイルストーンだ。従来のAIアシスタントとの最大の違いは「自律性」にある。ユーザーの指示を待つのではなく、データの変化を検知して能動的に行動し、複数のシステムやワークフローにシームレスに統合できる点が画期的だ。
特に注目すべきは、エンタープライズ環境に適したセキュリティとガバナンスを備えながら、開発者体験を大幅に向上させた点だ。低コード・プロコードツールの提供と共に、AgentExchangeというエコシステムを構築することで、Salesforceは単なる技術提供者から市場のオーケストレーターへと進化している。
これは6兆ドル規模とされるデジタル労働市場でのプラットフォーム戦略であり、アプリケーション中心からエージェント中心のコンピューティングパラダイムへの転換を加速させるだろう。開発者からの高い支持率と実際の導入事例が示すように、この技術は特にCRMを超えた領域での業務効率化と顧客体験向上に大きなインパクトをもたらす可能性がある。
参照元:Salesforce

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