最終更新日:2023-08-18
シノプスと伊藤忠商事、需要予測を活用した食品バリューチェーン最適化の実証実験をウオロクにて開始
株式会社シノプスは、2023年8月17日、食品バリューチェーン最適化の実証実験を株式会社ウオロクにて開始したと発表した。
この実験は、シノプスが伊藤忠商事株式会社と共に構築を進める食品デマンド・チェーン・マネジメントの実証として行われるものだ。ウオロクが新潟県内で運営する食品スーパーマーケットにて、シノプスが算出した需要予測データにより在庫圧縮および納品リードタイム延長を図り、ひいては物流課題の解決を目指す。
<本ニュースの10秒要約>
- 様々なデータからAIが最適な発注数を算出する、シノプスの需要予測型自動発注サービス「sinops」
- 新潟県内のウオロク運営スーパーにて、需要予測データを用いて在庫圧縮と納品リードタイム延長を実現
- 物流センターの稼働効率向上や過剰在庫/欠品リスク抑制を実現し、最適なバリューチェーンを実現へ
需要予測型自動発注サービス「sinops」シリーズを開発したシノプス
シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンに掲げ、在庫に関わる人/もの/金/時間/情報を最適化するITソリューションを提供している企業だ。1980年代から需要予測や自動発注の分野に着目し、販売実績/在庫情報/天気予報といったデータからAIが最適な発注数を算出する需要予測型自動発注サービス「sinops」シリーズを開発。「sinops」は高い評価を獲得し、食品スーパーマーケットを中心として小売業106社に導入されている。
同社は2022年1月、食品バリューチェーンの最適化を実現すべく、伊藤忠商事との間で「デマンド・チェーン・マネジメント プラットフォーム」構築に向けた業務提携契約書を締結した。このプラットフォームは、小売業の需要予測データを卸売業/製造業と接続することで、食品ロス削減や物流の効率化を図るというものだ。このプラットフォーム構築に向けた実証として、今回の実験は開始された。
「sinops」の需要予測データを再活用、物流センターの稼働効率を向上
今回の実験では、在庫の圧縮および特売品の物流センターへの納品リードタイム延長が、ウオロクの物流センターにて目指される。この物流センターは、ウオロクが食品スーパーマーケット43店舗を運営するため新潟市内に保有しているものだが、近年は在庫圧縮による稼働効率の向上が求められていた。
在庫圧縮については、既にウオロク全店に導入されている「sinops」のデータを活用する形で実験が進められる。「sinops」が算出した店舗の需要予測データを再活用し、物流センターの稼働効率の向上を図るという。
特売品の物流センターへの納品リードタイム延長については、従来は数日前に確定していた卸売業への特売品の発注を、「sinops」の需要予測を活用することで14日前にまで長期化する。このリードタイム延長により、在庫調整業務の負荷軽減や、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制を目指す。
最適なバリューチェーンを実現し、「2024年問題」などの解決を目指す
シノプス/伊藤忠商事/ウオロクによる今回の実証実験は、2023年8月から11月にかけて行われる予定だ。なおシノプスは、他の小売業でも同様の実証実験を行い、物流改善の効果を現場検証するとしている。
ドライバー不足が懸念される「2024年問題」や、物流センターのキャパシティー逼迫が喫緊の課題となっている現況において、シノプスはデマンド・チェーン・マネジメントプラットフォームによって最適なバリューチェーンを実現し、これらの課題の解決を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
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