VIE STYLE、イヤホン型脳波計による内視鏡処置中の鎮静深度モニタリングについて、研究成果を学会発表
最終更新日:2022年11月18日
VIE STYLE株式会社は、2022年11月16日、ウェアラブル外耳道脳波計を用いた内視鏡処置における鎮静深度推定法に関する研究成果を、学会にて発表したことを明らかにした。
VIE STYLEはイヤホン型脳波計の開発などを手がける企業であり、今回発表を行った研究は同社と国立研究開発法人国立がん研究センター東病院が共同で行ったものだ。研究結果では、内視鏡処置下における患者の鎮静状態を、イヤホン型脳波計で手軽かつ高精度にモニタリングできる可能性が示されている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 内視鏡処置下における患者の鎮静状態を、イヤホン型脳波計で手軽・高精度にモニタリング
- 脳波データから鎮静深度を予測する機械学習モデルも構築、分類の精度は81.68%
- 日本臨床麻酔学会第42回大会にて結果を発表、患者と医療関係者の安全と負担軽減に貢献
イヤーチップを電極として脳波を取得するイヤホン型脳波計
VIE STYLEは、「味わい深い人生を~Feel the life~」というミッションに掲げて、次世代型ウェアラブル・イヤホン型脳波計の開発とニューロテクノロジーの社会実装に取り組んでる企業だ。ニューロテクノロジーとエンターテインメントを組み合わせる形で、脳神経に関わる医療ICTの発展やウェルビーイングへの貢献を目指している。
同社のイヤホン型脳波計「VIE ZONE」は、耳(外耳道)から脳波を取得できるウェアラブルデバイスとして開発された。同製品では、イヤーチップを電極とすることで脳波の取得を実現。普段通りにイヤホンを着用するだけで脳波を計測できるため、従来型の脳波計測デバイスが抱えていた「装着するのが面倒」「見た目が悪い」といった課題を解消している。
モニタリングとコントロールが重要な、内視鏡処置中の鎮静状態
VIE STYLEが国立がん研究センター東病院と共同で行った今回の研究では、内視鏡処置における患者の鎮静深度をイヤホン型脳波計でモニタリングできるかどうかが、探索的に検証された。
内視鏡処置中の鎮静状態は、患者本人の負担と呼吸抑制などのリスクをバランスさせた「中等度鎮静」が望ましいとされる。この「中等度鎮静」の状態を安全に保つためには、鎮静深度のモニタリングとコントロールが極めて重要だ。しかし内視鏡領域ではこれまで、鎮静深度のモニタリング機器が使用されず、担当医がバイタルサインなどから経験則によって鎮静薬を調節していた。
鎮静深度について、より簡易かつ客観的にモニタリングする技術が必要であると、VIE STYLEと国立がん研究センター東病院は判断。今回の研究を実施するに至った。
内視鏡処置中の患者10名を対象として実証
今回の研究では、イヤホン型脳波計から患者の脳波を記録し、同時に鎮静深度指標および使用薬剤の情報もリアルタイムで同時計測するシステムが開発された。このシステムでは、脳波計の外耳道電極データから鎮静深度を予測する機械学習モデルも構築。実証は、内視鏡処置中の患者10名を対象として行われた。
構築された機械学習モデルは実証において、患者が中等度鎮静以上の覚醒状態にあるか、あるいは深い鎮静状態にあるかを、81.68%の精度で分類した。簡易デバイスによる鎮静深度のモニタリングとコントロールについて、期待が持てる結果となっている。
日本臨床麻酔学会第42回大会にて結果を発表
今回の研究についてVIE STYLEと国立がん研究センター東病院は、日本臨床麻酔学会第42回大会においてその結果を発表した。VIE STYLEは今後も、患者と医療関係者の安全および負担軽減に向けて、開発と臨床研究を加速させるとしている。
参照元:PRTIMES
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