AGV(無人搬送車)とは?【2026年最新版】AI Marketでの実際の相談事例、メリット・デメリット、AI活用の可能性を徹底解説!
最終更新日:2026年06月08日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

- AGV(無人搬送車)は、材料・部品・商品などを所定の場所へ自動搬送する移動ロボット
- 磁気誘導方式、光学誘導方式、画像認識方式など複数の走行方式があり、導入時は、搬送ルート、レイアウト、現場の運用条件に合う方式を選ぶ必要がある
- AGVを導入すると、搬送作業者の身体的負担、搬送ミス、採用・教育を含む人件費の削減が期待できる
- AIカメラや画像認識を組み合わせることで、AGV・AGFが動く前提となるヤード内の部品位置・品種・数量を把握しやすくなる
製造業や物流現場では、部品・資材・商品を運ぶ搬送作業が日常的に発生します。
フォークリフトや人手による搬送は柔軟に対応しやすい一方で、作業者の負担、搬送ミス、人員確保、安全管理などの課題が発生しやすい工程でもあります。
AGV(無人搬送車)は、こうした搬送作業を自動化するロボティクスによる解決手段として活用されています。
この記事では、AGVの基本、走行方式、AMRとの違い、導入メリット、デメリット、AIを組み合わせた活用方法を整理します。
さらに、AI Marketに寄せられたヤード内の物流部品の位置・品種・数量把握に関する相談事例をもとに、AGVやAGFの導入前にどのような現場情報を整理すべきかも解説します。
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目次
AGV(無人搬送車)とは?

AGVとは、Automated Guided Vehicleの略で「無人搬送車」や「自動的に誘導される車両」と訳されます。材料や工作物、部品、商品などを所定の場所に運ぶ搬送用台車型の移動ロボットで、従来の搬送手段に代わるものとして注目されています。一般的には、床面に磁気テープや磁気棒を敷設し、それらにより誘導されて無人走行します。
AGVは1980年代に開発され、様々な現場で使用されるようになりました。当初の製造業現場から、製品の保管・出荷を担う物流センターや病院といった非製造業へも広く導入されています。
AGVの走行方式
AGVには様々な走行方式があり、それぞれの特徴を知った上で自社に合った方式を導入することが大切です。以下で走行方式について説明します。
磁気誘導方式
主に磁気テープを床に張り巡らし、AGVが走行するルートを決める方式です。磁気センサーでルートを正確に読み取り、磁気テープの上を走行します。高い精度を誇り、国内で最も普及している方式です。
光学誘導式
磁気誘導に似た方式で、光学センサによって誘導テープからの光の反射を認識しながら走行する方式です。光を反射させるテープは、専用テープでなく一般的なビニールテープも使用できます。そのため、比較的低コストで導入できるのがメリットです。
画像認識方式
床や天井にQRコードやARマーカーを設置し、搭載されてるセンサーで読み取ることで、自分の現在位置を把握しながら走行する方式です。Amazonの物流倉庫で導入されたことで注目を集めました。リアルタイムなルート変更が可能なため、磁気誘導式や光学誘導式に比べ柔軟性が高い方式といえます。
AGVとAMRの違い
最近は「SLAM誘導方式」を活用した「AMR(自律型協働ロボット)」も導入されています。AMRがAGVと大きく違うのは、カメラやセンサー等で自己位置推定と移動環境の地図を作成し、人や障害物を避けて移動できる点です。これにより、ルートが固定されず決まった動きをしない作業員との協働が可能となります。しかし、自己位置推定がうまくいかずに目的地に到着しないといったこともあるなど、まだまだ完全ではありません。
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実際にAI MarketにいただいたAGV(無人搬送車)のAI活用相談事例
AI Marketには、製造業・物流現場における搬送業務の効率化や、AGV(無人搬送車)・AGF(無人フォークリフト)の導入に向けたAI活用相談を多くの企業からいただいております。
お客様から寄せられたご相談は以下のようなもので、AI Marketでは、コンサルタントがお客様の課題感をヒアリングし、適した技術・ソリューションを保有する企業をご紹介致しました。
- ヤードにおける物流部品の位置・品種・数量把握
※実際のお客様からのご相談内容のため、企業特定に繋がる情報は伏せています。
ヤードにおける物流部品の位置・品種・数量把握
ご相談企業様属性
- エリア:九州・沖縄
- 従業員数:1,001人〜
AIカメラによるヤード内物体認識と部品位置・品種の可視化|AI Marketによる要件・技術整理内容
お客様は、ヤードに置かれている物流部品について、どこに何があるのか、どの品種がどれだけあるのかを把握する仕組みを検討されていました。
現状では、人がフォークリフトで作業しながら目視で確認し、ヤード内のレイアウト情報や品種情報をもとに管理している状況でした。一方で、AGVやAGFの導入を検討する場合、人が現場を見て判断していた情報をシステム側で把握する必要があります。
そのため、カメラを設置し、ヤード内の部品位置や品種、数量を自動で確認できる仕組みが求められていました。対象となる部品には、完成品だけでも複数種類、部品全体では数百種類に及ぶ想定でした。
AIカメラによる物体認識、品種分類、配置場所の推定、数量把握を組み合わせることで、AGVやAGFが動く前提となるヤード内情報を整備する構想です。搬送そのものの自動化だけでなく、搬送対象の位置・種類・数量を継続的に把握する仕組みとして検討されていた事例です。
AI Marketでは、上記のように、様々な企業からのAI活用相談を受け付けています。
生成AIツールを用いて、外注企業の選定をAIに相談するケースも増えています。しかし、AGVやAGFを活用する現場では、車両を走行させる仕組みだけでなく、搬送対象がどこにあるのか、どの部品を優先して移動させるのか、現場の状態をどの頻度で更新するのかを整理する必要があります。
だからこそAI Marketでは、実際の人間である専門のAIコンサルタントが直接お客様と対話し、ヒアリングから企業選定までを支援し、実現性の高いAI導入をサポートしています。
貴社でもAGV・AGF導入、ヤード内の在庫位置管理、AIカメラによる部品認識、物流現場の可視化などをご検討中の際は、ぜひご相談ください。
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AGVのメリット3点

AGV導入によるメリットを紹介します。
- 搬送作業者の負担軽減
- ヒューマンエラーの削減
- 省人化による人件費の削減
それぞれのメリットについて説明します
搬送作業者の負担軽減
AGVが資材や商品を自動で搬送することで、人が搬送をする必要がなくなるため、作業者の負担を軽減できます。所定の場所に大量の資材や商品を運ぶのには、人が何度も往復する必要があり、重量があるものを運ぶ場合はさらに負担が大きくなります。AGVを導入することで、こういった肉体的な負担を軽減でき、他の生産的な作業に集中できます。肉体的な負担を理由にした離職を減らすことにもつながります。
また、フォークリフトの資格や操作技術を持つ人でなければできない作業をAGVが行えます。そのため、特定の作業者に負担が集中することもなくなります。
ヒューマンエラーの削減
AGV導入することでミスを軽減することが期待できます。人が作業する場合は、同じ作業であっても作業者の勤務年数や性格、その日の体調などによって作業精度にはばらつきがでます。ベテランの作業者であっても小さなミスが発生する確率は避けられません。搬送作業のミスが出荷ミスや仕分け間違いなどにつながり、企業の信頼性にも大きく関わってくる場合もあります。
それに比べて、AGVはプログラムされた命令を確実に繰り返して行うことが得意です。疲れることも、日によって体調が変わることもなく、導入すればすぐに命令通りの仕事をこなします。搬送作業という単純な仕事をAGVに任せることで、ヒューマンエラーを削減することができ、企業の信頼性の向上や、人にしかできない仕事に時間を充てることによる生産性向上につながります。
省人化による人件費の削減
AGVを導入することで省人化でき、単純に作業者の人件費(給料)を削減できます。その他にも以下のようなコストを削減できます。
- スタッフ教育にかかる費用
作業を覚えるための時間だけでなく、経験者が教育に割く時間も節減できる - 採用にかかる費用
採用サイトなどの掲載費用のほか、担当者が面接する時間、面接者の交通費負担など - 入社手続きにかかる総務部門の費用
人が搬送作業をこなせるようになるまでには、上記のような多くの人件費や他のコストがかかります。しかし、もしそのスタッフが退職すれば、また一からやり直しとなりさらなる費用が発生します。AGVで省人化できれば、単純な給料だけでなく、様々なコスト節減できます。
AGV2つのデメリット

AGVを導入することによるメリットを紹介しましたが、逆にどんなデメリットがあるのか紹介します。
1. レイアウトの変更が必要
2. 安全対策が必要
それぞれのデメリットについて説明します。
レイアウトの変更が必要
AGVを初めて導入するにあたっては、AGVに合わせたレイアウトの変更が必要になります。人であれば臨機応変にルートを変更しながら搬送することが可能ですが、AGVは基本的に決められたルートしか進むことができません。まず、効率性や障害物の有無を考えながらAGVのルートを決めます。そして、AGVのルートに合わせてレイアウトを変更する必要があります。
また、AGVは基本的に誘導体が必要です。どの走行方式を選択するかによって誘導体が変わり、走行方式によっても最適なレイアウトを考えなくてはなりません。導入の際にはよく検討する必要があります。
さらに、工場でAGVを導入する場合は、製造ラインに合わせて細かな変更が必要な場合があります。特に、近年増加している多品種少量生産の製造ラインでは、生産する製品の変更に応じて、使用する資材・部品、工具も変更します。製品によって工程の順路変更がある場合は、搬送経路が変わる可能性もあります。AGVは、基本的にはA地点からB地点に搬送するロボットです。そのため、頻繁に搬送ルートの変更がある場合はAGVの導入がうまくいかない可能性もあります。
安全対策が必要
AGVは、JIS規格「無人搬送車及び無人搬送車システム-安全要求事項及び検証」において安全性を確保することが定められています。障害物接触検知装置や、警報装置、接近検出装置など安全装置の取り付けが定められています。しかし、安全装置で検知できる範囲や高さには限度があります。それで、進路上での飛び出しや突発的な落下物に対して素早く反応できないことがあるでしょう。AGVの進行中に不容易に飛び出してきた作業者に接触することで作業者がケガをするだけでなく、荷物やAGVの破損といった二次被害が発生する可能性もあります。
また、AGVが非常停止した場合は、異常が解除されても安全が確認されない限り再び動き出さないようにすることが定められています。安全性が確保されていない状態でAGVが停止することで、搬送作業が止まり生産性が低下する恐れがあります。AGVの効果を最大限発揮するためには、安全性を確保し、事故による故障やAGVが停止しないような状態にすることが大切です。
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AGVの課題をAIが解決

最近では、AI(人工知能)を搭載したAGVの開発が進んでおり、レイアウトの変更や安全性などのAGVの課題を解決できます。カメラとAIの組み合わせにより画像認識機能を持つことで、作業エリアに進入する前にAGVがリアルタイム状況に応じた判断をできます。
AIによる画像認識の仕組み、活用方法についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。さらに、AIによる画像認識システムの開発に強いベンダーをこちらの記事で特集していますので、ぜひご覧ください。
例えば、以下のような判断をAIが行えるようになります。
- 他の荷物の移動時や作業員が複数人いる場合に混雑している箇所を避けるように走行
- 複数のAGV同士が衝突しない経路で走行
- 最短で搬送可能なルートをする
こうしたAIによる機能で、誘導体を必要としない走行が可能となるほか、人やAGV同士で衝突しないように安全な走行をできるようになります。
AGV起点で始まるAI活用ネットワーク
AGV周辺でもAIを包括的に活用することで、さらなる作業効率化にもつながります。例えば、ピッキング用ロボットにAIを搭載すれば、AGVを止めることなくAGVが運んでいる製品から指定の製品だけをピックアップすることも可能となります。このようにAGVと他のロボットで複数のAIを組み合わせることで、効率性を上げ自動業務の幅が広がります。
また、IoTセンサーを活用して予知保全の精度アップや作業効率化を実現しているスマート工場も増えています。
製造業でのAIの活用事例、導入に当たっての注意点はこちらの記事で分かりやすく解説しています。また、製造業でのAIシステム開発に強い開発会社をこちらの記事で特集していますので、ぜひご覧ください。
AGVについてよくある質問まとめ
- AGV(無人搬送車)の主なメリットは何ですか?
AGVの主なメリットは以下の通りです。
- 搬送作業者の負担軽減
- ヒューマンエラーの削減
- 省人化による人件費の削減(教育費用、採用費用なども含む)
- AGVの走行方式にはどのようなものがありますか?
AGVの主な走行方式には以下があります。
- 磁気誘導方式:床に張られた磁気テープをセンサーで読み取り走行
- 光学誘導式:光学センサーで誘導テープからの光の反射を認識して走行
- 画像認識方式:QRコードやARマーカーを読み取り、現在位置を把握しながら走行
- AGVにAIを搭載するとどのようなメリットがありますか?
AGVにAIを搭載することで以下のメリットが得られます。
- リアルタイムの状況に応じた最適ルートの選択
- 混雑している箇所や障害物の回避
- 複数のAGV同士の衝突回避
- 誘導体を必要としない走行の実現
- 他のAI搭載ロボットと連携した効率的な作業の実現
- AGVとAMRはどのように選べばよいですか?
AGVとAMRは、どちらも搬送を自動化する移動ロボットですが、走行の考え方が異なります。
AGVは、磁気テープやマーカーなどで決められたルートを走行する方式が中心です。決まった搬送ルートを安定して繰り返す現場に向いています。
AMRは、カメラやセンサーで自己位置を推定し、周囲の地図を作成しながら移動します。人や障害物を避けながら走行できるため、レイアウト変更が多い現場や、人と同じエリアで動く現場で検討されます。
判断時は、以下を確認すると整理しやすくなります。
- 搬送ルートは固定か、頻繁に変わるか
- 人やフォークリフトと同じ空間を走るか
- レイアウト変更の頻度は高いか
- 必要な搬送量や走行速度はどの程度か
- 現場に磁気テープやマーカーを設置できるか
AI Marketでは、AGV・AMRのどちらが適しているかを含め、現場条件を整理したうえで、対応できるAI会社やロボティクス関連サービスの紹介を支援できます。
- AGV導入前に、ヤード内の部品位置や数量をAIで把握する必要はありますか?
AGVやAGFを導入する場合、搬送対象がどこにあるのかをシステム側で把握できる状態にしておくことが重要です。
特に出荷ヤードや受入ヤードでは、以下のような課題が起こりやすくなります。
- 部品の置き場所が作業者の目視や経験に依存している
- ヤード内のレイアウト情報と実際の置き場が一致しない
- 受け入れた部品の品種や数量をリアルタイムに把握しにくい
- AGVやAGFに搬送指示を出すための情報が不足している
このような場合、AIカメラによる物体認識、品種分類、数量把握、配置場所の推定を先に検討することで、AGVが動くために必要な現場情報を整えやすくなります。
AI Marketでは、ヤードの広さ、対象物の種類、カメラ設置位置、既存の在庫管理システムとの連携方法を整理し、画像認識や物流AIに対応できる会社の選定を支援できます。
- AGVやAIカメラの開発会社を選ぶとき、何を比較すればよいですか?
AGVやAIカメラの開発会社を選ぶときは、車両やカメラの性能だけで判断しないことが重要です。現場で安定して使うには、搬送対象、認識精度、設置環境、既存システム連携、安全設計まで確認する必要があります。
比較時に確認したい項目は以下です。
- AGV・AGF・AMRの対応範囲
- ヤード内の物体認識や品種分類への対応可否
- 部品の種類数や見た目の違いに対する認識精度
- カメラ設置位置や照明条件の設計力
- 在庫管理システムや搬送管理システムとの連携経験
- PoCから本番導入までの進め方
- 導入後の保守・改善体制
AI Marketでは、AI専門コンサルタントが相談内容を確認し、審査済みのAI会社・サービスから要件に合う候補を厳選して紹介します。利用は無料で、一括見積もり型のように複数社から直接連絡が届く形式ではなく、希望した会社のみ接続されるため、初期検討を進めやすい点も特徴です。
まとめ
人材確保が難しい現在において、AGVを導入することで省人化やヒューマンエラーの削減、人件費削減といった効果を期待できます
一方で、AGVを導入すればすぐに現場全体が自動化されるわけではありません。
搬送対象がどこにあるのか、何をどの順番で運ぶのか、現場の状態をどのように把握するのかを整理しなければ、搬送車両だけを導入しても運用が難しくなる場合があります。
AGVやAGFの導入、ヤード内の在庫位置管理、AIカメラによる部品認識を検討する場合は、走行方式だけでなく、搬送対象の情報管理、既存システムとの連携、安全設計まで含めて検討することが重要です。
AI Marketでは、現場の課題や導入目的をヒアリングしたうえで、AGV・画像認識・物流AIに対応できるAI開発会社やAIサービスの選定を支援しています。
自社に合う方式を判断しにくい場合は、現場条件の整理から専門家に相談することで検討を進めやすくなります。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計5,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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