マーケティング分析でのAI活用事例5選!必要性や活用すべき理由やメリットも紹介
最終更新日:2024年11月05日
デジタル技術、通信技術が発達したことで、近年データ分析の重要性が高まっています。なかでもマーケティング領域でのデータ分析に力を入れている企業は年々増加しています。
しかし、マーケティング分析するには、情報量が膨大で、労力がかかることにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、情報が複雑で種類も多く有効な情報を収集・整理することが難しいと感じている方もいるかもしれません。
そこで、今回はマーケティング分析を効率的かつ効果的に進めるためのAI技術、AIを活用する必要性や活用できる分野、メリットについて説明します。さらに、後半ではAIツールを使ったマーケテイング分析で効果を出している事例を5つ紹介します。
こちらでマーケティング分析とは?使用するフレームワークは?といった基本的な質問への答えを詳しく説明しています。
従来のマーケティング分析がうまくいっていないとお悩みや、効率的にマーケティング分析を行いたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
なぜマーケティング分析にAIが必要なのか?
なぜマーケティング分析でAIが必要なのかを以下の理由から説明します。
- 購買行動の変化
- 膨大なデータの有効活用
- 人材不足への対応
それぞれのポイントを説明します。
購買行動の変化
マーケティング分析にAIが必要な理由の一つに、購買行動のデジタルへの変化が挙げられます。
近年のインターネットやスマートフォンの普及により、購買行動がデジタル化しています。商品やサービスをオンライン上で検索・比較し、購入することが一般的になりました。
これまではTVCMや雑誌の広告等で認知を広めて販売し、オフラインで顧客の声を集めて分析し、改善・開発を行ってきました。しかし、購買行動がデジタル化したことで、マーケティング戦略の選択肢が大幅に増えてきました。
多くの選択肢の中から、製品・サービスの顧客層や市場によって最適なマーケティング戦略を選択する必要があります。そのなかで、AIによる分析は最適な選択をするのに必要なツールとなっているのです。
膨大なデータの有効活用
企業の競争力を向上させるためには、社内にある膨大なデータを有効に活用することが求められます。
従来のマーケティング分析ではこれらのデータを人の手で収集・分析することが一般的でした。膨大なデータを分析するのには時間と労力が必要です。人力では、限られたデータのみしか分析できず全体像を把握することが難しい場合もあります。
AIを活用することで、社内にある膨大な顧客のデータや売上データなどを人間が行うよりもはるかに高速かつ正確に処理することができるようになります。これにより多くのデータを扱い、より深い分析を行うことができます。また、AIはデータから将来の予測やマッチングの提案まで行うことができます。
企業の競争力を高めるため、人間にしかできない創造性を生かした仕事に集中するのに、AIはマーケティング分析に欠かせないツールと言えます。
人材不足への対応
生産性向上と同じく企業に求められているのが、分析スキルを持つ優秀な人材の獲得です。
現代におけるマーケティング分析は、データが非常に複雑で複数のフォーマットで存在しています。タイムリーなマーケティング戦略を実施するためには、膨大で複雑なデータを正しく収集・整理できなければなりません。そして、多角的な視点から分析を行う優秀な分析者が数多く必要になります。
しかし、日本の人口減少により働き手の数は減少の一途をたどり、企業による人材の争奪戦が起きているのが現状です。
AIを活用することで、情報を収集・整理する時間を短縮することや、高度な予測分析を行うことが可能となります。AIは、優秀なマーケティング分析者が不足する状況を補うのに役に立つでしょう。
マーケティング分析でAIに期待できる分野は?
マーケティング分析において、AIは以下のような分野で活躍します。
- データの分析と予測
- パーソナライゼーション
- SNSマーケティング
- インフルエンサーマーケティング
それぞれの分野について説明します。
データの分析と予測
AIはデータの分析と予測が得意です。具体的には、以下のようなことが可能となります。
- 大量データの高速分析
- パターンの発見
- 将来予測分析
AIは膨大な量のデータを高速かつ正確に分析することが可能です。これによりリアルタイムな分析が可能となります。
データ分析とは何か?どんな手法があるか?をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
分析したデータから、パターンを発見することも可能です。機械学習やディープラーニングなどのアルゴリズムを用いることで、市場や顧客の行動パターンを発見することができ、マーケティング戦略に反映させることができます。
社内にある過去のデータを分析すれば、将来の予測を行うことができます。過去の傾向から顧客別や商品別など様々な項目で将来の数値を予測し、軌道修正や個別の戦略策定など目標達成のための施策にも役立ちます。
こちらでAIを予測に使う技術の仕組みと活用事例を詳しく説明しています。
パーソナライズマーケティング
AIを活用し顧客分析を行うことで、パーソナライズされたマーケティングを行うことができます。パーソナライズマーケティングは、その顧客が望むものを提供することができ、自社と顧客との結びつきを強くすることができます。
具体的には以下のようなことを行うことが可能です。
- 顧客の嗜好合わせたオンサイトでの営業
- パーソナライズメールの配信
- ECサイトでのレコメンド表示
- SNSでのパーソナライズ表示
- パーソナライズ広告の表示
パーソナライズメールの作成においては、2023年に旋風を巻き起こしているChatGPTも活用されています。
こちらでマーケティング分野でのChatGPT活用方法アイデアを詳しく説明しています。
いずれも顧客の行動や販売履歴、閲覧履歴の情報を分析し、顧客のニーズに合ったマーケティングを行います。以下のような複数システムの情報をもとにパーソナライズされていきます。
- 基幹システムやCRMシステムなどに入力された購入データ
- ECサイト上の購入履歴
- 各SNSの行動履歴
AIはこれら複数システムと連携することが可能であり、多くの顧客を分析しパーソナライズすることができます。
関連記事:「AIレコメンド活用事例!機能の仕組みや活用メリットとは?」
SNSマーケティング
SNSが普及したことで、若い世代を中心にレビューや口コミが発信され、購買活動の参考となることが増えました。また、SNSでトレンドとなったものが大きく売上を伸ばしていく時代となりました。
SNSは企業の販売活動において欠かせないものとなり、SNSに溢れる情報を素早く効率的に分析することが重要となります。
SNSのマーケティングにおいて、AIを活用することで、以下のような分析を行うことができます。
- 自社製品・サービスの分析
- コンテンツ分析
- 競合分析
また、SNSマーケティングにおいて、顧客の声(Voice of Customer)を分析するVOC分析もAIを用いて行うことが可能です。
自社製品・サービスの分析
AIは、SNS上に投稿された自社の評判・口コミ・クレームなどを大量に収集し分析ができます。素早く解析を行い、分かりやすく整理することで、現場従業員や開発部門への迅速なフィードバックが可能になります。
コンテンツ分析
投稿されたコンテンツ(テキスト、画像、動画など)を分析し、どのようなコンテンツが人気・話題になったのかを分析することができます。人気コンテンツを把握して、自社のマーケティング戦略に反映することができます。
競合分析
自社だけでなく、競合他社の製品やサービス、SNS上でのマーケティング戦略を分析することも可能です。競合他社と自社との差別化点を把握することで、自社の競争力の向上につなげることができます。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーをマッチングさせる作業にAIが活用できます。インフルエンサーマーケティングにおいては、ビジョンに合うインフルエンサーをマッチングさせることが重要になります。
SNSが普及したことで注目されるようになったのがインフルエンサーの存在です。人気インフルエンサーが製品やサービスをレビューすることで、広く拡散され多くの顧客へ認知してもらうことができます。
しかし、SNSを見て多くのインフルエンサーから探すのは困難です。
AIが画像認識を使って商品とインフルエンサーの発信コンテンツを分析し、そのインフルエンサーが自社にとって適切かを判断することができます。効率的にマーケティング効果の高い人材を探すことができるようになります。
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マーケティング分析でのAI活用事例5選
実際にAIを活用したマーケティング分析の事例をご紹介します。画像生成、テキスト生成など生成AIのマーケティング分野での活用事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
AIで会員の視聴傾向を分析しオリジナルコンテンツを作成(Netflix)
世界190カ国以上で1億2500万人以上の有料会員が利用する動画配信サービスのNetflixが成長してきた背景にAIの活用があります。Netflixの最大の強みであるオリジナルコンテンツは、AIによって有料会員の大量の行動から分析されたデータを反映して作成、レコメンドされています。
- どのコンテンツを見たのか、あるいは見なかったのか
- どのくらいの速度で見たのか
- どのデバイスで見たのか
- 1日のいつ見たのか
これらの情報と監督やキャスト、脚本などの情報を組み合わせてAIで分析することで、個々の視聴傾向やどんなコンテンツが求められているのかを把握できます。この分析結果が、個々の会員へのレコメンドやオリジナルコンテンツの制作案に反映されています。
AIを使って、会員に求められているコンテンツを知り、出来上がったコンテンツをどんな層に見てもらうのかを提案できます。この仕組みをつくったことで、Netflixは大きな成長を遂げることができたのです。
AI分析で顧客を3つのセグメントに分類しアプローチ(Coltテクノロジーサービス)
イギリスベースの通信事業者Coltグループの日本法人であるColtテクノロジーサービスは、AIを活用して顧客企業が何を求めているか分析することで、コロナ渦で大きな成果を挙げることに成功しました。Coltテクノロジーサービスは、全国70以上のデータセンターおよび多数の商業ビルへネットワーク回線を提供しています。
以下のような様々な情報をAIエンジンにインプットして分析することで、顧客を3つのセグメントに分類し、それぞれに適したアプローチを行う戦略を取りました。
- 顧客リスト
- 売上情報
- どのようなサービスを提供しているか
- 報道される記事
- 財務情報
- アナリストの分析情報
- ソーシャルメディアの情報
- ロケーションが分かるジオタグの情報
AIであらゆる顧客情報を分析した結果をもとに、それぞれに異なるアプローチをすることで、案件規模が前年度比120〜400%拡大しました。AIを導入し顧客分析を行った結果、顧客満足度が上昇し、大きな成果を上げることに成功しています。
ユーザーに合わせた商品をレコメンドする販促DM(はるやま商事)
アパレル企業大手の株式会社はるやまホールディングスは、ユーザーのセンスを学習しレコメンドするAIを使用しています。以下に成功しました。
- 販促DMのパーソナライズ化
- 送付先の最適化
- 折り込みチラシの部数最適化
社内に蓄積された膨大で様々な種類のデータをAIが整理し分析することで、効率的に顧客分析を行うことができます。パーソナライズを得意としたAIを使って「お客様ひとりひとりのクローンとなれるAI」を作り、顧客一人ひとりに寄り添った仕組みを作ることを目指しています。
SNS上のクチコミをAIで分析し話題の継続化を狙う(KFC)
2020年7月に創業50周年を迎えた日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社は、身近な存在に感じてもらうための施策や話題作りを複数のSNSで展開し、多くのファンから注目を集めています。この背景にはSNSに特化したAI搭載の運用ツールの活用があり、以下のような分析を複数のSNSで行っています。
- 口コミ分析
- ハッシュタグランキング分析
- 属性分析
- アカウント分析
- テキストマイニング
AIを使って分析することで、複数のSNSで同社に関する話題で盛り上がるのは、「いつ」「なぜ」「どんな内容で」なのかを効率的かつタイムリーに分析を行っています。
AIによる分析結果をもとに、以下に成功しました。
- タイムリーに公式アカウントで参戦してさらに盛り上げる
- 盛り上がりを継続させるための投稿内容やタイミングを図る
SNSマーケティングを通じて多くのファンを獲得することに成功しています。
インフルエンサーを効率的にキャスティング(西川/AIQ)
布団の製造から販売を展開している西川株式会社は、インフルエンサーマーケティングに力を入れています。売り出したい商品を使用しているインフルエンサーをSNSから探し、自社と親和性の高そうな人をアンバサダーとしてキャスティングしています。
人手でインフルエンサーを探す場合、以下を知るために膨大な手間と時間がかかっていました。
- 投稿の内容やハッシュタグ
- どんな層に支持されているのか
- 投稿に対するコメントの内容
西川株式会社は、AIQ 株式会社が開発したインフルエンサー選定特化ツールで、以下のようなインフルエンサーの特徴を分析しています。
- フォロワーの属性
- 投稿の種類
- フォロワーの反応
売り出したい製品と合うインフルエンサーをアンバサダーとしてキャスティングしています。AIを使用することで、複数のSNS上で効率的により親和性の高いアンバサダーをキャスティングすることに成功しました。
AIを用いたマーケティング分析についてよくある質問まとめ
- なぜマーケティング分析にAIが必要なのか?
なぜマーケティング分析でAIが必要なのかを以下が理由です。
- 購買行動の変化:購買行動のデジタルへの変化
- 膨大なデータの有効活用:社内にある膨大な顧客のデータや売上データを高速かつ正確に処理
- 人材不足への対応:分析スキルを持つ優秀な人材の獲得
それぞれのポイントを説明します。詳しくはこちらにジャンプ。
- マーケティング分析でAIに期待できる分野は?
マーケティング分析において、AIは以下の分野で活躍します。
- データの分析と予測
- パーソナライゼーション
- SNSマーケティング
- インフルエンサーマーケティング
それぞれの分野について説明します。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
以下のような変化に対応するために、マーケティング分析へのAI活用は欠かせません。
- 購買行動の変化
- 膨大なデータの有効活用
- 人材不足への対応
今後も社会の変化と共に、マーケティングのためのデータの量や種類は増え続け、複雑さを増していくことが予想されます。
AIを活用することで、単に大量データを効率的に分析できるだけではありません。顧客一人ひとりの嗜好に合う提案やSNSマーケティングといった現代に欠かせないマーケティング分析を行うことができます。
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