OpenAI Agents SDKがMCPに対応!連携方法や具体的な活用方法まで徹底解説!
最終更新日:2025年03月30日

- 2025年3月28日、OpenAI Agents SDKがMCP(Model Context Protocol)に対応したことで、エージェントが多様な外部データやツールを簡単に利用可能に
- Agents SDKは、柔軟なAIエージェント開発を支援するフレームワークで、エージェント間の連携やトレーシング機能を備えている
- MCPはAnthropicが開発したオープンプロトコルで、LLMが多様なデータソースやツールに共通規格でアクセスできるようにするもの
- 両者の連携により、開発者は複雑なタスクを効率的に実行でき、トレーシングを通じて動作確認やエラー解析も容易になる
2025年3月28日、OpenAI Agents SDKがMCP(Model Context Protocol)対応を行い、AIエージェント開発がより柔軟かつ強固になりました。
本記事では、Agents SDKとは何か、MCPとはどのようなプロトコルかを説明し、両者の連携によって可能になることや具体的な実装方法、そしてトレーシングを利用したMCP動作の可視化まで詳しく紹介しています。
AIエージェント開発をさらに柔軟かつ効率的にしたい開発者の方は、ぜひご覧ください。
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目次
OpenAI Agents SDKがMCPに対応
2025年3月28日、OpenAIは公式Xアカウントで、OpenAI Agents SDKがMCP対応したことを発表しました。
MCP 🤝 OpenAI Agents SDK
You can now connect your Model Context Protocol servers to Agents: https://t.co/6jvLt10Qh7
We’re also working on MCP support for the OpenAI API and ChatGPT desktop app—we’ll share some more news in the coming months.
— OpenAI Developers (@OpenAIDevs) March 26, 2025
Agents SDKがMCPに対応したことで、SDKがサポートするエージェントは、MCP経由で提供される幅広い外部ツールやデータにシームレスにアクセスできるようになりました。
これにより、エージェントが単体では実現困難だった複雑なタスクを、外部の専門的なツールやサービスと協調して実行することが可能となります。
例えば、ローカルのファイルシステムにアクセスするツールや、リモートAPIを経由して外部データを取得するサービスをエージェントがMCP経由で利用できます。
MCP(Model Context Protocol)とは?
MCPは、LLM(大規模言語モデル)がさまざまなデータやツールにアクセスするための標準化されたオープンプロトコルです。Claudeを提供するAnthropicが開発し、Claude MCPが有名です。
MCPはAIアプリケーションにとってのUSB-Cポートのようなもので、異なるデータソースやツールを共通の規格で接続することを可能にします。
これにより、複数のLLMプロバイダーや外部ツールとの柔軟かつ簡単な連携を実現できます。
OpenAI Agents SDKとは?
Agents SDKは、OpenAIが提供するAIエージェント開発のための軽量かつ柔軟なフレームワークです。
複雑な処理を自律的に行うAIエージェントを簡単に構築でき、複数のエージェントが連携するマルチエージェントシステムを効率的に作成できます。
エージェント間のタスク引き継ぎ(ハンドオフ)、安全性を担保するガードレール機能、動作状況を詳細に追跡するトレーシング機能など、実務において重要な要素が充実しています。
関連記事:「OpenAIのAgents SDKとは?仕組みやできること、料金、活用例、Responses APIとの連携方法を徹底解説!」
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Agents SDKとMCPを連携する方法
Agents SDKをMCPサーバーと連携させる方法は非常にシンプルです。以下のような手順で実装できます。
MCPサーバーとの接続設定
from agents import Agent, MCPServerStdio
import asyncio
async def main():
async with MCPServerStdio(
params={
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "samples_dir"],
},
cache_tools_list=True
) as mcp_server:
tools = await mcp_server.list_tools()
print(tools)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())
エージェントへのMCPサーバー統合
Agents SDKのエージェントにMCPサーバーを追加し、利用可能なツールを提供できます。
agent = Agent(
name="Assistant",
instructions="提供されたツールを使用してタスクを完了してください。",
mcp_servers=[mcp_server]
)
キャッシュの活用
MCPサーバーからツールリストを毎回取得すると遅延が発生する場合があります。その場合、ツールリストをキャッシュすることでパフォーマンスを向上できます。
MCPServerStdio(params={...}, cache_tools_list=True)
ツールリストに変更があった場合は、以下の方法でキャッシュを無効化できます。
mcp_server.invalidate_tools_cache()
トレーシングによる動作確認
Agents SDKのトレーシング機能は、MCP関連の操作も含めて自動的に記録します。これにより、エージェントとMCPサーバー間の通信内容やエラーの確認が簡単になります。
詳細は公式ドキュメントをご参考ください。
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Agents SDKとMCPの連携でできること
Agents SDKとMCPの連携によって、今後以下のような活用が考えられます。
企業内の多様なデータソースとの統合
社内に点在するデータベースやファイルシステム、業務アプリケーションをエージェントが統合的に活用し、業務プロセスの自動化や効率化を推進できます。
より複雑で専門性の高いタスク処理
MCPを介して専門的な分析ツールや外部APIと連携できるため、市場分析、顧客分析、リスク評価など、高度で専門性を要するタスクにも柔軟に対応可能になります。
複数LLMプロバイダーの柔軟な活用
用途に応じて性能やコスト効率の良いLLMプロバイダーを選択し組み合わせることで、用途に最適化されたAIエージェントを容易に構築できます。
セキュアなデータ統合環境の構築
標準化されたプロトコルによって、安全かつ迅速に企業内外のデータを活用でき、セキュリティと利便性を両立したAIエージェントシステムを実現できます。
実際に、Xでは既にAgents SDKとMCPを連携させた事例が投稿されています。
OpenAI Agents SDKのMCPの最小構成のコードを動かしてみた!!!
これはめっちゃ使い勝手よさそうだぞ!! https://t.co/yMKmLa0jln pic.twitter.com/UYib81zdde— Maki@Sunwood AI Labs. (@hAru_mAki_ch) March 27, 2025
このように、Agents SDKとMCPの組み合わせにより、より広範で実践的なAI活用が可能になるでしょう。
OpenAI Agents SDKのMCP対応についてよくある質問まとめ
- OpenAI Agents SDKがMCPに対応することで、どのようなことができるようになりますか?
Agents SDKがMCPに対応したことで、SDKを利用して開発されたAIエージェントは、MCPを介して様々な外部ツールやデータソースにアクセスできるようになります。
例えば、ローカルファイルシステムへのアクセス、リモートAPI経由での外部データ取得などが可能になり、エージェントが単独では実行できなかったより複雑なタスクを遂行できるようになります。
- Agents SDKとMCPを連携させるための具体的な手順はどのようになっていますか?
Agents SDKとMCPを連携させるには、まずMCPサーバーとの接続設定を行います。
MCPServerStdioクラスを用いてMCPサーバーを起動し、利用可能なツールリストを取得しています。次に、このMCPサーバーのインスタンスをAgents SDKのエージェントの初期化時にmcp_serversパラメータとして渡すことで、エージェントがMCP経由でツールを利用できるようになります。
まとめ
Agents SDKがMCPに対応したことで、開発者はより幅広い外部リソースを利用できるようになりました。
今後、AIエージェント開発がさらに柔軟かつ強力になることが期待されます。ぜひ、この機能を活用して高度なAIエージェントの開発に取り組んでみてください。
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