デンソーテン、カメラ撮影の顔画像から人の内面状態を推定するAI技術を開発
最終更新日:2025年03月07日

株式会社デンソーテンは2025年3月4日、カメラで撮影した顔画像から脳波や心拍などの生体情報と連動させて、ヒヤリハットや居眠りの予兆といった人の内面状態を推定できるAI技術の開発を発表した。
この技術は3月5日から開催される情報処理学会で発表される予定であり、安心・安全なモビリティ社会への貢献を目指している。
- 脳波・心拍などの生体情報と顔のパーツの特徴量との関係をAIモデルとして学習させ、非接触で内面状態を推定する技術の実現
- 従来の接触型センサーによる感情推定技術から進化し、車載化を想定した場合の導入ハードル低減に貢献する新技術の開発
- 安心・安全なモビリティ社会の実現を目指し、「VISION2030」の方針に沿った人と地球に優しい製品開発の一環としての取り組み
デンソーテンが開発した技術は、まず脳波や心拍などの生体情報から分かる「ヒヤリとする、ハッとする」や「頭がぼんやりする」といった人の内面状態と、その時の顔画像から眉・目・鼻・口といった顔のパーツの位置や形を表す特徴量との関係をAIモデルとして生成する。
そして、カメラで取得した顔画像から特徴量を抽出し、このAIモデルと照合することで、非接触での人の内面推定を可能にした。
同社はこれまで脳波センサーや心拍センサーを用いて、脳や心臓の働きと感情との関係による医学的アプローチに基づいた独自の感情モデルを構築し、感情推定技術を開発してきた(2022年3月11日発表)。しかし車載化を想定した場合、接触型のセンサーでは導入のハードルが高くなるため、今回の非接触方式の開発に取り組んだ。
この技術は3月5日から7日にかけて芝浦工業大学で開催される「情報処理学会 第212回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会」にて「生体情報に基づいたラベルによる人の内面推定モデル」として発表される予定だ。
神戸大学大学院医学研究科の曽良教授(精神医学)は「人の内面を推定するにあたり、生体情報に基づいて推定することは重要だ。人それぞれの内面を理解することで人に寄り添った快適で充実した生活が可能になることを期待している」とコメントしている。
デンソーテングループは企業ビジョン「VISION2030」の実現に向け、人と地球に優しい製品でクルマの魅力を高める「クルマの価値向上」や、移動の課題を解決し人々の生活を豊かにすることに貢献する「生活の価値向上」への取り組みを具体化するとしている。
同社は人・モノ・モビリティなどの”移動”の困りごとを解決する「モビリティソリューションパートナー」を目指し、「環境にやさしいモビリティ社会」「安心・安全なモビリティ社会」の実現に貢献していく方針だ。
AI Market の見解
デンソーテンが開発した顔画像からの内面推定AI技術は、車載システムへの応用を見据えた重要な技術的進展だ。従来の接触型センサーからカメラによる非接触方式へと移行することで、実用面での大きなハードルを克服している。
特に運転中の居眠りやヒヤリハット検出は交通安全に直結する課題であり、生体情報と顔の特徴量の相関関係をAIモデル化する手法は高い精度と実用性を両立させる可能性がある。
参照元:PR TIMES

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