OpenAIが複数のタスクを同時に並行処理できるクラウドベースのソフトウェアエンジニアリングエージェント「Codex」を発表
最終更新日:2025年05月19日

OpenAIは2025年5月16日、複数のタスクを同時に並行処理できるクラウドベースのソフトウェアエンジニアリングエージェント「Codex」を発表した。
このエージェントは機能の実装、コードベースに関する質問への回答、バグ修正、プルリクエストの提案など、ユーザーに代わって様々なタスクを実行することが可能で、各タスクは独自のクラウドサンドボックス環境でリポジトリがプリロードされた状態で実行される。
- OpenAIが発表したCodexは、codex-1と呼ばれるソフトウェアエンジニアリング向けに最適化されたAIモデルを搭載したクラウドベースのエージェント
- 複数のコーディングタスクを並行して処理し、機能実装やバグ修正、コードに関する質問への回答などを独立したサンドボックス環境で実行可能
- ChatGPT Pro、Enterprise、Teamユーザーに提供開始、近日中にPlusおよびEduユーザーにも拡大予定で、人間の開発者の生産性向上を目指す
Codexは「codex-1」と呼ばれるモデルを搭載しており、これはOpenAI o3をソフトウェアエンジニアリング向けに最適化したバージョンだ。
このモデルは人間の開発スタイルやPRの好みに近いコードを生成するよう、実世界のコーディングタスクを様々な環境で強化学習させることで訓練されており、指示に正確に従い、テストを繰り返し実行して合格結果を得るまで反復的に作業を行うことが可能だ。
現在、ChatGPT Pro、Enterprise、およびTeamユーザーへの展開が開始されており、今後Plusユーザーにも提供される予定だ。
Codexの利用方法は、ChatGPTのサイドバーからアクセスし、プロンプトを入力して「Code」をクリックすることで新しいコーディングタスクを割り当てることができ、コードベースに関する質問をする場合は「Ask」をクリックする。
各タスクは、コードベースがプリロードされた独立した環境で個別に処理され、ファイルの読み取りや編集、テストハーネス、リンター、型チェッカーなどのコマンド実行が可能だ。
タスクの完了には複雑さに応じて1〜30分かかり、リアルタイムで進捗を監視することができ、完了後はCodexが環境内での変更をコミットし、ターミナルログやテスト出力の引用を通じてその行動の検証可能な証拠を提供する。
結果の確認、さらなる修正の要求、GitHubへのプルリクエストのオープン、またはローカル環境への変更の直接統合が可能であり、さらに製品内でCodex環境を実際の開発環境にできるだけ近くなるよう構成することもできる。
Codexの利用は、リポジトリ内に配置されたAGENTS.mdファイルによって誘導することが可能で、これらはREADME.mdに似たテキストファイルで、コードベースのナビゲート方法、テスト実行コマンド、プロジェクトの標準手法に最もよく従う方法などをCodexに伝えることができる。
人間の開発者と同様に、Codexエージェントは構成された開発環境、信頼性の高いテスト設定、明確なドキュメントがある場合に最も良いパフォーマンスを発揮する。
コーディング評価と内部ベンチマークでは、codex-1はAGENTS.mdファイルやカスタムスキャフォールディングがなくても強力なパフォーマンスを示している。
OpenAIは、悪意のあるソフトウェア開発など、AIを利用したソフトウェアエンジニアリングの悪用を防ぐためのセーフガードも実装しており、正当なタスクとの明確な区別を行うよう訓練されている。
AI Market の見解
OpenAIのCodex発表は、AIによるコード生成から本格的なソフトウェア開発支援へと進化する重要な転換点と言え、ソフトウェアエンジニアが単調で時間のかかるタスクをAIに委任し、より創造的で価値の高い作業に集中できるようになる点が特に注目に値する。
特にシングルタスクではなく、複数のタスクを並行して実行できる設計は、実際のソフトウェア開発プロセスにおける現実的なニーズを反映している。
安全性への配慮も明確で、インターネットアクセスを無効にした隔離コンテナでの実行は、セキュリティリスクを最小化する適切なアプローチと評価できる。
今後は、リアルタイムのペアプログラミングとタスク委任の両方を支援するツールスイートへと発展し、開発者の生産性向上と業界標準の変革が進むと想定される。
参照元:OpenAI
Codexに関するよくある質問まとめ
- Codexを利用するための料金体系はどうなっていますか?
現在はChatGPT Pro、Enterprise、Teamユーザーに追加費用なしで提供され、数週間は寛大なアクセスが可能とのことです。
その後は、従量課金制の柔軟な料金オプションが導入される予定です。開発者向けのcodex-mini-latestモデルはResponses APIで利用可能で、入力トークン100万あたり1.50ドル、出力トークン100万あたり6ドルで、プロンプトキャッシングによる75%の割引が適用されます。
- Codexはどのような種類のタスクに最も適していますか?
Codexは、リファクタリング、リネーミング、テスト作成などの反復的で範囲が明確なタスクに最も効果的です。
また、新機能の構築、コンポーネントの接続、バグ修正、ドキュメント作成にも役立ちます。オンコール問題のトリアージ、タスク計画、バックグラウンド作業の委託など、開発チームの日常業務をサポートする新しい習慣を作るのに適しています。

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