Claudeが内部文書・ウェブ検索統合の新リサーチ機能とGoogle Workspace連携を発表
最終更新日:2025年04月22日

Anthropic社は2025年4月16日、AIアシスタント「Claude」に新機能「Research」とGoogle Workspace統合機能を導入すると発表した。
これらの機能によりClaudeは企業の内部文書とウェブ上の情報を横断的に検索・分析し、より詳細で信頼性の高い回答を提供できるようになる。
特にResearch機能では複数の検索を連続的に実行し、質問の異なる側面を自動的に探索することで、作業時間を大幅に短縮する効果が期待される。
- 内部文書とウェブを横断的に検索できる「Research」機能の導入により、複数の検索を連続的に実行し包括的な回答を提供する能力の強化
- Gmail、Calendar、Google Docsとの統合により、ユーザーの業務コンテキストを把握し、手動でのファイルアップロードや説明の必要性を大幅に削減
- 組織のドキュメントを専用インデックスで管理する「カタログ機能」により、長文書類や複数ファイルに分散した情報も正確に検索可能な環境の実現
今回発表されたResearch機能は、Claudeの情報検索と推論能力を大幅に強化するものだ。従来の検索機能とは異なり、Claudeは「エージェント的」に動作し、質問に対して複数の検索を連続的に実行しながら次に調査すべき内容を自律的に判断する。
これにより、質問の異なる側面を自動的に探索し、オープンな課題を体系的に解決することが可能となった。特筆すべき点として、提供される回答には引用が添付されるため、ユーザーは情報の信頼性を容易に確認できる。
この機能は短時間で高品質かつ包括的な回答を提供することで、日常業務における様々な調査タスクに対応する実用性を備えている。
Google Workspace統合機能については、従来のGoogle Docsに加え、GmailとCalendarとの連携が実現した。これによりClaudeはユーザーの業務コンテキストをより深く理解できるようになる。
具体的には、メールの検索、ドキュメントのレビュー、スケジュールの確認などがセキュアに行えるため、ファイルを手動でアップロードしたり業務内容やスケジュールについて繰り返し説明したりする必要がなくなる。
例えば、先週の会議メモをまとめたり、フォローアップメールからアクションアイテムを特定したり、関連ドキュメントから追加コンテキストを検索したりといった作業をClaudeに依頼できる。
これにより情報収集ではなく戦略的計画に集中できるようになり、Claudeは最新のコンテキストに基づいて情報源を検証できるインライン引用も提供する。
さらにClaude Enterprise管理者向けには「カタログ機能」が導入される。この機能を有効にすると、Claudeは組織のドキュメントを専用のインデックスを使って検索し、長文書類や複数のファイルに分散した情報でも正確に見つけ出すことができる。
この技術はセキュアな検索拡張生成技術を活用し、ユーザーが正確なファイルを指定しなくても文書エコシステム全体を検索できるようにする。
エンタープライズグレードのセキュリティにより、組織の知識の機密性を維持しながら正確な回答を提供する。これらの新機能は、Max、Team、Enterpriseプランの利用者向けに米国、日本、ブラジルで早期ベータ版として提供が開始される。
AI Market の見解
AnthropicのResearch機能とGoogle Workspace統合は、生成AIの実用性を大きく前進させる重要な進化と言える。特にエージェント的に動作して複数の検索を自律的に実行する能力は、単なる情報検索から一歩踏み込んだ知的作業の自動化を実現している。
企業内部の文書とウェブ情報を横断的に分析できる点は、ビジネスコンテキストでの意思決定支援に大きな価値を提供すると想定される。また、引用機能による透明性確保は、生成AIの信頼性向上という業界課題への効果的なアプローチとなっている。
参照元:Anthropic PBC
Claudeの研究機能に関するよくある質問まとめ
- Research機能はどのように従来の検索と異なるのですか?
従来の検索が単一のクエリに基づく結果を返すのに対し、Research機能はエージェント的に動作し、複数の検索を連続的に実行しながら次に調査すべき内容を自律的に判断する。質問の異なる側面を自動的に探索し、体系的にアプローチすることで、より包括的な回答を提供する。また、引用機能により情報の信頼性を確認できる点も大きな特徴だ。
- Google Workspace統合で具体的にどのような業務効率化が可能になりますか?
Google Workspace統合により、マーケティングチームは競合情報の収集と社内の製品仕様・戦略文書を組み合わせて包括的な発売計画を作成できる。営業チームは顧客とのやり取り履歴、会議招待状、最新の企業情報を分析して詳細なブリーフィング資料を効率的に準備できる。また、エンジニアは設計文書やシステム仕様と外部APIドキュメントを分析して技術ソリューションを作成するなど、様々な業務効率化が実現する。

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