伊藤忠テクノソリューションズ、マルチAIエージェント支援を拡充し業務効率化サービスを開始
最終更新日:2025年04月21日

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は2025年4月21日、複数のAIエージェントが互いに交渉・協調しながら複雑な業務を実行する「マルチAIエージェント」構築支援サービスの提供を開始した。
顧客の課題に応じて複数のAIエージェントを作成し業務効率化を図るもので、2026年度末までに生成AIを含む高度AIビジネスとして500億円の売上を目指す。
- 複数のAIエージェントが互いに交渉・協調し合いながら複雑な業務を自律的に実行するサービスの開始
- 株式会社Sapeetと共同開発し、会議スケジュール調整エージェントを先行事例として開発完了
- 2023年から提供している「LLMエコシステム」の一環として継続的なサービス強化を推進
各企業では業務における生成AIの導入と活用に取り組んでいるが、生成AIを効果的に活用するためには、プロンプトの設計やビジネスの理解など、AIの性能を最大限に引き出す工夫が必要となっている。
このような背景から、AI自身が業務要件の理解や判断を行い、複雑なタスクを進めることのできるAIエージェントの活用が進んでおり、特に複数のエージェント同士が連携しながら業務を実行するマルチAIエージェントに注目が集まっている状況だ。
マルチAIエージェントは、複数のAIエージェントが互いに連携しながら業務を実行する仕組みである。CTCは顧客の業務に関する課題や要望に応じて、エージェント同士の連携を設計し、作業を効率的に遂行するマルチAIエージェントを開発する。
このサービスはAIソリューションの技術開発を行う株式会社Sapeetとの共同開発によるものだ。サービスの開始に先行して、マルチAIエージェントの一例として、会議の主催者と参加者の予定を自動的に調整し、最適な会議日時を確定するスケジュール調整エージェントの開発を完了した。
この仕組みでは、AIエージェント同士が主催者や参加者に代わって自律的に調整を行うことで、人手を介した調整時間の大幅な削減が期待できる。
CTCは2023年から企業の生成AI活用に必要なソリューションやサービスを組み合わせて使用するプラットフォーム「LLMエコシステム」を提供しており、継続的なラインアップの拡充とエコパートナーとのアライアンスを通して生成AI関連のサービスを強化している。
今回のマルチAIエージェント構築支援サービスもその一環として位置づけられ、今後も継続的なサービスラインアップの拡充やパートナーとのアライアンスに努め、生成AI関連のサービスを強化して多様化する顧客のニーズに応えていくとしている。
AI Market の見解
マルチAIエージェント技術は企業の業務効率化において重要な転換点になると想定される。CTCが開発したスケジュール調整エージェントは、単純作業の自動化を超え、AIエージェント同士の交渉による意思決定プロセスの自動化を実現している点が技術的特徴だ。
このようなAIエージェント間の自律的な協調作業は、人間の介在を最小限に抑えつつ複雑なタスクを完遂できる点で、企業の生産性向上に大きく貢献する可能性がある。
CTCが目指す2026年度末までの高度AIビジネス500億円という目標は、市場のニーズと成長可能性を示すものであり、今後のビジネスAI市場においてマルチエージェント技術が主流になると想定される。
参照元:PR TIMES
マルチAIエージェントに関するよくある質問まとめ
- マルチAIエージェントと通常のAIエージェントの違いは何ですか?
通常のAIエージェントは単一のAIが特定のタスクを実行するのに対し、マルチAIエージェントは複数のAIエージェントが互いに交渉・協調しながら連携して業務を遂行する仕組みです。
各エージェントが特定の役割や専門性を持ち、それらが連携することで、スケジュール調整のような複雑な意思決定プロセスを含むタスクを自律的に完了させることができます。
- CTCのマルチAIエージェント構築支援サービスの具体的な利用例を教えてください。
CTCが先行開発したスケジュール調整エージェントでは、チャットツールに参加者、目的、時間枠、開催期限を入力するだけで、グループウェアや参加者の専属エージェントと連携し、予定時間の確定までを自動実行します。
参加者の予定が合わない場合は、マルチAIエージェントが人間に代わって調整可能な予定を類推し、AIエージェント同士が交渉を行います。これにより人手を介した調整時間の大幅な削減が期待できます。

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