エピストラ、細胞培養の自動化・最適化トータルソリューションをロボティック・バイオロジー・インスティテュートと共同販売へ
最終更新日:2024年07月31日
エピストラ株式会社は、2023年2月9日、細胞培養の自動化・最適化トータルソリューションをロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社と共同で販売すると発表した。
このソリューションは、エピストラのAI自動実験最適化システムと、ロボティック・バイオロジー・インスティテュートの生命科学実験用ロボットを組み合わせたものだ。両社は共同販売について合意を交わし、今後は再生医療等製品の開発を行う企業などに向けて同ソリューションを展開する。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- AI自動実験最適化システムと生命科学実験用ロボットを組み合わせて、細胞培養を自動化・最適化
- ライフサイエンスの実験における課題をAIで解決する、エピストラの「Epistra Accelerate」
- 再生医療等製品の開発を行う企業に向けてソリューションを販売、バイオ関連市場の拡大を支える
AIとロボットで生命科学実験の効率化を支援するエピストラ
エピストラは、AIとロボットで生命科学実験を飛躍的に効率化すべく、事業を展開している企業だ。ライフサイエンス実験の自動化ソフトウェアやシステムの開発・販売、ライフサイエンス実験を行うロボット施設の運営、また実験に関するデータと知的財産の管理および利活用なども手がけている。
ライフサイエンスの研究開発においては、手作業での実験および試行錯誤の繰り返しを要因として、様々な課題が存在する。こうした課題の解消において、AIの活用が効果的であると同社は判断。AIによる自動実験最適化システムであれば、従来よりも少ない試行回数で目的とする最適条件を発見できると考え、「Epistra Accelerate」を開発するに至った。
理化学研究所との共同研究から生まれた「Epistra Accelerate」
エピストラの「Epistra Accelerate」は、同社が理化学研究所と行った共同研究から生まれた自動実験最適化システムだ。熟練者以上の分化効率が達成可能なプロトコルを、自動的に探索することに成功している。
同システムは、自動実験計画AIがライフサイエンス領域の問題解決に向けて強化されている点も特徴となる。ライフサイエンスの問題に対して標準のベイズ最適化技術を適用する際には、「高次元」「高ノイズ」「高コスト」という3つの問題が発生するが、同システムでは同社独自のアルゴリズムによりこの問題を解決した。
「Epistra Accelerate」は、100枚程度の顕微画像から80%以上の精度で細胞の良し悪しを判別できる自動状態評価AIも実装。これらの点が評価され、バイオ素材/食品/製薬といった領域の大手企業にて導入が進んでいる。
細胞培養実験の手技の自動化と、AIによる培養条件の自動最適化
今回エピストラがソリューションの共同販売について合意を交わしたロボティック・バイオロジー・インスティテュートは、生命科学実験用の汎用ヒト型ロボット「まほろ」などを開発している企業だ。「まほろ」は、ヒトと同等の自由度を持つ2本の腕を持ち、人間と同じ実験器具を用いた作業を実現。また、熟練者の細胞培養における手技を数値化・最適化し、高精度で再現することもできる。
両社の協業では、ロボティック・バイオロジー・インスティテュートの「まほろ」による細胞培養実験の手技の自動化と、エピストラのAIによる培養条件の自動最適化を、一つのソリューションとして販売する。合意の覚書は、2023年1月1日付けで調印されている。
細胞培養で課題を持つ再生医療分野に、ソリューションを提案
近年、バイオ関連市場は世界中で拡大を続けており、中でも再生医療の市場規模は2030年に国内1兆円/世界12兆円にまで広がると予測されている。しかし、再生医療分野の製品開発では依然として細胞培養の困難さが課題となっており、市場拡大の足枷にもなっていた。
こうした課題を可決すべく、細胞培養の自動化・最適化トータルソリューションの共同販売は開始される。エピストラはロボティック・バイオロジー・インスティテュートと共に、iPS細胞の培養や再生医療等製品の開発を行う企業に向けた同ソリューションの提案を進めるとしている。
参照元:PRTIMES
画像認識の仕組みや種類を詳しく知りたい方はこちら、また、画像認識に強い開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp