Google社、マルチモーダルで高い推論能力を持つ生成AIモデル「Gemini」を新たに公開
最終更新日:2024年08月07日
グーグル合同会社は、2023年12月7日、本社である米Google社が新たな生成AIモデル「Gemini」を開発/公開したと発表した。
日本法人であるグーグルによる今回の発表は、Google社が同年12月6日付で公開した英文リリースを翻訳する形で行われた。「Gemini」は、最初からマルチモーダルで構築された次世代生成AIモデルであり、複雑な推論能力を持つ。Google社は今後、同社製品を通じて「Gemini」を提供し、英語以外の言語へのサポート追加も予定している。
<本ニュースの10秒要約>
- 最初からマルチモーダルで構築され、複雑な推論能力を持つ次世代生成AIモデル「Gemini」
- 複雑な文字情報/視覚情報を理解、高度な推論性能で数十万もの文書からでも洞察を抽出
- 「Gemini Ultra」 「Gemini Pro」「Gemini Nano」を設定、あらゆる場所で効率的に動作
次の一歩を踏み出す生成AIモデルとして「Gemini」を開発
Google社は、AIが現在の世界中で起こしている変化について、人々の人生において最も意味深いものになると考えている。AIは、これまでにない規模で知識/学習/創造性/生産性を高めることが可能であり、日常から非日常に至るあらゆる場所の人々に機会を生み出す可能性を秘めていると評価。イノベーションと経済発展の新たな波をもたらすべく、「AIファースト」というテーマを掲げてAI研究に取り組んで来た。
2023年時点でGoogle社は、提供する製品における生成AIの利用を実現している。この提供を通じて同社製品のユーザーは、より複雑な問題の検索に始まり、新しいツールを活用したコラボレーションや創作など、たった1年前には困難と思われていたことが可能となった。また、世界中のスタートアップや企業が、Google社のAIツールを用いて成長を果たしている。こうしたAIによるムーブメントをさらに推進すべく、次の一歩を踏み出す生成AIモデルとしてGoogleは「Gemini」を開発・公開した。
高度な推論性能で、多くの分野に新たな飛躍をもたらす
「Gemini」は、より便利かつ直感的であり、「相談できる専門家」または「仲間」のように感じられる新世代の生成AIモデルして開発された。人々が世界を深く理解するために行ってきた、世界との「対話」を通じたインスピレーションの獲得を、AIでも実現することが目指されている。
そのため、「Gemini」は、ゼロからマルチモーダルモデルとして構築された。既存のマルチモーダルモデルは、画像の説明といったタスクには優れているものの、より概念的で複雑な推論は困難という課題を持つ。しかし「Gemini」は、テキスト/画像/音声/動画/コードなどあらゆる種類の入力をゼロからシームレスに理解し、さらには操作して組み合わせることができる。その能力は、既存のマルチモーダルモデルを大きく凌ぐという。
Google社によると「Gemini」の高度な推論性能は、複雑な文字情報/視覚情報の理解に強みを持つ。中でも、膨大な量のデータの中から識別が困難な知識を発見する能力が高く、数十万もの文書から洞察を抽出することで多くの分野に新たな飛躍をもたらす可能性があると自負している。
NotebookLM、Google SGE(現AI Overview)など、Googleの各サービスのバックで稼働するAIモデルもGeminiに統一されていくでしょう。
あらゆる場所で効率的に動作する柔軟なモデル
今回の「Gemini」発表は、同モデルの最初のバージョン「Gemini 1.0」の公開として行われ、「Gemini Ultra」 「Gemini Pro」「Gemini Nano」という3サイズが設定されていることも明らかにされた。「Gemini Ultra」は高性能/最大のモデル、「Gemini Pro」は幅広いタスクに対応可能なモデル、そして「Gemini Nano」は最も効率的なモデルとなっている。
Google社はまた「Gemini」について、データセンターからモバイル/デバイスまであらゆる場所で効率的に動作する柔軟なモデルであると自負。この柔軟性により、開発者/企業がAIを構築/拡張する方法を大幅に強化するとしている。
参照元:Google Japan Blog – グーグル合同会社
Geminiとは?こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
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