Googleが「Gemini 2.5」など新AIモデルとサービスを発表、年次開発者会議I/O 2025で多数の新機能を公開
最終更新日:2025年05月21日

Googleの年次開発者会議「Google I/O 2025」において、同社CEOのスンダー・ピチャイ氏が次世代AIモデル「Gemini 2.5」シリーズや「Google Beam」などの新サービスを発表した。
過去1年間でAI処理トークン数が50倍の480兆に達し、開発者数も5倍の700万人に増加するなど、AIの普及が急速に進んでいることが明らかにされた。
- Googleが開発者会議I/O 2025で最新AIモデル「Gemini 2.5」と強化された推論モード「Deep Think」を発表、LMArenaリーダーボードを席巻
- 3D映像プラットフォーム「Google Beam」や「Project Astra」の機能を取り入れた「Gemini Live」など研究プロジェクトの実用化が加速
- Googleの月間AI処理トークン数が前年比50倍の480兆に達し、Gemini利用開発者数も5倍の700万人に増加、AI普及が急拡大
2025年5月20日に開催されたGoogle I/O 2025において、GoogleのCEOであるスンダー・ピチャイ氏はAI研究の成果が実用化されつつある新段階に入ったことを強調した。
同社の最新AIモデル「Gemini 2.5 Pro」はLMArenaリーダーボードのすべてのカテゴリでトップの座を獲得。これを支えるのが新世代のTPU「Ironwood」で、前世代と比較して10倍のパフォーマンスを実現し、1ポッドあたり42.5エクサフロップスという驚異的な計算能力を誇る。
この圧倒的なインフラ基盤により、モデル価格が下がる中でも高速かつ高性能なAIモデルの提供が可能になったとピチャイ氏は説明した。AIの普及速度についても言及し、過去1年間で月間AI処理トークン数が9.7兆から480兆へと50倍に増加、Geminiを利用する開発者数も5倍の700万人に達したことが報告された。
イベントでは多数の新サービスと機能が発表された。かつてProject Starlineとして紹介された3D映像技術が「Google Beam」として実用化され、6台のカメラとAIを活用して2Dの映像ストリームをリアルな3D体験に変換する。
「Project Astra」の研究成果を取り入れた「Gemini Live」は、カメラやスクリーン共有機能の追加によって、ユーザーの周囲の状況をリアルタイムで把握し支援できる、より万能なAIアシスタントへと進化した。
一方、「Project Mariner」から派生した「Agent Mode」では、AIエージェントがウェブ上でユーザーに代わって行動することが可能となり、住宅探しなどのタスクを主体的にこなす支援機能が実装されている。
また、パーソナライゼーションの領域では、ユーザーの許可を前提にGoogleアプリ間で個人コンテキストを連携させる新たな仕組みが導入された。これにより、Gmailでは「パーソナライズドスマートリプライ」として、より文脈に合った返信提案が可能になっている。
検索機能の進化も目覚ましく、昨年導入されたAI Overviewsは現在、200の国と地域で15億人以上に提供されており、特に米国やインドなど主要市場では検索クエリ数の10%以上の増加につながっている。
この流れを受けて、Googleは完全なエンドツーエンドのAI検索体験を実現する「AI Mode」を新たに導入。従来の2〜3倍の長さにおよぶ複雑なクエリにも対応可能な高度な推論機能を備えた。
加えて、画像生成モデル「Imagen 4」や、ネイティブ音声生成機能を搭載した動画生成モデル「Veo 3」も発表され、クリエイティブ分野への応用も加速している。これらに加え、映像制作支援ツール「Flow」も登場しており、短いクリップを長いシーンに拡張するなど、映像表現の可能性を広げている。
AI Market の見解
GoogleがI/O 2025で発表した一連のAI技術は、研究段階から実用化へと急速に移行している状況を如実に示している。
特筆すべきは、TPU「Ironwood」に代表されるハードウェアインフラの圧倒的な進化がAIモデルの性能向上とコスト低減を同時に実現している点だ。月間480兆トークンというAI処理量は、AIが既に私たちの日常生活に深く浸透していることを示す指標と言える。
また、「Google Beam」や「Agent Mode」などの実用化は、昨今のAI研究が単なる言語処理を超え、実世界とのインタラクションやタスク実行能力の向上に向かっていることを示している。
競合他社との差別化という観点では、「Deep Think」に代表される推論能力の強化と、Googleの強みである検索やGmailなどの既存サービスとの統合が鍵となると想定される。Google検索への「AI Mode」導入は、同社の核心事業の変革を意味し、今後のAI基盤のビジネスモデルに大きな影響を与える可能性がある。
参照元:Google
Geminiに関するよくある質問まとめ
- Gemini 2.5の主な改善点は何ですか?
Gemini 2.5シリーズは、推論、マルチモダリティ、コード、長文脈理解などほぼすべての側面で性能が向上しています。
特にGemini 2.5 Proには「Deep Think」と呼ばれる強化された推論モードが導入され、並列思考技術を含む最先端の思考・推論研究が応用されています。Gemini 2.5 FlashはLMArenaリーダーボードでGemini 2.5 Proに次ぐ2位の成績を収めており、開発者からはその速さと低コストが高く評価されています。
- Google BeamとProject Starlineの違いは何ですか?
Google Beamは、以前に研究プロジェクトとして発表されたProject Starlineの実用化バージョンです。
6台のカメラとAIを使用して2Dの映像ストリームをリアルな3D体験に変換し、3Dライトフィールドディスプレイに表示します。ミリメートル単位の精度でヘッドトラッキングを行い、60fpsでリアルタイム処理が可能です。HPとの協力により、最初のGoogle Beam端末は2025年後半に早期顧客向けに提供される予定です。

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