日立が南紀白浜空港にて実施中のAI/検査員の協働実証、保安検査業務を手がけるセノンが新たに参画
最終更新日:2023年08月03日
株式会社 日立製作所は、2023年8月2日、同社が南紀白浜空港の保安検査にて実施しているAIと検査員との協働実証実験について、株式会社セノンが参画したことを発表した。
この実証実験は、日立製作所と日本航空株式会社、そして株式会社南紀白浜エアポートが、手荷物検査の保安業務をAIで支援すべく2022年3月より行っているものだ。今回新たに参画したセノンは、全国の多くの空港にて保安検査業務を手がける企業であり、同社が持つ「検査員目線」も知見を活かしてストレスが少ない検査支援アプリケーションの実現が目指される。
<本ニュースの10秒要約>
- 南紀白浜空港の手荷物検査業務を高度化・効率化すべく、2022年3月よりAI/検査員の協働実証を開始
- 日立ソリューションズ「X線検査判定支援ソフトウェア」が、X線画像の制限品/危険物判定をサポート
- 今後はセノンの航空保安検査ノウハウも活用し、「X線検査判定支援ソフトウェア」のAI改善を推進
日立/南紀白浜エアポート/日本航空が開始した実証実験
日立製作所は、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げて、顧客と社会の発展に寄与する製品・サービスを提供している企業だ。近年は、最新のIT×OT×プロダクトを組み合わせる「社会イノベーション事業」にも取り組んでおり、データとテクノロジーの活用によって持続可能な社会の実現と人々の幸せの両立にも挑戦している。
同社は2021年8月、南紀白浜エアポートとの間で「保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向けた実証実験」の実施について覚書を締結した。南紀白浜エアポートは、南紀白浜空港の一切の運営業務を担う企業であり、同空港で生じる手荷物検査業務の高度化・効率化を推進すべく同実験の実施に合意。日本航空も参画する形で、2022年3月に同実験の開始に至っている。
AIと検査員との協働体制構築を目指す
日立製作所/南紀白浜エアポート/日本航空が2022年より開始した実証実験は、主として手荷物検査のX線検査装置を活用した保安業務において、AIと検査員との協働体制構築を目指すものだ。X線画像における制限品/危険物の判定をAIが視覚的にサポートすることで、空港の保安検査業務の高度化と検査待ち時間の短縮、そして検査員業務量の約20%削減を目指す。
実験で用いるAIシステムの中核を担うのは、日立製作所のグループ企業である株式会社日立ソリューションズの「X線検査判定支援ソフトウェア」だ。同ソフトウェアは、 既設のX線装置をそのまま利用可能であり、また検出する物品の追加学習を行うことで導入後も精度を向上できるという利点を持つ。南紀白浜空港での実証実験では、日本航空が提供する保安検査に関するノウハウを踏まえた上で、日立製作所が同ソフトウェアのチューニングとAIの追加学習などを行い続けている。
保安検査業務の効率化と空の旅のストレスフリー化を実現
日立製作所らが行うこの実証実験に今回、多くの空港で保安検査業務を手がけるセノンが参画することとなった。この参画により同実験では、セノンの航空保安検査のノウハウを活用する形で「X線検査判定支援ソフトウェア」のAI改善を推進する。また同ソフトウェアの集中監視機能を活用し、「一人の検査員が複数のレーンの手荷物を検査できるか」「モニタ検査をX線検査装置から離れた場所で実施する場合、開披検査員との連携が可能か」といった点について検証が行われる予定だ。
同実験を通じて日立製作所は、保安検査業務の効率化を進めると共に、シームレスかつストレスフリーな空の旅の実現を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
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