JALとNECが世界初のAI手荷物解析システムを開発!搭乗口での荷物チェックで航空機の定時運航を実現へ
最終更新日:2024年12月02日
2024年11月29日、日本航空株式会社(JAL)と日本電気株式会社(NEC)は、世界初となる搭乗口での機内持ち込み手荷物AI解析システム「NEC Baggage Counting Solution」の実証実験結果を発表した。
2024年4月から9月にかけて羽田空港第1ターミナルで実施された実験では、AIによる手荷物の検知・分類と収納棚の占有率推定を行い、フライトの遅延防止に向けた有効性を確認。JALは実験結果を踏まえ、本システムの本格導入を予定している。
<本ニュースの10秒要約>
- 世界初のAIによる搭乗口での手荷物解析システムの実証実験を羽田空港で半年間実施し、有効性を確認
- 機械学習技術により手荷物の数と種類をリアルタイムで解析し、収納棚の許容量超過を事前に予測
- データに基づく具体的な対策立案が可能となり、出発遅延防止と顧客満足度向上に貢献
システムの特徴と実証実験の内容
「NEC Baggage Counting Solution」は、搭乗口に設置されたカメラとAIを組み合わせた先進的なシステムだ。カメラで撮影された映像をAIが解析し、搭乗者の手荷物を自動的に検知・分類する。そして、それらの手荷物が機内の収納棚を占有するスペースをリアルタイムで推定し、設定された閾値に達した場合にアラートを発する。
実証実験は2024年4月から9月にかけて、羽田空港第1ターミナルの13番搭乗口で実施された。この期間中、システムの検知精度や分類精度の検証に加え、収納棚の許容量超過を知らせるアラートのタイミングについても詳細な評価が行われた。
開発の背景と期待される効果
このシステム開発の背景には、機内持ち込み手荷物に起因する航空機の遅延問題がある。手荷物の量が多い場合、収納棚に入りきらず、通路の混雑や搭乗後の貨物室への再搭載作業が発生し、フライトの遅延要因となっていた。
本システムの導入により、以下の効果が期待できる:
機内持ち込み手荷物の占有状況をリアルタイムで把握
データに基づく具体的な対策の立案が可能
手荷物収納や貨物室への再搭載による出発遅延の防止
カスタマーエクスペリエンスの向上
今後の展開と両社の取り組み
JALは本システムの本格導入を予定しており、デジタル技術を活用したカスタマーエクスペリエンスの最大化を目指している。一方、NECは「BluStellar」として体系化された価値創造モデルの下、業種横断的な知見と最先端技術を組み合わせたソリューションの提供を進めている。
AI Market の見解
JALとNECによる本システムは、実用的なAI活用の好例として注目に値する。技術面では、リアルタイムでの画像解析と予測を組み合わせた実用的なシステムを構築している点が評価できる。特に、実環境での半年間の実証実験を通じて実用性を確認している点は重要だ。
ビジネス面では、明確な課題解決(遅延防止)とカスタマーエクスペリエンス向上を両立させている点が注目される。航空業界特有の課題に対して、AIを活用した具体的なソリューションを提供することで、業務効率化と顧客満足度向上の両方を実現している。
市場への影響としては、本システムの成功が航空業界全体のAI活用を加速させる可能性がある。特に、実際の運用データに基づく予測と対策という新しいアプローチは、他の業界にも応用可能なモデルとなるだろう。また、このような実用的なAIシステムの導入事例は、他業界におけるAI導入の参考事例としても重要な意味を持つ。
参照元:NEC
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