企業の経理財務部門でAI活用が加速、KPMGの23カ国調査で7割が導入
最終更新日:2025年01月20日
KPMGインターナショナルは2025年1月20日、世界23カ国の企業2,900社を対象とした調査レポート「AIを用いたこれからの財務報告(拡大版)」を発表した。
調査では、企業の約7割が経理財務部門でAIを活用しており、今後3年間で83%まで増加する見通しだ。特に「リーダー」企業の57%が期待以上の投資収益率を達成し、生成AIの活用も95%が計画するなど、AI導入の効果が顕著に表れている。
<本ニュースの10秒要約>
- 世界の企業7割が経理財務部門でAIを導入済み、3年以内に83%まで拡大し生成AI活用も本格化へ
- AI導入企業の投資収益率は高水準を維持、特にリーダー企業の57%が期待以上の効果を実現
- 日本企業の財務報告でのAI利用は39%まで増加し、3年以内に87%へ拡大する見込み
企業のAI活用状況と地域差
調査対象企業は、AI利用の成熟度により「リーダー」(24%)、「フォロワー」(58%)、「ビギナー」(18%)の3つに分類された。地域別では中国が66%、米国が62%と先行する一方、日本は47%、英国41%、シンガポール34%とばらつきが見られる。
業種別では金融サービス業が29%と高水準で、売上高100億米ドル以上の大企業では41%が「リーダー」に分類された。
AI活用の範囲と効果
財務報告領域でのAI活用が最も進んでおり、約3分の2の企業が報告書作成や会計、財務計画にAIを導入している。「リーダー」企業の主な利用分野は、調査とデータ分析(85%)、不正検出と予防(81%)、予測分析と計画(78%)、AI文書作成(75%)だ。
投資面では、「リーダー」企業はIT予算の13%をAIに投資し、「フォロワー」以下の約2倍の水準を維持している。
課題と今後の展望
企業が直面する主な課題は、データセキュリティの脆弱性(57%)、AIスキルや知識の不足(53%)、一貫性のあるデータ収集(48%)、コスト(45%)だ。
「リーダー」企業の72%がAI利用に関する原則とガイドラインを策定し、これらの課題に対応している。今後3年間で、経理財務部門での中程度から広範囲なAI活用は83%まで増加する見通しだ。
AI Market の見解
本調査は、企業の経理財務部門におけるAI活用が実用段階に入り、具体的な投資効果が表れ始めていることを示している。特に生成AI技術の導入意欲の高まりは、今後のAI活用が効率化から価値創造へとシフトすることを示唆する。
また、日本企業の財務報告でのAI利用率が87%まで上昇する予測は、国内企業のDX加速を示す重要な指標となる。ただし、データセキュリティやスキル不足などの課題に対しては、包括的な対応策が必要だ。
参照元:PR TIMES
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