MicrosoftがAIモデル「Phi-4」を発表、14Bパラメータの小規模モデルで数学的推論能力が大規模モデルを凌駕
最終更新日:2024年12月17日
2024年12月13日(現地時間)、MicrosoftはSLM(小規模言語モデル)ファミリーの最新モデル「Phi-4」を発表した。
パラメータ数14Bという小規模ながら、数学的推論を含む複雑な思考タスクで優れた性能を発揮し、より大規模なモデルをも上回る結果を示した。
Phi-4は現在Azure AI Foundry上でMicrosoft Research License Agreement(MSRLA)のもと提供されており、来週にはHugging Faceでも利用可能となる予定だ。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 高品質な合成データセットと有機データの活用、革新的な後処理技術により、数学的推論で大規模モデルを上回る性能を実現
- Azure AI Foundryを通じて提供され、AIリスクの測定・軽減・管理のための包括的な機能セットを実装
- Windows Copilot+ PC向けに最適化されたPhi-3.5-miniを含む、責任あるAI開発の中核を担うモデルシリーズの最新版
優れた数学的推論能力を実現する技術的特徴
高品質な合成データセットと有機データの慎重な選定、そして後処理における革新的な手法の採用により、Phi-4は数学的推論タスクにおいて顕著な性能を示した。
特に数学コンペティション問題では、Gemini Pro 1.5などの大規模モデルを上回る成績を収めている。これらの成果は、小規模モデルの可能性を探求し続けるMicrosoftの取り組みの集大成だ。
包括的な安全性と責任あるAI開発への取り組み
Azure AI Foundryを通じて提供されるPhi-4は、従来の機械学習から生成AIアプリケーションまで、AI開発ライフサイクル全体にわたるリスク管理機能を備えている。
プロンプトシールド、保護された素材の検出、根拠に基づく検出など、Azure AI Content Safetyの機能を単一のAPIを通じて容易に統合できる。
リアルタイムモニタリングと品質管理の実装
開発者は、アプリケーションの品質と安全性、敵対的プロンプト攻撃、データの整合性を監視し、リアルタイムアラートを活用して適時の介入を行うことが可能だ。これにより、AIシステムの継続的な改善と安全な運用を実現している。
AI Market の見解
Phi-4の登場は、小規模言語モデルの可能性を大きく広げる重要な一歩だ。特に数学的推論能力において大規模モデルを凌駕する性能を示したことは、モデルの効率性と専門性の重要性を示唆している。
Azure AI Foundryを通じた包括的な安全機能の提供は、企業のAI導入における信頼性と実用性を高める要素となる。今後、特定領域に特化した効率的な小規模モデルの需要が増加すると予測され、AI市場の細分化と専門化が進むと考えられる。
参照元:Google
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