NECがAIで偽情報を見抜く!ファクトチェック支援技術の開発で情報の信頼性向上へ
最終更新日:2024年09月17日
NECは2024年9月13日、AIを活用してインターネット上の情報の真偽を多面的に分析し、ファクトチェックを支援する技術の開発を開始すると発表した。
この取り組みは、総務省の「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に採択されたものだ。開発された技術は、日本ファクトチェックセンターやマスメディアで有効性の検証が行われ、精度向上が目指される。実証事業の期間は2024年8月から2025年3月までとなっている。
<本ニュースの10秒要約>
- NECがAIを活用したファクトチェック支援技術の開発を開始、総務省の事業に採択
- LLMなど最先端AIを用いて、テキストや画像、動画などの真偽を多面的に分析し判定
- 開発技術は日本ファクトチェックセンターやマスメディアで実用性を検証し精度向上へ
偽・誤情報分析技術の開発背景
インターネット上での生成AIや編集ツールによる偽・誤情報の氾濫が社会問題となっている。ファクトチェック機関やマスメディアでは、情報の真偽判定やレポート作成に多大な工数を要しており、業務負担が課題となっていた。
NECは、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)など最先端AIを活用し、コンテンツの真偽分析・判定とレポート作成を行うファクトチェック支援技術を開発することで、偽・誤情報分析業務の効率化を目指す。この技術開発は、総務省の「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に採択されており、2024年8月から2025年3月までの期間で実施される。
開発技術の特徴と機能
NECが開発する技術は、テキスト、画像、動画、音声などの複数種類のデータで構成されるコンテンツの真偽をAIで分析する。具体的な機能として、1)画像などの生成・加工の検知、2)複数種類のデータのAIによるテキスト化、3)テキスト内容の正確性、出典の有無、データ間の矛盾の有無などを偽情報分析に特化したLLMで評価し、総合的に真偽を判定する。
また、ファクトチェック機関の専門家が作成する報告書や記事に近い形式でレポートを自動生成し、分析者の指示に応じて信頼性の低い根拠の削除や新たな情報の追加などの調整も可能とする。これにより、ファクトチェック業務の容易化・効率化を実現する。
技術の検証と今後の展開
開発された技術は、日本ファクトチェックセンターなどのファクトチェック機関や放送局をはじめとするマスメディアにおいて実用性が検証され、精度向上が図られる。NECは、この技術の実用化を目指すとともに、防災をはじめとするさまざまな業界での応用も検討している。同社は価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」のもと、最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題の解決に貢献していく方針だ。
AI Market の見解
NECが開発を開始したAIを活用したファクトチェック支援技術は、情報の信頼性向上に大きく貢献する可能性を秘めている。近年、インターネット上での偽情報の拡散が社会問題化しており、この技術は喫緊の課題に対する有効な解決策となりうる。特に、複数種類のデータを統合的に分析し、LLMを用いて高度な判断を行う点は技術的に注目に値する。
また、ファクトチェック機関やマスメディアでの実証を通じて精度向上を図る approach は、実用性を重視した開発姿勢として評価できる。今後、この技術が実用化されれば、情報の真偽判断の効率化だけでなく、社会全体の情報リテラシー向上にも寄与すると考えられる。
さらに、防災など他分野への応用可能性も示唆されており、幅広い社会課題解決への貢献が期待される。
参照元:NEC
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