衛星データとAIで農業を支援するサグリ、「水稲栽培における中干し期間の延長」に関する実証をフェイガーと開始
最終更新日:2023年09月01日
サグリ株式会社は、2023年8月30日、「水稲栽培における中干し期間の延長」のエビデンスとなるモニタリングデータに衛星データを用いる実証実験を、株式会社フェイガーと共に同年10月より開始すると発表した。
サグリは、衛星データとAIで世界の農業と環境課題の解決を目指している企業だ。農家向け脱炭素施策の収益化などに取り組むフェイガーと共に実施する今回の実証では、信頼性と品質が高いカーボンクレジットの生成を目指す。
<本ニュースの10秒要約>
- 衛星データとAIを組み合わせ、農業の課題解決と脱炭素への取り組みを進めるサグリ
- 水田の「中干し」期間延長によるメタンの削減を、衛星データの活用によって支援
- 農家向け脱炭素施策の収益化を進めるフェイガーと、持続可能な新しい農業を実現へ
圃場の解析/管理アプリの開発などに取り組むサグリ
サグリは、「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げ、2018年6月に兵庫県にて創業したスタートアップ企業だ。衛星データとAIを組み合わせる形で圃場の解析/管理アプリの開発などに取り組み、グローバル農業の課題解決を進めている。
サグリはまた、脱炭素への取り組みも進めている。世界の温室効果ガスの12%は農業由来といわれており、それはすなわち多くの削減ポテンシャルがあることを意味すると同社は判断。pH/炭素量/窒素量などを簡単に推定できる営農支援アプリ「Sagri」の提供などを通じて、肥料散布の効率化などに貢献してきた。
衛星データを使い、高品質のカーボンクレジットを生成
サグリが今回フェイガーと共に実証を行う「水稲栽培による中干し期間の延長」は、水田から発生するメタンの発生を削減するための方法論だ。
メタンは、CO2の25倍の温室効果を持つ温室効果ガスであり、日本においてはその約4割が水田から発生している。水田からのメタンの発生を減らすためには、落水期間を長くすることが重要であり、水稲栽培において通常行われる「中干し」の期間を7日間延長すれば、メタン発生量は3割削減できる。
この「中干し」期間延長において、衛星データをエビデンスとして高品質のカーボンクレジットを生成することが可能かどうかが、今回の実証では検証される。
「食と農、くらしのサステナブルな未来を創造する」
サグリとフェイガーと共に、JAグループによる「JAアクセラレータープログラム」の支援を受けてきた経緯を持つ。同プログラムは、「食と農、くらしのサステナブルな未来を創造する」をキャッチコピーとして革新的なアイデアや技術を持つスタートアップ企業を募集し、選抜した企業に短期間かつ集中的な成長支援を行うというものだ。
両社は今後、持続可能な新しい農業の形の実現に向けて、取り組みをさらに加速するとしている。
参照元:PRTIMES
農業でのAI活用事例を詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp