SyntheticGestalt、AI創薬で候補化合物を発見するモデルの開発でウクライナのEnamine社と協働
最終更新日:2024年01月12日
SyntheticGestalt株式会社は、2024年1月11日、AI創薬を推進するモデル開発について、Enamine社(Enamine Ltd/ウクライナ・キーウ)と協働すると発表した。
SyntheticGestalはライフサイエンス領域でのAI開発に取り組む企業であり、Enamine社は総合創薬受託研究企業だ。両社が協働にて開発するのは、候補化合物を発見するための事前学習モデル/生成AIモデルであり、Enamine社が持つ380億化合物のデータベースを学習用データセットとして利用する。
<本ニュースの10秒要約>
- ライフサイエンス領域でAI開発に取り組むSyntheticGestalが、Enamine社と協働
- 候補化合物を発見するための生成AIモデルを、Enamine社のデータベースを活用して開発
- アカデミア/製薬企業向けのサービスなどで利用、創薬サイクルの合理化と短縮に貢献
有用物質の発見にフォーカスして研究を展開するSyntheticGestalt
SyntheticGestaltは、創薬をはじめとするライフサイエンス分野にてAIの応用を推進している研究開発企業だ。独自に開発/蓄積したAI技術を活用し、有用物質の発見にフォーカスした研究開発を展開。価値ある発見を量産できる自律システムの開発を目指している。
同社は、クラウドベースでスケーラブルな構造を持つAIプラットフォームも開発。このプラットフォームは、大規模なライブラリに対して予測を行うことで、物理化学的特性やADME/ Tox特性、また酵素機能などの予測を実現した。さらに同社は、独自の機械学習モデルに基づいてリード化合物のADME/Toxおよび物理化学的特性の問題に解決策を提案するウェブサービスも提供。公的機関や民間企業との共同研究によるオープンイノベーションも歓迎している。
総合創薬受託研究企業、Enamine社
SyntheticGestaltが今回協働を行うEnamine社は、1991年の設立以来、新しい化合物に対する需要に応え続けている総合創薬受託研究企業だ。スクリーニング化合物/ビルディングブロック/分子の世界的なプロバイダーとして、世界中の製薬会社やバイオテクノロジー企業、また創薬センターや学術機関などに向けて、幅広く研究プログラムを支援している。
同社は、自社で生産したスクリーニング化合物(在庫400万化合物)と化合物ビルディングブロック(在庫30万化合物)、総合的な創薬サービスを含む包括的なプラットフォームを構築。また、合成および提供可能な380億以上の分子コレクション「EnamineREALデータベース」も構築し、オンデマンド化合物の設計における成功率の最大化を図っている。
化合物の3D構造に基づくものとしては世界最大規模
SyntheticGestaltとEnamine社は今回、AI創薬を推進するAIモデルを開発するために協働を開始した。両社が開発するモデルは、物理的/化学的特性およびADME/Toxの特性を最適化し、なおかつ合成が容易な生物学的活性を持つ化合物の提案を可能にするものだ。
この開発においてSyntheticGestaltは、同社が提供するDrug DiscoveryサービスにEnamine社の「EnamineREALデータベース」を追加。入力された化合物について物理的/化学的特性やADME/Toxの特性を予測する他、課題のある化合物についてデータベース内から改良案を即座に提案する。Enamine社も、提案された化合物を3~4週間以内に合成し、社内試験を通じて質の高い薬理学的in vitroプロファイリングデータとして提供。創薬サイクルの合理化と短縮に貢献する。
両社が開発するモデルは、化合物の3D構造に基づくものとしては規模が世界最大となる見込みだ。開発後は、アカデミアおよび製薬企業に向けたSyntheticGestaltのサービスや研究開発活動に利用される予定となっている。
参照元:PRTIMES
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