混雑情報サービスのバカン、カメラとAIを活用した最大規模の「見守りセンシングシステム」を近畿大学に導入
最終更新日:2022年10月28日
株式会社バカンは、2022年10月27日、近畿大学情報学部内に「見守りセンシングシステム」を導入し、学生生活をサポートするAI技術の開発に協力すると発表した。
バカンは、混雑状況を自動取得・解析するプラットフォームを開発・提供している企業だ。今回近畿大学に導入されたシステムは、多数のカメラとAIを活用して混雑緩和などを行うというものであり、大学建物内に研究用途で設置されたものとしては最大規模となっている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- あらゆる場所の混雑状況をIoTとAIで検知するDXサービスを手がけるバカン、近畿大学のAI研究に協力
- 多数のカメラとAIで混雑緩和を実現、大学建物内に研究用途で設置されたものとしては最大規模
- システムは、近畿大学のAI基礎研究や、学生の発想を取り入れたアプリ開発などにも活用予定
IoTとAIで「待ちをなくす」DXサービスを提供するバカン
バカンは、IoTとAIを活用することで「待ちをなくす」DXサービスの提供を可能にした。飲食店/トイレ/観光地/避難所/投票所などあらゆる場所の空き状況をIoTとAIによって検知し、サイネージやスマートフォンを通じて混雑情報を配信している。
同社は、リアルタイム混雑情報サービスとして「VACAN」を提供すると共に、地図型情報サイトに混雑情報を表示する「VACAN Maps」や、店頭のタブレットで受付や待ち順を管理する「Q ticket」なども開発・提供。保有する技術を活かし、ブース席などの遠隔予約や利用課金を可能にする「AutoKeep」や、トイレ個室の長時間滞在を抑止する「Airknock」といったサービスも開発している。
多数のカメラから得た情報をAIで解析、混雑緩和を実現
今回バカンが協力した近畿大学の「見守りセンシングシステム」は、同学情報学部の学部棟(E館)に導入された。同システムは、首振りカメラ25台/魚眼カメラ10台/サーマルカメラ2台から構成されており、これらのカメラから得た情報をAIで解析することで、混雑緩和や導線把握を可能にしている。
同システムのカメラは、学部棟のエントランスやオンデマンドサロンに加えて、情報学部の特徴的な施設である「esports Arena」「i-CORE」、また学生が日常的に研究を行う「壁なし研究エリア」にも設置された。同システムの設計・設置において、バカンは同学に協力している。
AI技術を用いた行動認識なども研究へ
今回導入された「見守りセンシングシステム」により近畿大学は、新たなAI研究を開始する。この研究では、同学情報学部情報学科(コンピュータビジョン研究室)・波部斉准教授が中心となり、AI技術を用いた行動認識と、それをもとにした情報提供システムの開発が行われる予定だ。
開発された情報提供システムは、学生が自由に利用する場所での混雑状況の自動把握や混雑回避の誘導に活用される。また、人物の動きによってコンテンツが動的に変化するインタラクティブなメディアアートなどへの活用も、同学は検討している。
ゼミや卒業研究においても活用予定
「見守りセンシングシステム」は、近畿大学情報学部のゼミや卒業研究においても活用が予定されている。具体的には活用方法として同学は、AIの基礎技術に関する研究・開発や、学生が持つ柔軟な発想を取り入れた斬新なアプリの開発などを想定。また、こうした活用においてもバカンは同学に協力し、社会で稼働するシステムを構築するノウハウについて学生が学べる機会を提供するとしている。
参照元:PRTIMES
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