ヤマザワ全店舗、AI自動発注システム導入!人手不足解消と廃棄ロス削減に挑む
最終更新日:2024年09月30日
株式会社ヤマザワは2024年9月27日、BIPROGY株式会社のAI需要予測による発注自動化サービス「AI-Order Foresight」を全70店舗の日配部門に導入したと発表した。この取り組みは、深刻化する人手不足問題の解決や食品廃棄ロスの削減を目指すものだ。
AIが自動でピックアップした商品を確認するだけで発注が可能となり、発注作業の大幅な時間短縮を実現。同時に、スキルや経験の差による品揃えのばらつきを平準化し、過剰発注や発注不足を減らすことで、販売機会ロスと食品廃棄ロスの削減を図る。
<本ニュースの10秒要約>
- ヤマザワ全70店舗の日配部門にAI自動発注システム「AI-Order Foresight」を導入し、発注業務の効率化と精度向上を実現
- AI需要予測により、発注担当者の経験やスキルに依存しない発注精度の維持と、販売機会ロスおよび廃棄ロスの削減を目指す
- 発注作業の自動化により創出された時間を活用し、お客さま満足度を高める売り場づくりの推進が可能に
AI自動発注システム導入の背景
ヤマザワでは、一般食品や雑貨などのグロッサリー部門では既に基準在庫補充方式の自動発注システムを利用していた。しかし、日配品(卵や冷蔵食品など)は消費・賞味期限が短く、既存の自動発注システムが使えなかったため、手作業での発注が必要だった。
また、日配品の発注数量は豊富な経験を持つ担当者の勘に基づいて決定されていたため、人手不足問題への対応と顧客満足度向上の両立が課題となっていた。この状況を改善するため、日配品の発注作業の効率化と平準化が必要とされていた。
「AI-Order Foresight」導入による具体的な効果
「AI-Order Foresight」の導入により、以下の効果が期待される。まず、発注作業の効率化と精度向上が実現する。AIが算出した各商品の発注数量のうち、AIがピックアップした商品のみを確認すればよいため、発注作業にかかる時間が大幅に削減される。この時間を活用し、より良い売り場づくりが可能となる。次に、発注業務の平準化が実現する。
AIによる自動化により、発注担当者の経験やスキルに依存しない発注精度を維持できるようになる。これにより、働きやすい職場環境づくりにも貢献する。さらに、在庫数の最適化による販売機会ロスや廃棄ロスの削減が可能となる。AIを活用した高精度な発注業務により、担当者ごとの品揃えのばらつきが平準化され、品切れや過剰発注が減少することで、販売機会ロスおよび廃棄ロスを削減できる。
今後の展開と期待される成果
ヤマザワとBIPROGYは、今後も店舗運営における業務効率化や生産性向上に向けた取り組みを推進していく方針だ。具体的には、生鮮食品のアウトパック品など、他のカテゴリーへの「AI-Order Foresight」の活用拡大を計画している。これらの取り組みにより、さらなる業務効率化と顧客満足度の向上を目指している。
「AI-Order Foresight」は、小売店舗の販売実績、気象情報、催事情報などの各種データをAIに学習させ、適切な商品発注数を自動決定するサービスだ。従来の需要予測では欠かせなかったデータサイエンティストやアナリティクス組織による予測モデルの改善を、AIが代替実施できるため、データ分析のノウハウがない企業でも予測精度の維持・向上に取り組める点が特徴となっている。
AI Market の見解
ヤマザワによる「AI-Order Foresight」の全店舗導入は、小売業界におけるAI活用の重要な事例となる。この取り組みは、人手不足や食品廃棄問題など、小売業界が直面する複数の課題に対して、AIを活用して効果的に対応しようとするものだ。技術的には、機械学習と需要予測アルゴリズムを組み合わせることで、短期間で消費される日配品の発注という難しい課題に対応している点が注目される。ビジネス面では、発注業務の効率化だけでなく、創出された時間を顧客サービス向上に活用する点が重要だ。
また、経験の差による発注のばらつきを減らすことで、若手社員の早期戦力化にも貢献する可能性がある。今後、このようなAI自動発注システムの導入が他の小売業にも広がれば、業界全体の生産性向上と食品ロス削減に大きく寄与する可能性がある。さらに、蓄積されたデータと AI の活用により、より精緻な需要予測や商品開発にもつながる可能性があり、小売業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な一歩となるだろう。
参照元:株式会社共同通信社
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