Claude3・Claude3.5とは?3モデルの違い・有料プランでできること・機能や特徴・GPTとの違いを徹底解説!
最終更新日:2024年11月17日
ChatGPTを筆頭に盛り上がりを見せる生成AI、LLM(大規模言語モデル)ですが、ChatGPTの強力なライバルとして注目を集めているLLMが「Claude」です。
本記事では、このLLMの最新モデルである
ChatGPTとはなにか、機能や使い方事例をこちらの記事で、LLMについてはこちらで詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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目次
Claude3とは?
Claude3は、Anthropic社が開発した最先端のLLM(大規模言語モデル)の生成AIです。Anthropic社とは、OpenAIで働いていた元従業員たちにより立ち上げられた注目のスタートアップで、GoogleやAmazonが出資する実力のある会社です。昨今ではChatGPTとよく比較されます。
関連記事:「生成AIとは何かが5分でわかる!代表的ツールを種類別に徹底解説!仕組み・使い方は?」
Claude3は画像を処理でき、画像中のテキストの読み込みやウェブUIの解析、画像カタログのメタデータ生成など、多岐にわたる画像処理タスクに対応しています。
複雑なオープンエンドの質問に対しても、Claude3 Opusは正確な回答を提供します。Claude 2.1と比較して、正答率が約2倍に向上しており、誤答の頻度も減少しています。
Claude3は英語以外の言語にも対応しており、日本語での文章生成にも定評があります。これにより、翻訳サービスやグローバルなコンテンツ作成に活用できます。ユーザーフレンドリーで、使いやすいUIになっています。
Claude3の3モデルの機能・特徴
Claude3には、異なるニーズに応じたHaiku、Sonnet、Opusという3つのモデルが存在します。
Claude3 Haiku/Claude3.5 Haiku(API)
Haikuは無料で提供されており、最も高速でコンパクトなモデルで、迅速な応答が求められるタスクに最適です。例として、情報密度の高い研究論文を短時間で処理することが可能です。チャットボットやリアルタイムのカスタマーサポートに有効です。
しかし、文章生成能力は他のプランに比べて低く、長文や高度な内容の生成には向いていません。
尚、Claude3.5 HaikuのAPIが2024年11月に提供開始されました。コーディングに優れた性能を有するClaude3.5 Haikuは、Amazon Bedrock、GoogleのVertex AIで利用可能です。
Claude3.5 Sonnet
Sonnetも無料で提供されていますが、Haikuよりも大きなモデルであり、文章生成能力もHaikuより高いです。知能とスピードのバランスが取れており、エンタープライズ向けのワークロードに適しています。このモデルは、高い知能を低コストで提供し、大規模なAI展開に耐えるよう設計されています。
中程度の複雑さのタスクに適しており、より高度な文章生成が求められる場合に有効です。例えば商品説明の作成やブログ記事の初稿作成に役立ちます。さらに、Sonnetはユーザーの文体に合わせたカスタマイズも可能で、より自然な文章生成が期待できます。
また、2024年10月には、Claude3.5 Sonnetの新機能としてパソコンを操作することが可能な機能を発表しています。
Claude3 Opus
Opusは月額20ドルの有料プランでのみ使える、最も大きく高性能なモデルです。長文の生成や複雑なタスクに適しています。最も高い知能を持つモデルで、非常に複雑なタスクに対応できます。
例えば、詳細なレポート作成やマーケティングキャンペーンの計画、技術的なマニュアル作成などに適しています。オープンエンドのプロンプトや新しい状況にも適応しやすく、人間のような理解力と流暢さを持っています。
有料プランと無料プランの違い
Claude3には無料プランと有料プランがあり、それぞれの特徴と適用範囲が異なります。月額約3,148円(20ドル)のコストがかかります。
無料プランにはHaikuとSonnetの2つのモデルが含まれており、有料プランにはOpusモデルが含まれています。
加えて、従来は有料プランは、無料プランと異なり回数制限が全く存在しませんでした。しかし、現在は無料プランほどではありませんが回数制限が存在します。回数はそのときの回線やメモリの状況によって変動します。
また、無料プランはアクセス過多時には接続できない可能性などもあります。
Claude3 OpusとGPT-4oの違い
GPT-4oとClaude 3 Opusは、現在最も高性能なAIモデルの2つです。似たようなサービスに見えますが、Claude3 Opusは以下のような点でGPT-4と異なります。
最新ChatGPTに搭載されているGPT-4o(GPT-4 omni)についてはこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
文章生成能力
Claude 3 Opusは、文章の質が非常に高く、創造性に富んだ文章を生成する能力に優れています。高度なタスクやクリエイティブなコンテンツの作成において、その性能は他のモデルと比較しても際立っています。特に、文体の自然さや一貫性において優れており、マーケティングやコンテンツ制作において強力なツールとなります。
GPT-4oは、非常に優れた文章生成能力を持っていますが、特に創造性や文体の自然さにおいてはClaude 3 Opusに及ばない可能性があります。特に、高度なクリエイティブライティングや複雑な文章の生成において、Claude 3 Opusが優位とされることがあります。
しかし、GPT-4oは、50以上の言語をサポートしており、その中でも非英語圏での性能が非常に優れています。特に、多言語対応の広さと精度は、グローバルなビジネス展開を考える企業にとって大きな利点となります。Claude 3 Opusは、言語対応が英語、日本語、スペイン語、フランス語に限られています。このため、多言語対応の面ではGPT-4oに劣ります。
Claude 3 Opusは創造性に富んだ高品質な文章生成能力が求められるタスクにおいて優れており、特定の言語で高精度なコンテンツを必要とする企業にとって強力なツールとなります。
コーディング能力
Claude3 Opusは、特にコーディングタスクにおいて強力です。GPT-4もコーディングに優れているものの、Claude3はコードの生成やデバッグにおいてより高度な理解力を発揮します。特に長文のコーディングでGPT-4oに勝ると評価されています。また、数学的な問題解決能力も高く、数学競技での性能はGPT-4を上回ります。
コンテキストウィンドウのサイズ
Claude3は、最大200Kトークンのコンテキストウィンドウを持ち、特定のユースケースでは1Mトークンにも対応可能です。一方、GPT-4は最大32Kトークンのコンテキストウィンドウを提供します。これにより、Claude3は長文のドキュメントや大量のデータを効果的に処理する能力が高いと言えます 。
プロンプトの追従性
Claude3 Opusは、ユーザーのプロンプトをより高い精度で理解し、応答する能力があります。非常に高度な知能を持つモデルとして設計されています。これにより、複雑なタスクの自動化や新たなシナリオ生成などが可能になります。
GPT-4も優れたプロンプト追従性を持ちますが、特に複雑な指示に対する応答ではClaude3がわずかに上回ることが多いです。
マルチモーダル
Claude 3 Opusは、テキスト処理に特化した高性能な言語モデルですが、マルチモーダル対応の面では制限があります。画像、音声、動画といった他のモーダルには対応していません。このため、マルチモーダルデータを必要とするタスクには不向きです。
GPT-4oはテキスト、画像、音声、動画といった複数の形式のデータを処理する能力を備えています。また、GPT-4oはリアルタイムの音声対話が可能で、非常に高速な応答時間を誇ります。平均応答時間は320msと高速であり、ユーザーのインタラクションをスムーズに進めることができます。
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Claude3の使い方
Claude3の利用方法は以下の3つの方法があります。それぞれの方法について簡潔に説明します。
公式サイトから利用
Claude3モデルは、Anthropicの公式サイトから直接利用することもできます。この方法は、技術的な設定が少なく、迅速にモデルを試すのに適しています。
Anthropicの公式サイトにアクセスし、利用したいClaude3モデルを選択します。ウェブインターフェースを通じて、テキスト生成のリクエストを直接送信します。
公式サイトを通じて利用することで、迅速にモデルの能力を確認し、実際のユースケースに適用する前に性能を評価できます。
Amazon Bedrockから利用
Amazon BedrockはAWSのサービスで、AnthropicのClaude3モデルを含む強力なAIモデルをAPIで提供しています。これにより、モデルの管理やスケーリングの手間を省きながら、高度な生成AIアプリケーションを構築できます。
AWS Management ConsoleでBedrockサービスにアクセスし、基盤モデルとしてAnthropicモデルへのアクセスをリクエストします。
関連記事:「生成AIのAPIをプラットフォーム別に紹介!各ツールの特徴を徹底解説!」
APIを自社システムで利用
Claude3モデルは、Anthropicが提供するAPIを通じて直接利用することも可能です。これにより、自社のシステムにAI機能をシームレスに統合できます。
Anthropicの公式サイトからAPIキーを取得します。そして、 自社のシステムにAPIを統合し、エンドポイントにリクエストを送信するコードを実装します。
企業でのClaude3のおすすめ活用シーン
最後に、Claude3を使った具体的な活用例について一部ご紹介します。
カスタマーサービス
Claude 3は、優れた理解力を持つチャットボットを実現できます。これにより、顧客の質問に迅速かつ正確に回答し、よくある質問への対応や基本的なサポートタスクの自動化が可能です。これにより、カスタマーサービスの効率を大幅に向上させることができます。
コード生成・Artifacts
Claude 3は、コードの提案、説明、デバッグ支援に優れています。これにより、開発者は効率を向上させ、開発時間を短縮することができます。例えば、新しい機能の実装や既存コードの改善に役立ちます。コーディング作業を支援するだけでなく、コードの最適化やバグの検出を自動で行います。これにより、開発時間の短縮と品質の向上が期待できます。
Claude Artifactsという機能も提供しており、この機能を活用することで、下記の画像のように、プロンプトとテキストによる回答を左側、コード出力を右側と画面を分けて出力することができます。
また、右上のプレビューボタンを押すことで、出力したコードがどのように表示されるのかも一目で確認することが可能です。
このArtifacts機能は、Claude3.5で利用することができます。
翻訳
多言語対応機能を持つClaude 3は、リアルタイムの翻訳サービスを提供し、言語の壁を越えたコミュニケーションを可能にします。これにより、グローバルなコンテンツ作成や多国籍チーム間のコラボレーションが容易になります。
タスク自動化
Claude3 Opusは、複雑なタスクの自動化に非常に優れています。例えば、大規模なデータベースのクエリ作成や管理タスクを自動化します。例えば、定期的なデータのバックアップや特定条件でのデータ抽出を自動的に行うことで、人的ミスを防ぎます。
研究開発
Claude3 Opusは、研究開発分野でもその強力な性能を発揮します。以下はその具体例です。
- 研究レビュー: 大量の科学論文や技術文献を高速で読み込み、要点を抽出してレビューを行います。これにより、研究者は短時間で最新の研究動向を把握できます。
- 仮説生成: データ解析を基に新たな仮説を自動的に生成し、研究の方向性を提案します。これにより、研究者は新たなアプローチを発見しやすくなります。
- 薬剤発見: バイオインフォマティクスのデータを解析し、有望な薬剤候補を特定します。分子構造の解析やシミュレーションを通じて、短期間で新薬の発見を促進します。
データ分析
Claude3 Opusは、ビジネスの戦略策定に必要な高度な分析にも優れています。以下はその具体例です。
- 財務データ分析: 膨大な財務データを解析し、収益予測やコスト削減の提案を行います。例えば、年間の売上データを解析して季節ごとの売上傾向を把握し、適切な財務計画を策定します。
- 市場動向の予測: 市場データを基に将来のトレンドを予測し、新製品の投入タイミングやマーケティング戦略を立案します。競合分析も含めて総合的な戦略を構築できます。
- ビジュアル解析: チャートやグラフの詳細な解析を行い、ビジュアルに訴える形でデータを提供します。これにより、経営陣への報告やプレゼンテーションがより効果的になります。
Claude3についてよくある質問まとめ
- Claude3 Opusができることは?
- 高度なタスク自動化
- 研究開発
- 高度な分析
- 視覚情報の処理
- Claude3 Opusのすごいところは?
- 長文コンテキスト処理
- 卓越した知能
- 高精度な応答
まとめ
Claude3は、その多様な機能と高度な知能により、さまざまな業界や用途での活用が期待されています。特に、Claude3 Opusはその卓越した知能とパフォーマンスにより、複雑な問題解決やクリエイティブなタスクにおいて非常に有効です。
業務をより効率化し、精度の高い成果物を出したい企業は、Claude3の使用も検討してみると良いでしょう。
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