【xAI】Grokとは?実際に使ってみたLLMとしての特徴・料金・活用例を徹底解説!
最終更新日:2025年08月21日

- Grokは社開発の対話型AIで、X(旧Twitter)と連携しリアルタイム情報取得やユーモアのある回答、画像生成が可能
- 複数のモデルが存在し、Grok-2では性能向上と画像生成、Grok-3ではマルチモーダル対応や高度な検索・推論機能(DeepSearch, Think)が追加
- Xアカウントがあれば無料で利用開始でき、有料プラン(X Premium+, SuperGrok)やAPI、スタンドアロンアプリも提供され、情報収集からコンテンツ作成まで多様なタスクに活用できます
2023年11月に、イーロンマスク率いるxAI社がGrokを発表・公開しました。
GrokはX(旧Twitter)アカウントで利用できるLLM(大規模言語モデル)ベースの対話型生成AIで、Xプラットフォームでの情報収集やテキスト・画像生成が可能です。2024年8月にGrok-2のベータ版をリリースし、2025年2月にはDeepSearch機能を持つGrok 3をリリースしました。
この記事では、実際に触ってみて分かったGrokの特徴やChatGPTとの違い、使い方、料金、活用例について解説します。Grokに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
Grokとは?
Grokとは、X(旧Twitter)を運営するイーロン・マスクが率いるxAI社によって開発されたLLMをベースとした対話型生成AIモデルです。Grokは高度な自然言語処理(NLP)能力を備え、ユーザーが求める情報を即座に提供することを始め、画像生成も可能です。
Grokは従来の多くのAIとは異なり、リアルタイムでの情報収集や分析が得意であり、最新の情報に基づいた精度の高い回答を提供します。Xを通じて最新のニュースや話題をリアルタイムで取り込むことができるからです。
GrokはXプラットフォームと統合しており、Xアプリ内から直接アクセスすることができます。あらゆる質問に回答することを目指していて、冗談を交えた回答も可能なことが特徴です。公式サイトでも、「not-so-serious discssions(それほど真剣ではない議論)」とあるように、他の生成AIでは答えられないような質問にも回答することが可能です。
ChatGPTとの違い
GrokとChatGPTでは、情報の鮮度や回答方法に違いがあります。ChatGPTはOpenAIが開発したLLM(大規模言語モデル)GPTシリーズを搭載しており、主に過去のデータに基づいてテキスト生成を行います。
関連記事:「ChatGPTとは?何ができる?ビジネス活用事例・企業担当者向け最新機能・使い方徹底解説!」
一方、GrokはX内のデータを学習元としているため、リアルタイムの情報取得に優れており、最新のニュースや出来事を反映した回答が可能です。尚、GrokはRAGと呼ばれる検索拡張生成技術を用いて、X内の投稿内容を用いた回答を可能にしているようです。
また、Grokはユーザーとの対話において、より人間らしいインタラクションを重視しており、ユーモアを交えた応答が可能です。これは、ChatGPTよりエンターテイメントや日常会話において優れていると言えます。
Grokはイーロン・マスクが率いるxAI社によって開発されており、彼のビジョンや哲学が反映されているのもポイントです。
例えば、Grokでは、質問内容に対して皮肉に満ちた批判的な意見を回答するケースもあります。これは公式サイトでも説明されていて、Grokが単なるアシスタントではないことを示します。
その他、ChatGPTは画像認識を行うことが可能ですが、Grok-2では、画像認識を行うことができない点も大きな違いです。
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Grokのモデルファミリー
Grokモデルファミリーには、以下のようなモデルが含まれます。それぞれのモデルは用途や性能に応じて設計されています。
- Grok-beta(旧Grok-1)
- Grok-1.5:最大12万8000トークンのコンテキストウィンドウ
- Grok-1.5V:マルチモーダル機能が追加され、画像や図表などの視覚情報も処理
- Grok-2:GPT-4 Turboを上回るとされる
- Grok-2 mini:速度を重視したSLM(小規模言語モデル)
- Grok 3:詳細な情報を幅広く収集してレポートするDeepSearch、深い論理的推論を行うThinkを提供するモデル
- Grok 4:推論能力とコスト効率に優れた次世代AGIモデル。HLEやARC-AGIなどの難関ベンチマークで最高スコアを記録
Grok-2/Grok-2 Mini
2024年8月13日に、「Grok-2」と「Grok-2 mini」をリリースしました。330億パラメータを持つプロトタイプ「Grok-0」をベースに開発されたGrokシリーズモデルを使用しています。
330億パラメータという数字は、GPT-3(1,750億パラメータ)やLlama 3(700億パラメータ)と比べると少ないように見えるかもしれません。しかし、Grokは特定のタスクに対して最適な「専門家」モジュールを選択して効率的に処理を行うMixture-of-Expertsアーキテクチャなど、Transformerアーキテクチャの最新の改良版を採用し、より効率的な学習アルゴリズムを採用しています。
「Grok-2」は、学術ベンチマークで他の主要AIモデルを上回る性能を示し、チャットやコーディング、推論において進化を遂げています。また、新たにFLUX.1を利用してXから直接画像を生成する機能が追加されました。リアルタイム情報の統合にも対応することが可能です。
Grok-2 MiniはGrok-2の軽量版です。高速応答と低コストを優先しています。簡易なテキスト生成と軽量タスク向けで、主に低コストオプションとしてAPI経由で使用されます。
Grok 3
2024年11月にリリースされたモデルがGrok 3です。マルチモーダル対応(テキスト、画像処理、データ分析など)で、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude 3.5に匹敵する性能を持つとされます。
2025年2月18日には、高度な推論能力を持つDeepSearch機能を持つGrok 3をリリースしました。性能評価でも他社モデルを上回る性能となっています。
Grok-3 Miniは、Grok-3の軽量版で低リソース環境や高速応答を重視したモデルです。主にAPI経由で提供されています。
関連記事:「Grok 3とは?できること、特徴、GPT-4o・o1・DeepSeekとの違い、料金プラン、活用事例を徹底解説!」
Grok 4
2025年7月に発表された「Grok 4」は、前モデルより10倍の計算資源でトレーニングされ、高度な推論能力を備えています。
学術ベンチマーク「HLE」では38.6%、マルチエージェント版のGrok 4 Heavyでは50.7%の正答率を達成。さらに、AGI性能を測る「ARC-AGI」でもv1で66.6%、v2で15.9%と、他の主要モデルを大きく上回るスコアを記録しています。
最大256,000トークンの長文処理に対応し、Function callingや構造化出力など、多様な業務での実用も可能です。
Grokの特徴
Grokには、他の生成AIにはない特徴を持っています。ここでは、Grokの主な特徴を解説します。
Xからリアルタイムな情報を得られる
Grokでは、リアルタイムで最新の情報を取得することができます。Xというプラットフォームから情報を収集するため、他のAIよりも鮮度が高く、即時性のある回答が可能になります。
例えば急速に変化するニュースや市場の動向についても、Grokであればタイムリーに把握することが可能です。ビジネスや投資などリアルタイム性が求められるシーンにおいて、Grokは頼りになるツールと言えるでしょう。
ユーモアや皮肉を交えた回答が可能
Grokは、ユーザーとの対話においてユーモアを交えた応答が可能です。これは、Grokが単なる情報提供だけでなく、会話の楽しさや親しみやすさを重視して設計されているためです。
例えば日常のちょっとした疑問に対しても、ユーモアのある返答をすることでユーザーとのコミュニケーションをより豊かにします。こうしたユーモラスなやり取りは、Grokを単なるツール以上の存在と感じさせ、特にエンターテイメント性を求めるユーザーにとって大きな魅力となります。
画像生成が可能
Grokは、ChatGPTと同様、画像生成の機能を持ちます。画像生成AIであるFLUX.1が統合されており、高精度な画像を生成することが可能です。
著作権侵害の可能性が高い画像でも生成してしまう
ChatGPTなどでは、著作権を侵害する可能性のある画像は生成することができない仕組みになっていますが、Grokを利用すると生成が可能になってしまいます。下記は、ChatGPTとGrokに同じプロンプトで画像生成を指示した際のアウトプットの違いです。

上記のように、ChatGPTでは、著作権侵害の可能性がある画像を生成できないように回答が出力されます。
一方でGrokは、下記のように生成が行われます。

上記のように、このまま使用することは明らかに著作権に問題のある画像も生成できてしまうことがわかります。
生成AIの出力に関する著作権については、文化庁の資料が参考になりますので、ぜひご参考ください。
DeepSearchモード・Thinkモードを持つ
どちらもGrok-3で利用可能な機能です。有料プラン、またはAPIでのみフルアクセスが可能ですが、単位時間当たりのやり取り回数が制限される形で限定的に無料プランでも使用できます。
DeepSearchモードはWeb検索やX投稿をリアルタイム分析し、詳細な回答を生成してくれます。ただし、DeepSearchはまだ日本語Webデータ依存度が低く、英語ソースに偏りがちな傾向がみられます。
Thinkモードは高度な推論モードで、複雑な質問に対し、論理的かつ段階的に思考プロセスを展開し、正確で詳細な回答を生成します。DeepSearchが情報収集に特化しているのに対し、Thinkは分析と推論に重点を置きます。そのため、DeepSearchより応答速度が遅いことが多いです。
Grokの「DeepSearch」機能の使い方や性能については、こちらの記事でレビューしていますので、ぜひご参考ください。
幅広いタスクに対応できる
Grokは、幅広いタスク処理に優れているという特徴も持っています。ユーザーの質問に答えるだけでなく、画像生成、文章の要約や翻訳、コーディングといったさまざまなタスクに対応することが可能です。
オープンソース化されている
Grok-2はまだオープンソースとして公開されていませんが、Grok-1はApache 2.0ライセンスの下で2024年3月にオープンソース化されており、そのコードが公開されています。これにより、開発者やエンジニアは自由にGrokの機能をカスタマイズしたり、新しい機能を追加したりすることが可能です。
また、オープンソースであることによって、コミュニティの力を活用したAIの進化も期待されていて、Grokも例外ではありません。Xは世界での利用者数が約3億人いるとされていて、巨大なコミュニティとなっています。これだけのユーザーがいれば、Grokの性能向上も期待できるでしょう。
関連記事:「オープンソースLLMを徹底比較!特徴・活用メリット・代表モデルの比較ポイントも解説」
APIを提供
Grok APIが一般公開されており、開発者はGrok-beta、Grok-2、Grok-2 mini、さらにはGrok-3を利用できます。APIはOpenAIやAnthropicのSDKと互換性があり、Python、JavaScript、Goなどで実装可能です。
価格はトークン数に基づく従量課金制です。データ共有にオプトインすると、月150ドルの無料クレジットが提供されます。
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Grokの利用方法
Grokの使い方を説明します。
- Xのアカウントを作成する
- Xアプリ内からGrokにアクセスする
Xのサイドバーに「Grok」の欄が追加され、そこからアクセスできます。
- 質問や指示を入力し、対話を開始する
Grokでの質問には日本語に対応しているため、日本語での回答を得られます。
「Grok-2」「Grok-2 ミニ」の選択や「ユーモアモード」を有効化することができます
Grokの料金
Grokは、Xのアカウントを持っていれば誰でも使うことができます。
Grok-3は2025年2月19日から一時的に「サーバーの限界まで」無料で全ユーザーに開放されました。ただし、DeepSearchやThinkモードなどの高度な機能には制限がある場合があります。有料プラン(X Premium+やSuperGrok)では、これらの機能にフルアクセス可能です。
Xの有料プランの料金体制は以下の通りです。
プラン | ベーシック | プレミアム | プレミアム+ |
---|---|---|---|
料金 | 368円/月 3,916円/年 | 980円/月 10,280円/年 | 6,080円/月 60,040円/年 |
Grokアプリとは?
Grokアプリは、xAIが開発した対話型AI「Grok」を利用するためのスタンドアロンアプリケーションです。iOSおよびAndroid向けに提供されており、Xプラットフォームを介さずにGrokの機能(テキスト生成、画像生成、画像分析、リアルタイム検索など)を直接利用できます。
Grokアプリの特徴
- マルチモーダル対応:テキスト応答に加え、画像生成(Flux.1モデル使用)、画像分析、データ解析が可能
- DeepSearch対応:リアルタイムでWebやXの公開投稿を検索し、最新=最新情報を提供
- Thinkモード:複雑な質問に対し、段階的に推論して高精度な回答を生成(有料プランでフルアクセス)
- 音声対応:日本語音声での対話が可能
Grokアプリの料金プラン
- 無料プラン:基本機能をつかえる。2時間ごとに10プロンプト程度の回数制限
- SuperGrok:全機能(DeepSearch、Thinkモード無制限)、画像生成無制限、優先応答速度、音声モード早期アクセス。月額30ドル
- プレミアム:プロンプト制限緩和、広告50%削減
- プレミアム+:DeepSearchの一部機能、広告なし、高度な機能(ただしSuperGrokほどのフルアクセスはなし)。
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Grokの活用例
Grokの活用例は多岐にわたります。ビジネスの分野では、リアルタイムの市場分析や競合の動向を把握するために利用されています。
例えば、投資家が株式市場の最新情報から意思決定を行う際に、Grokは重要な情報をタイムリーに提供します。
また、カスタマーサポートでは、顧客からの問い合わせに対して迅速かつ的確な回答を返すことが可能です。さらに、Grokで日々のスケジュール管理やタスクの優先順位付けをサポートなど、日常生活においても手助けをしてくれます。
他にも、Grokには以下のような活用方法があります。
- 最新ニュースのチェック
- コラム記事の執筆
- 企画のアイデア提案
- 翻訳
- コーディング
これらの多彩な活用例により、Grokはビジネスや個人の両面で欠かせないツールです。また、Xを利用するユーザーの規模を考慮しても、今以上に拡張された活用が期待できると言えるでしょう。
例えば、オープンソースコミュニティの開発者たちは、Grokの量子化バージョンの開発に取り組んでいます。これが成功すれば、より少ないコンピューティングリソースでGrokを実行できるようになり、幅広いデバイスでの利用が可能になると期待されています。
また、コミュニティ内サードパーティでの開発ですが、GrokにCLI(コマンドラインインターフェース)からアクセスできるGrok CLIもいくつか発表されており、Grokの人気ぶりと可能性を感じさせます。
Grokについてよくある質問まとめ
- GrokとはどのようなAIですか?
Grokは、イーロン・マスク氏が率いるxAI社によって開発された、LLM(大規模言語モデル)を基盤とする対話型生成AIです。X(旧Twitter)プラットフォームと連携しており、リアルタイムの情報を反映した回答ができること、ユーモアや皮肉を交えた個性的な応答スタイルを持つこと、テキストだけでなく画像生成も可能であることなどが主な特徴です。
- Grokはどんな場面で利用するのが向いている?
情報の鮮度や即時性を求める場合、Grokがおすすめです。主に以下のような場面が向いています。
- 最新ニュースのチェック
- カスタマーサービス
- コラム記事の執筆
- 企画のアイデア提案
- 翻訳
- コーディング
- GrokはChatGPTと比べて何が違うのですか?
GrokとChatGPTの主な違いは、情報ソースのリアルタイム性、応答の個性、画像生成に関するポリシーにあります。GrokはXの最新情報にアクセスできるため、情報の鮮度が高い回答が期待できます。
応答スタイルも、ChatGPTが比較的フォーマルなのに対し、Grokはユーモラスで時に挑発的です。また、Grokは著作権的にデリケートな可能性のある画像も生成してしまう傾向が指摘されています。加えて、Grok-3はDeepSearchやThinkといった高度な情報収集・推論機能も備えています。
まとめ:Grokは高精度な対話型生成AI
Grokは人間らしい回答ができるXで利用可能な生成AIで、鮮度の高い応答に優れています。反抗的な態度だったりユーモアを交えたりと、エンターテイメント性に富んだ生成AIです。
現在は英語版のみ、有料プランでしか利用できないといった条件はありますが、オープンソース化、そしてAPI開発の実現を考慮すると

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