Grokとは?Xで利用できるLLMの使い方・料金・特徴・活用例を徹底解説!
最終更新日:2024年10月10日
2023年11月に、イーロンマスク率いるxAI社がGrokを発表・公開しました。GrokはX(旧Twitter)内で利用できるLLM(大規模言語モデル)ベースの対話型生成AIで、Xプラットフォームでの情報収集やテキスト・画像生成が可能です。2024年8月13日には最新モデルであるGrok-2のベータ版をリリースし、より性能が飛躍したモデルとなっています。
生成AIとはなにか、機能や使い方事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Grokは一般的な生成AIとは異なり、人間味のあるユーモアのある回答ができるのが特徴です。より人間らしく、ナチュラルなテキスト生成を可能にします。
この記事では、Grokの特徴やChatGPTとの違い、使い方、料金、活用例について解説します。Grokに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
Grokとは?
Grokとは、X(旧Twitter)を運営するイーロン・マスクが率いるxAI社によって開発されたLLMをベースとした対話型生成AIモデルです。Grokは高度な自然言語処理(NLP)能力を備え、ユーザーが求める情報を即座に提供することを始め、画像生成も可能です。
Grokは従来の多くのAIとは異なり、リアルタイムでの情報収集や分析が得意であり、最新の情報に基づいた精度の高い回答を提供します。Xを通じて最新のニュースや話題をリアルタイムで取り込むことができるからです。
GrokはXプラットフォームと統合しており、Xアプリ内から直接アクセスすることができます。あらゆる質問に回答することを目指していて、冗談を交えた回答も可能なことが特徴です。公式サイトでも、「not-so-serious discssions(それほど真剣ではない議論)」とあるように、他の生成AIでは答えられないような質問にも回答することが可能です。
Grokの最新モデル
xAI社は2024年8月13日に、Grokの最新モデル「Grok-2」と「Grok-2 mini」をリリースしました。330億パラメータを持つプロトタイプ「Grok-0」をベースに開発されたGrokシリーズモデルを使用しています。
- Grok-1
- Grok-1.5:最大12万8000トークンのコンテキストウィンドウ
- Grok-1.5V:マルチモーダル機能が追加され、画像や図表などの視覚情報も処理
- Grok-2:GPT-4 Turboを上回るとされる
- Grok-2 mini:速度を重視したSLM(小規模言語モデル)
330億パラメータという数字は、GPT-3(1,750億パラメータ)やLlama 3(700億パラメータ)と比べると少ないように見えますが、Grokは特定のタスクに対して最適な「専門家」モジュールを選択し、効率的に処理を行うMixture-of-Expertsアーキテクチャなど、Transformerアーキテクチャの最新の改良版を採用し、より効率的な学習アルゴリズムを採用しています。
特に「Grok-2」は、学術ベンチマークで他の主要AIモデルを上回る性能を示し、チャットやコーディング、推論において進化を遂げています。また、新たにFLUX.1を利用してXから直接画像を生成する機能が追加されました。リアルタイム情報の統合にも対応することが可能です。
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xAIが公開しているGrok-2の性能表では下記の図のように、他のモデルを上回っています。
また、「Grok-2 mini」はGrok-2の軽量版として、リアルタイムでの応答が求められる場面での使用に適しています。
関連ニュース記事:xAI、最先端言語モデル「Grok-2」ベータ版をリリース
ChatGPTとの違い
GrokとChatGPTでは、情報の鮮度や回答方法に違いがあります。ChatGPTはOpenAIが開発した大規模言語モデルGPTシリーズを搭載しており、主に過去のデータに基づいてテキスト生成を行います。
関連記事:「ChatGPTとは?何ができる?ビジネス活用事例・企業担当者向け最新機能・使い方徹底解説!」
一方、GrokはX内のデータを学習元としているため、リアルタイムの情報取得に優れており、最新のニュースや出来事を反映した回答が可能です。尚、GrokはRAGと呼ばれる検索拡張生成技術を用いて、X内の投稿内容を用いた回答を可能にしているようです。
また、Grokはユーザーとの対話において、より人間らしいインタラクションを重視しており、ユーモアを交えた応答が可能です。これは、ChatGPTよりエンターテイメントや日常会話において優れていると言えます。Grokはイーロン・マスクが率いるxAI社によって開発されており、彼のビジョンや哲学が反映されているのもポイントです。
例えば、Grokでは、質問内容に対して皮肉に満ちた批判的な意見を回答するケースもあります。これは公式サイトでも説明されていて、Grokが単なるアシスタントではないことを示します。
その他、ChatGPTは画像認識を行うことが可能ですが、Grok-2では、画像認識を行うことができない点も大きな違いです。
Grokの使い方と料金
Grokは、Xのアカウントを持っていれば誰でも使うことができます。ただし、無料では利用できないサービスで、有料の「プレミアム+」プラン、または「プレミアム」プランに加入することで利用できます。当初は「プレミアム+」プラン加入者のみでしたが、その後拡大されました。
Grokの料金体制は以下の通りです。
プラン | ベーシック | プレミアム | プレミアム+ |
---|---|---|---|
料金 | 368円/月(3,916円/年) | 980円/月(12,800円/年) | 1,960円/月(25,600円/年) |
Grokでの質問には日本語に対応しているため、日本語での回答を得られます。
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Grokの5つの特徴
Grokには、他の生成AIにはない特徴を持っています。ここでは、Grokの主な特徴を解説します。
リアルタイムな情報を得られる
Grokでは、リアルタイムで最新の情報を取得することができます。Xというプラットフォームから情報を収集するため、他のAIよりも鮮度が高く、即時性のある回答が可能になります。
例えば急速に変化するニュースや市場の動向についても、Grokであればタイムリーに把握することが可能です。ビジネスや投資などリアルタイム性が求められるシーンにおいて、Grokは頼りになるツールと言えるでしょう。
ユーモアや皮肉を交えた回答が可能
Grokは、ユーザーとの対話においてユーモアを交えた応答が可能です。これは、Grokが単なる情報提供だけでなく、会話の楽しさや親しみやすさを重視して設計されているためです。
例えば日常のちょっとした疑問に対しても、ユーモアのある返答をすることでユーザーとのコミュニケーションをより豊かにします。こうしたユーモラスなやり取りは、Grokを単なるツール以上の存在と感じさせ、特にエンターテイメント性を求めるユーザーにとって大きな魅力となります。
画像生成が可能
Grokは、ChatGPTと同様、画像生成の機能を持ちます。画像生成AIであるFLUX.1が統合されており、高精度な画像を生成することが可能です。
ただし、注意も必要です。ChatGPTなどでは、著作権を侵害する可能性のある画像は生成することができない仕組みになっていますが、Grokを利用すると生成が可能になってしまいます。下記は、ChatGPTとGrokに同じプロンプトで画像生成を指示した際のアウトプットの違いです。
上記のように、ChatGPTでは、著作権侵害の可能性がある画像を生成できないように回答が出力されます。
一方でGrokは、下記のように生成が行われます。
上記のように、このまま使用することは明らかに著作権に問題のある画像も生成できてしまうことがわかります。
生成AIの出力に関する著作権については、文化庁の資料が参考になりますので、ぜひご参考ください。
幅広いタスクに対応できる
Grokは、幅広いタスク処理に優れているという特徴も持っています。ユーザーの質問に答えるだけでなく、画像生成、文章の要約や翻訳、コーディングといったさまざまなタスクに対応することが可能です。
オープンソース化されている
Grok-2はまだオープンソースとして公開されていませんが、Grok-1はApache 2.0ライセンスの下で2024年3月にオープンソース化されており、そのコードが公開されています。これにより、開発者やエンジニアは自由にGrokの機能をカスタマイズしたり、新しい機能を追加したりすることが可能です。
また、オープンソースであることによって、コミュニティの力を活用したAIの進化も期待されていて、Grokも例外ではありません。Xは世界での利用者数が約3億人いるとされていて、巨大なコミュニティとなっています。これだけのユーザーがいれば、Grokの性能向上も期待できるでしょう。
関連記事:「オープンソースLLMを徹底比較!特徴・活用メリット・代表モデルの比較ポイントも解説」
Xプラットフォームでの使用に限定
GrokはXの有料ユーザー向けのサービスとして提供されています。ただし、Grok-2とGrok-2 miniを企業向けAPIを通じて利用可能にする予定が発表されています。
当初は、2024年8月に公開予定とされていましたが、2024年9月15日現在、まだAPIは一部の企業しか活用ができないようです。
Grokの利用方法
Grokの使い方を説明します。
- Xのプレミアムプランに加入する
- Xアプリ内からGrokにアクセスする
Xのサイドバーに「Grok」の欄が追加され、そこからアクセスできます。
- 質問や指示を入力し、対話を開始する
「Grok-2」「Grok-2 ミニ」の選択や「ユーモアモード」を有効化することができます
- 質問や指示を入力し、対話を開始する
Grokの活用例
Grokの活用例は多岐にわたります。ビジネスの分野では、リアルタイムの市場分析や競合の動向を把握するために利用されています。
例えば、投資家が株式市場の最新情報から意思決定を行う際に、Grokは重要な情報をタイムリーに提供します。
また、カスタマーサポートでは、顧客からの問い合わせに対して迅速かつ的確な回答を返すことが可能です。さらに、Grokで日々のスケジュール管理やタスクの優先順位付けをサポートなど、日常生活においても手助けをしてくれます。
他にも、Grokには以下のような活用方法があります。
- 最新ニュースのチェック
- コラム記事の執筆
- 企画のアイデア提案
- 翻訳
- コーディング
これらの多彩な活用例により、Grokはビジネスや個人の両面で欠かせないツールです。また、Xを利用するユーザーの規模を考慮しても、今以上に拡張された活用が期待できると言えるでしょう。
例えば、オープンソースコミュニティの開発者たちは、Grokの量子化バージョンの開発に取り組んでいます。これが成功すれば、より少ないコンピューティングリソースでGrokを実行できるようになり、幅広いデバイスでの利用が可能になると期待されています。
Grokについてよくある質問まとめ
- Grokではどんな回答ができる?
GrokではChatGPTなど他の生成AIが不適切とみなすコンテンツや、質問に対して批判的・反発するような回答も可能です。冗談を交えた回答も生成できるなど、より人間らしい回答ができるようになっています。
- Grokはどんな場面で利用するのが向いている?
情報の鮮度や即時性を求める場合、Grokがおすすめです。主に以下のような場面が向いています。
- 最新ニュースのチェック
- カスタマーサービス
- コラム記事の執筆
- 企画のアイデア提案
- 翻訳
- コーディング
Grokは高精度な対話型生成AI
Grokは人間らしい回答ができるXで利用可能な生成AIで、鮮度の高い応答に優れています。反抗的な態度だったりユーモアを交えたりと、エンターテイメント性に富んだ生成AIです。
現在は英語版のみ、有料プランでしか利用できないといった条件はありますが、オープンソース化、そしてAPI開発の実現を考慮すると
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