Midjourneyとは?特徴・料金プラン・メリット・デメリット・始め方・商用利用を徹底紹介!
最終更新日:2024年10月02日
Midjourneyは、高品質な画像生成能力で注目を集めるAIツールです。本物そっくりなフェイク画像や、生成した絵が美術品評価で高く評価されるなど、その高品質な画像生成力で注目されています。企業のクリエイティブのほかに、マーケティング分野でも活躍が期待されています。
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目次
Midjourney(ミッドジャーニー)とは?
Midjourneyとは、デイビッド・ホルツ(David Holz)氏率いるMidjourney社が開発する高クオリティな画像生成AIツールです。ユーザーが入力したテキスト(プロンプト)をもとに、AIが自動的に画像を生成します。2022年7月に公開されて以来、積極的にアップデートが行われており、2024年9月時点ではV6がリリースされています。
Midjourneyの最大の特徴は、非常にリアリティのある画像を自動生成できる点です。その品質の高さから、ユーザーが無料トライアルに殺到し、2023年には無料版が廃止されました。
現在は有料プランしか選べませんが、商業利用が可能なことから、日本においてもデザイン制作会社を含む多くの企業で活用が検討されています。
以下では、特徴や料金プランについて紹介します。
主な特徴
Midjourneyの主な特徴は以下のとおりです。
- Discordで使用
- 幅広いスタイルに対応
- ギャラリー展示
Midjourneryの機能面における大きな特徴は、専用アプリのインストールが不要で、Discord上で利用できることです。また、生成できるスタイルも幅広く、フォトリアリスティックな画像から絵画調のアート作品まで、幅広いスタイルの画像を作り出せます。
ほかには、Midjourneryに生成された作品は「ギャラリー」と呼ばれる専用のWebサイトで公開され、他のユーザーの生成画像を無料で誰でも閲覧できる点が特徴です。
料金プラン
Midjourneyには年間プランと月額プランが用意されており、それぞれ以下の4種類に分かれています。
プラン名 | 月額料金 | 年額料金 | 特徴 | おすすめな ケース |
---|---|---|---|---|
ベーシック(基本)プラン | 10ドル | 8ドル/月 | 月200枚の画像生成が可能 | 生成画像を簡単に活用したい方向け |
スタンダード | 30ドル | 24ドル/月 |
| 個人利用のデザイナー向け |
プロプラン | 60ドル | 48ドル/月 |
| 一般的な企業向け |
メガプラン | 120ドル | 96ドル/月 |
| 大規模なデザイン制作会社向け |
企業が本格的に利用する場合は、他者に生成画像を見られないステルス画像生成機能に対応している「プロプランやメガプラン」が適しています。
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Midjourneyの始め方
ここでは、Midjourneyの利用を開始するための手順を詳しく説明します。Midjourneyは、Discordとサブスクリプションの準備さえできれば、簡単にアカウントを登録できるため、最短でその日のうちに使い始められます。
Discordアカウントを作成する【事前準備】
Midjourneyは、Discord上で動作するため、まずはDiscordアカウントが必要です。そのため、アカウントがない場合には、Discord公式サイトにアクセスし、アカウントを作成しましょう。
アカウントを作成したら、Discordアプリをインストールし、ログインしておきます。
Midjourneyの公式サイトからサブスクプランに加入
次に、Midjourneyで画像生成を始めるために、公式サイトからサブスクプランに加入します。手順は以下のとおりです。
- Midjourney公式サイトにアクセス
- 認証済みのDiscordアカウントでログイン(前工程でログイン済みなら不要)
- 利用目的に合ったサブスクプラン(基本プラン・スタンダードプラン・プロプラン・メガプラン)を選択し、加入手続きを行う
なお、少し前までは無料プランでの利用が可能でしたが、現時点ではサブスクプランの加入が必須なため注意しましょう。
DiscordのMidjourneyサーバーに参加する
サブスクプランに加入したら、その日から利用を開始できます。Midjourneyの招待リンクからDiscordサーバーに参加し、チャット画面が表示されたら登録完了です。
チャンネルに参加する
Midjourneyでは、初めて利用する方向けのチャンネル「newbie-#」など、さまざまなチャンネルが用意されています。特に、画像生成AIが初めての場合には、まずは「newbie-#」内で基本的な操作を習得するのがおすすめです。
チャンネルに参加することで、全世界のユーザーと画像生成について意見交換ができるため、気になるチャンネルがあれば参加するとよいでしょう。
なお、プライバシーを重視するなら、自社専用のオリジナルサーバーを作成し、社内だけで利用するのも一つの活用方法です。
/imagineコマンドを使って画像を生成する
チャンネルに参加したら、チャットの入力欄へ画像生成プロンプトを入力します。Midjourneyで画像を生成する際には、「/imagine」コマンドを使用する必要があります。
Midjourneyでの画像生成手順は、以下のとおりです。
- Discordのメッセージフィールドに「/imagine」と入力し、その後「prompt」の後に生成したい画像のプロンプトを入力 (例:/imagine prompt: futuristic city skyline at sunset)
- プロンプトを送信すると、Midjourney Botがリクエストを処理し、約1分以内に4つの画像が生成される
また、Midjourneyでは絵文字もプロンプトとして利用でき、楽しく直感的に画像生成が可能です。
生成済みの画像を調整する
Midjourneyでは、生成された画像に対して作風や大きさなどの柔軟な調整が可能です。主な調整機能は以下のとおりです。
- バリエーション機能:元画像に対して構成・要素の数・色などが異なる画像を生成
- ズームアウト機能:元の画像の内容を保ちながら、キャンバスの境界を拡張
また、Midjourneyでは「–aspect」「–chaos」などの独自パラメータを利用して、アスペクト比や画像のスタイルを細かく調整できます。
生成画像を保存
最後に生成された画像を以下の手順で保存します。
- 保存したい画像をクリックしてフルサイズで表示
- 右クリックして「Save image」を選択し、保存
Midjourneyの最新動向をチェック!
ここでは、Midjourneyの最新動向を紹介します。近年では、Midjourneyの機能性に関するアップデートと著作権に関して動きがありました。効率良く・安全に活用するうえで、それぞれチェックしておきましょう。
新しいウェブエディタの提供
近年Midjourneyでは、複雑なユーザーインターフェースを改善するアップデートが行われています。そのアップデートの一環として、2024年8月16日に新しいウェブエディタが公開されました。
このウェブエディタは、従来個別に提供されていたズームやリフレームなどの画像操作機能を一つのインターフェースに統合しており、より直感的で効率的な画像編集を可能にしています。
今回発表されたウェブエディタの機能特徴は、以下のとおりです。
- インペインティング・アウトペインティング・プロンプト編集などの機能を統合
- より精密な画像編集が可能な新しいブラシツールを導入
- 一部のウェブルームとDiscordチャンネル間でメッセージを同期する機能追加
なお、このエディタを利用するには、最低10枚の画像を生成する必要があります。
アーティストとの著作権問題
2023年1月に、Midjourney(と)は複数のアーティストから著作権侵害に関する訴訟を提起されました。AI技術が何百万もの著作権で保護されたアートを無断でリミックスし、新しい画像を生成しコラージュすることが論点として挙げられています。2023年11月には、さらに7名の新たな原告が加わり、訴訟が拡大しました。
同じ原告団はGitHub Copilot、ChatGPT、Stable Diffusionに関しても同様の訴訟を提起しています。これは生成画像AIツールの活用に関わる重要な課題であり、商用利用やクリエイティブ産業において慎重な法的判断が求められています。
Midjourneyの3つのメリット
Midjourneyは、企業やクリエイターがAIを利用して迅速かつ効率的にビジュアルコンテンツを生成できる強力なツールです。
以下では、「DALL・E3」や「Stable Diffusion」などの他の人気画像生成AIツールと比較しながら、Midjourneyのメリットを詳しく解説します。
写真のようなリアルな画像を生成する能力
Midjourneyでは繊細なディテールを表現でき、非常にリアルな画像を出力することが可能です。一方、DALL・E3など他のAI画像生成ツールでは、画像のツヤ感や光の反射の仕方にAIっぽさが残り、リアルな画像、特に3D画像の生成は難しいとされています。
特に製品デザインで求められるフォトリアリスティックな画像でも、Midjourneyはそのニーズに応え、まるで写真素材のようなクオリティの高い画像を提供できます。
Midjourneyを活用すれば、広告宣伝やWebコンテンツ以外にも、製品カタログに使用できる高品質な画像を生成でき、制作コストの大幅な節約が可能となります。
他のユーザーの生成画像を見れる
Midjourneyのユニークな点の1つは、他のユーザーが生成した画像を簡単に閲覧できるギャラリー機能があることです。これにより、他のユーザーがどのようなプロンプトを使用して画像を生成しているのかを確認でき、インスピレーションを得られます。
また、Discord上で公開されているチャンネルに参加することで、他のユーザーの生成過程をリアルタイムで見ることが可能です。そのため、他のユーザーの使い方やプロンプトの調整方法を参考にでき、画像生成ノウハウを蓄積できます。
プロンプトをブラッシュアップしやすい
ギャラリーの各画像ではプロンプト(指示文)が公開されており、閲覧できるだけではなく、コピーして使用できます。そのためプロンプトの作成に慣れていない初心者でも、他のユーザーの成功したプロンプトを参考にすることで、簡単に高品質な画像を生成することが可能です。
そのため画像生成AIを本格的に活用したい場合に、まずMidjourneyを通じてプロンプトの知見を深めることで、スムーズに活用を進められます。
関連記事:「生成AIはプロンプトで激変?画像生成方法を代表的ツール別に解説!」
Midjourneyを活用する際の注意点
Midjourneyは多くのメリットを持つ一方で、いくつかの注意点、デメリットも存在します。以下では、Midjourneyの主なデメリットについて詳しく解説します。
複雑なプロンプトへの理解度の甘さ
Midjourneyは、シンプルなプロンプトでも高品質な画像生成ができる一方で、複雑なプロンプトへの理解度が低く、期待する画像を得られないことがあります。
よりイメージに近づけるためには、細かくプロンプトを調整する必要がありますが、Midjourneyでは十分に反映されないことがあるため、プロンプト内容の工夫が必要です。
そのため、プロンプトのノウハウ、スキルが乏しい場合には、生成画像をWebコンテンツや広告媒体などへ活用できるまでに時間がかかります。
ユーザーインターフェースが複雑
Midjourneyは基本的にDiscordを使うため、Discordに慣れていなければ、他のツールに比べてユーザーインターフェース(UI)が複雑と感じる方も多いでしょう。Midjourneyを使いこなすには、まずDiscord特有の操作やコマンド入力に慣れる必要があり、学習コストがかかります。
プロンプトの入力・出力画面のみ表示されるシンプルで分かりやすいUIのDALL・E3と比べると、慣れるまでに時間がかかります。
日本語で生成できない
近年日本においても生成画像のニーズが高まっていることから、DALL・E3など画像生成AIツールの中には日本語に対応しているツールも増えてきています。
一方、Midjourneyは、現在英語のプロンプトしか対応していません。そのためMidjourneyへプロンプトを入力する際には英語に変換しなければならず、色や表情など微細なディテールを日本語で表現したい場合には、正確に指示ができない場合もあります。
無料で利用できない
DALL・E3など画像生成AIツールの中には、企業アカウントでも無料で利用できるツールもあります。
一方、Midjourneyは当初制限付きで無料プランが提供されていましたが、ユーザー数の急増やサーバーへの負荷、生成された画像の悪用などの理由から、2023年3月28日に無料プランが廃止されました。
新規ユーザーがMidjourneryを利用するには、サブスクプランに加入しなければならないため、使い勝手を確かめるためのお試し利用ができません。そのため予算が限られる中小企業においては、特に導入障壁となるでしょう。
生成できないジャンルがある
Midjourneyは、過去の悪質な利用から、特定のジャンルの画像生成が制限されています。
- アダルトコンテンツ
- 暴力的・残酷な描写
- 政治に関連する画像
上記の用途やシナリオで画像生成を行う場合には、プロンプトが自動的にブロックされることがあります。政治に絡む風刺画像など、特定のジャンルでは利用できないことを押さえておきましょう。
個人情報や企業情報はアップロードできない
Midjourneryでは多数のクリエイターが同じチャットルームで画像を生成するため、ユーザーのプライバシー保護に関する規定が他の画像生成AIツールと比べて厳しく制限されています。プライバシー保護の制限の一つとして、Midjourneyでは個人情報や企業情報のアップロードが禁止されている点に注意しましょう。
自社の製品・サービスに関する画像をもとに生成できないため、資料作成や広告宣伝に活用するうえで制約になる場合があります。
Midjourneyの商用利用について
結論からお伝えすると、Midjourneyを利用して生成された画像は商用利用が可能です。ただし、商用利用に関する特定の規定や条件が設定されているため、ルールの範囲内で適切に運用することが重要です。以下では、Midjourneyの商用利用における主なポイントを解説します。
基本的には適用法に従えば問題ない
日本の企業がMidjourneryを利用する際は、適用法に従えば基本的に問題ありません。現時点での生成画像に関する文化庁の指針は以下のとおりです。
- 著作権侵害に関する指針:生成AIの作品は、既存の著作物との「類似性と依拠性」の両方が認められる際に著作権侵害となる
- 著作権の対象に関する指針:AIが自律的に生成したものは 「思想又は感情を創作的に表現 したもの」ではないため、著作物に該当しない
関連記事:「生成AI(LLM・画像生成)の著作権に関する最新情報まとめ!侵害になるケース・事例・注意点を徹底解説!」
Midjourneryをはじめ生成AIは近年急速に発展を遂げている技術であるため、現在進行形で日本の法律もアップデートされています。そのためMidjourneryを活用する際には、必要に応じて適用法を確認することが大切です。
年間収入が100万米ドルを超える企業はプロ・メガプランの加入が必須
企業がMidjourneyを商用利用する際には、収入規定に従う必要があります。年間収入が100万米ドルを超える企業がMidjourneyを商用目的で利用する場合、プロプランもしくはメガプランに加入することが義務付けられています。
なお、プロプランとメガプランでは高速生成の持続時間に違いがあり、まずはプロプランを利用し、より多くのクリエイティブ制作をスムーズにしたい場合にメガプランへプランアップすることをおすすめします。
既存画像を利用して生成する場合の著作権は元の作成者にある
他人の画像を利用して生成した画像の著作権は、元の作成者に帰属します。そのため、他のクリエイターや企業に使用権が存在する画像をもとに生成する場合には、元の画像の著作権者から許諾を得る必要があります。
Midjourneyで生成された画像の自由度が高い反面、元の著作権を侵害しないよう、商用利用時には特に慎重に対応しましょう。
Midjourneyについてよくある質問まとめ
- Midjourneyは無料で利用できますか?
Midjourneyは、かつて無料プランを提供していましたが、2023年3月28日に無料版が廃止されました。
現在は、サブスクプランに加入することで利用可能です。基本プランからプロプランまで、企業や個人のニーズに応じたさまざまなプランが用意されています。
- Midjourneyは商用利用は可能ですか?
はい、Midjourneyは商用利用が可能です。ただし、年間収入が100万米ドルを超える企業は、プロプランまたはメガプランへの加入が必須です。
また、商用利用時には、生成された画像に関する利用規約や著作権に注意する必要があります。
- MidjourneyとDALL-E 3の違いは何ですか?
Midjourneyは写真のようなリアルな画像、特に3D画像の生成に優れており、商用利用の自由度が高いのが特徴です。一方、DALL-E 3は日本語のプロンプトに対応し、より複雑な指示にも対応可能です。また、DALL-E 3には無料プランがあるのに対し、Midjourneyは有料プランのみとなっています。用途や予算に応じて選択することをおすすめします。
まとめ
またMidjourneyは、商用利用の自由度が高く、写真のようなリアルな3D画像を生成できることから、多くの企業で注目を集めています。Midjourneyを導入し、クリエイティブ活動を効率化や省力化につなげ、事業拡大へ役立てましょう。
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