Anthropic APIとは?使えるClaudeのモデル・料金・実際の画面説明で分かる始め方を徹底解説!
最終更新日:2025年07月23日

- Anthropic APIは、ClaudeファミリーのAIモデルを活用できる公式インターフェース
- 用途に応じてOpus・Sonnet・Haikuなど複数モデルから選択でき、最大200Kトークンの長文処理や画像入力も可能
- カスタマーサポート自動化、法務要約、コンテンツモデレーションなど実用性の高い活用例が豊富
- REST API形式で提供され、Difyや自社システムへの組み込みも容易で、MCPを通じた高度なツール連携も可能
Claudeを開発しているAnthropicが提供するAnthropic APIは、最先端の大規模言語モデルClaudeファミリーを活用できる強力な開発者向けインターフェースです。
この記事では、Anthropic APIの概要から提供モデル、料金体系、特徴やできること、実際の画面キャプチャーとともに説明する使い方、そして活用事例までを徹底解説します。
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目次
Anthropic APIとは?
Anthropic APIは、Anthropic社が提供する公式のAIモデルインターフェースです。ブラウザ上のコンソールや各種SDKを通じて、Claudeシリーズの言語モデルを活用することができます。
Anthropic APIでは、APIキーを用いて認証を行い、JSON形式でリクエスト・レスポンスをやり取りします。この機能により、自然言語処理(テキスト生成、要約、翻訳)、画像解析、コード実行、外部ツール統合などの機能を手軽に自社のアプリケーションやサービスで実装できます。
Anthropic APIの提供モデル・料金
Anthropic APIでは、Claudeファミリーの複数モデルが利用可能です。モデルには高性能なClaude Opus 4や高速処理に特化した安価なClaude Haiku 3.5など様々なモデルが含まれており、用途やコストに応じて選択できます。
以下の表は、各モデルの説明と料金(100万トークンあたり)を示したものです。
モデル名 | 料金(入力/出力) | 説明 |
---|---|---|
Claude Opus 4 | $15 / $75 | 最上位モデル 複雑な推論や高度なコーディングに対応し、200Kトークンの長文処理と画像入力にも対応 |
Claude Sonnet 4 | $3 / $15 | 高性能かつ効率的なモデル 長文やマルチモーダル処理に優れた性能を持ち、Opusよりも軽量で高速 |
Claude Sonnet 3.7 | $3 / $15 | Claude 3シリーズの中で汎用性の高い高性能モデル 高度な推論と拡張思考に対応 |
Claude Sonnet 3.5 | $3 / $15 | 高水準な知性と効率性を兼ね備え、処理速度と精度のバランスに優れる |
Claude Haiku 3.5 | $0.80 / $4 | 高速なモデルで、即時応答やコスト効率重視の用途に適しており、200Kトークンに対応 |
Claude Opus 3 | $15 / $75 | Claude 3世代の高性能モデル 複雑なタスクや多言語対応に強みを持つ |
Claude Haiku 3 | $0.25 / $1.25 | 高速なレスポンスを特徴とするコンパクトモデル リアルタイム処理や低レイテンシ用途に最適 |
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Anthropic APIの特徴
以下では、Anthropic APIの特徴をご紹介します。
高度なAIモデルを用途に応じて選択可能
Anthropic APIでは、パフォーマンスとコストのバランスを考慮した複数のClaudeモデルを提供しています。
最も高性能な「Opus」、処理効率に優れた「Sonnet」、高速応答が特長の「Haiku」といったモデル群からタスクの難易度や目的に応じて柔軟に選択できます。
これにより、コストも考慮に入れながら、日常的な自動化から複雑な技術課題の解決まで幅広いユースケースに対応可能です。
エンタープライズ向けの信頼性とセキュリティ
Anthoropic APIは、企業が安心して利用できるように設計されています。APIはSOC 2 Type II認証を取得しており、HIPAA準拠のオプションも利用可能です。
また、プロンプトや出力を常時監視することで、有害利用や不正アクセスに対する耐性が強化されています。安全機能や使用制限を回避、無効化、あるいは妨害するためのプロンプト設計手法(脱獄、Jailbreak)への抵抗性も備えています。
こうした設計により、Claudeは、Zoominfo、Slack、Quora、Asana、Jasperなど数多くの企業に採用されています。
高精度なテキスト生成とマルチモーダル処理
Anthropic APIは、ブランドトーンに沿ったコピーライティングやチャットボット構築、文章の要約・分類・翻訳など、汎用的な自然言語処理(NLP)タスクを高精度かつ柔軟に実行できます。
さらに、Claudeの一部モデルはマルチモーダル入力に対応しており、テキストと画像を同時に処理可能です。これにより、グラフや図表からのインサイト抽出や、画像内容の言語化など視覚情報と言語の統合的な理解・活用が可能となります。
柔軟でシンプルな料金体系と自動スケーリング
Anthropic APIは従量課金制を採用しており、使った分だけ料金が発生するシンプルな構造です。さらに、利用状況に応じてレート制限が自動で拡張されるため、個人開発から大規模商用利用までスムーズにスケールアップ可能です。
ニーズに応じて、カスタムレートや月次請求にも対応しています。
セルフサービスでスピーディに導入可能
Anthoropic APIは、開発者がすぐに利用を開始できるように設計されています。専用の「Workbench」では、プロンプトの作成・テスト・改善がブラウザ上で完結し、APIキーの発行やSDKの導入も簡単に行えます。
導入にあたって複雑な手順は不要で、ドキュメントも整備されています。
外部アプリや自社サービスへの組み込みに対応
Claude APIは、Difyをはじめとするチャットボット開発ツールや、社内ポータル、業務システムなどの自社サービスに柔軟に組み込むことができます。
REST API形式で提供されており、PythonやJavaScriptなどの主要な言語から容易に接続可能です。
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Anthropic APIのできること
以下では、Anthropic APIでできることを説明します。
アイデアを即座に試す「Workbench」
「このタスクをAIに任せたらどうなるだろう?」というアイデアが浮かんだ時、すぐに試せる環境が「Workbench」です。
Webブラウザ上で直接プロンプトを入力し、リアルタイムでAIの応答をテストできます。複雑な設定は不要で、誰でも直感的にAIとの対話を始められます。
同じプロンプトを「Opus(最高性能)」「Sonnet(バランス)」「Haiku(最速)」といった異なるモデルで実行し、性能、応答速度、コストのトレードオフを簡単に比較検討できます。これにより、用途に最適なモデルを迅速に見つけ出すことが可能です。
Workbenchは、本格的なコーディングに入る前の「プロトタイピング」と「PoC(概念実証)」を高速で回すための、強力な実験場です。
開発と運用の司令塔「開発者コンソール」
AIアプリケーションの開発と運用が本格化すると、APIキーの管理やコストの把握が重要になります。そのすべてを一元管理できるのが「開発者コンソール」です。
プロジェクトや環境(開発、ステージング、本番)ごとにAPIキーを発行・管理できます。これにより、セキュアなアクセス制御を実現します。
また、モデルごとのAPIコール数やトークン消費量をリアルタイムでモニタリングできます。コストを正確に把握し、予期せぬ予算超過を防ぐための必須機能です。
開発者コンソールは、AI活用を個人の試みから組織的な取り組みへとスケールさせるための司令塔の役割を果たします。
シームレスな実装を可能にする「APIインターフェース」
Workbenchで検証したアイデアを実際のアプリケーションに組み込むための、強力なインターフェースとツールが用意されています。
「Messages API」は、以下のような役割(role)を明確に分けることで、複雑な対話の文脈管理を容易にします。
- system(AIへの事前指示)
- user(ユーザーからの入力)
- assistant(AIからの応答)
これにより、チャットボットや対話型分析ツールなど、より高度なアプリケーションを構造的に構築できます。
迅速な開発を支援する「多言語SDK」
PythonやTypeScript/JavaScriptといった主要なプログラミング言語向けのSDK(Software Development Kit)が公式に提供されています。これらのSDKを利用することで、開発者は複雑なAPIリクエストの処理を数行のコードで記述でき、アプリケーションのコアロジック開発に集中できます。
MCP(Model Context Protocol)を活用した外部データ連携
MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルに対して標準化された方法で外部データやツールの情報を提供するためのプロトコルです。USB-Cポートのように、あらゆるアプリケーションやデータソースとの接続を統一されたインターフェースで実現します。
Anthropic APIでは、MCPを通じてClaudeと外部システム(例:Google Drive、Figma、Slackなど)を連携させることが可能です。これにより、Claudeが社内ドキュメントやタスク管理ツールから直接情報を取得し、より高度な応答やアクションの実行ができるようになります。
MCPコネクタはMessages APIに組み込まれており、サーバーとの接続も簡単に構成できます。
Claude Codeによる開発支援と自動化
Claude Codeは、開発者がターミナル上で直接AIを活用できるエージェント型コーディング支援ツールです。APIと組み合わせて使用することで、自然言語によるコーディング、バグ修正、ドキュメントの理解、リント対応、CI/CD上での翻訳作業などを自動化できます。
具体的には、以下のような処理が可能です。
- 機能要件を英語で伝えるだけで、Claudeが設計・実装・テストまで一括で対応
- エラーやバグの内容を自然言語で入力するだけで、該当箇所を特定し修正
- 複数ファイルにまたがる大規模コードベースのナビゲーションや検索
- MCPを通じた社内ツールとの統合(例:Jiraチケットの自動更新、Googleドキュメントの取得)
Claude CodeはAPI連携によって、CLIからファイルの編集、コマンド実行まで可能なAIアシスタントとして機能します。
Anthropic APIの使い方
Anthropic APIの使い方を順に説明していきます。
ステップ1:APIキーの取得
Anthropic Consoleにアクセスし、アカウントがない場合はアカウントを作成します。ログインができたら、ダッシュボードの「Get API Key」からAPIを取得する手続きに進みます。
支払い用のクレジットカードの設定などが終わり、上の画像のような画面で「Create API Key」をクリックするとAPIキーを作成することができます。作成されたAPIキーは再表示することができないので、メモを取りましょう。
ステップ2:SDKをインストールする
以下では、PythonでAPIを使用する手順を説明します。TypeScriptやJava用のSDKも提供されているため、そちらを活用したい場合は公式のドキュメントをご参照ください。
以下のコマンドで、Python用のSDKをインストールすることができます。なお、インストール前に仮想環境を作成し、アクティブにしておくことを推奨します。
pip install anthropic
ステップ3:使用する
実行用のファイルを作成し、以下のコードを貼り付けます。さらに、3行目の「your-api-key」の部分に先ほど発行したAPIキーを貼り付けることでAPIキーを設定します。なお、今回は「Claude Haiku 3.5」というモデルを使用しています。
import anthropic
text = input("プロンプトを入力してください\n")
client = anthropic.Anthropic(api_key="your-api-key")
message = client.messages.create(
model="claude-3-5-haiku-20241022",
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": text}]
)
print(message.content)
このファイルを実行すると、「プロンプトを入力してください」というメッセージがでるので、Claudeに対するメッセージを入力します。
試しに、「こんにちは」と入力すると以下のような回答が得られました。
Anthropic APIの活用例
下記は、Anthropicがサンプルコードとともに紹介している活用例です。
カスタマーサポートの自動化
Claudeを活用することで、問い合わせ内容に応じた分類やチケットの振り分け(ルーティング)を自動化できます。また、対話文脈を保持しながら自然な応答ができるカスタマーサポートチャットボットの構築も可能です。サポート業務の品質向上と対応コストの削減を同時に実現できます。
コンテンツモデレーション
ユーザー生成コンテンツ(UGC)やSNS投稿、レビューなどを対象に、Claudeによる自動フィルタリング・違反検出を行うことができます。テキストの安全性や適切性を判断し、不適切な投稿を事前にブロックまたはフラグ付けする運用が可能です。
法律文書の要約と情報抽出
契約書や判例などの長文の法律文書から、重要な条項や要点をClaudeが自動で抽出・要約します。これにより、リサーチや確認作業にかかる時間を大幅に短縮でき、法務部門の業務効率化に貢献します。
その他の応用
上記以外にも、ドキュメント検索やFAQ生成、RAG構成による業務知識の検索応答、外部ツールとの連携によるワークフロー自動化など、多様な業務に組み込むことが可能です。Claudeは単なるテキスト生成を超えて、業務を支援する実用的なAIとしての活用が広がっています。
Anthropic APIに関するよくある質問まとめ
- Anthropic APIとは何ですか?
Anthropic APIは、AI企業Anthropicが提供する公式APIで、Claudeファミリーの大規模言語モデルを利用してテキスト生成、画像解析、コード支援、外部ツール連携などの高度な処理を実行できます。
- 料金体系はどうなっていますか?
料金は従量課金制で、100万トークンあたりの単価がモデルごとに異なります。
例えば、高性能なモデルであるClaude Opus 4は入力$15、出力$75、高速で安価なClaude Haiku 3.5は入力$0.80、出力$4となっています。
- 画像も扱えますか?
はい。一部モデル(例:Claude Opus 4)はマルチモーダル対応で、画像とテキストを同時に入力し、視覚情報の理解や説明が可能です。
まとめ
Anthropic APIは、Claudeファミリーの最先端AIモデルを活用できる強力なインターフェースです。
高性能なモデル群、明確な料金体系、柔軟なSDK対応により、自然言語処理を中心としたさまざまなタスクに幅広く活用できます。
開発者向けのドキュメントやコンソールも充実しており、AIアプリケーション開発を効率的に進めるための有力な選択肢の一つです。
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