NTT ドコモと広島県神石高原町がAIを用いた「高血圧重症化予防プログラム」を実施
最終更新日:2024年09月03日
NTTドコモと広島県神石高原町は2024年9月2日から、AIを活用した「高血圧重症化予防プログラム」を開始すると2024年8月に発表した。
このプログラムは、スマートフォンなどから収集した生活情報を基に血圧上昇リスクの高い生活習慣を推定するAIを使用し、日本初の成果連動型委託契約(PFS)を活用した事業となる。神石高原町の住民を対象に、健康維持、健康寿命の延伸、医療費の適正化を目指す。
「健康マイレージ」アプリを通じた生活習慣改善の促進や、管理栄養士による食事管理指導など、総合的なアプローチで高血圧対策に取り組む。
<本ニュースの10秒要約>
- NTTドコモと広島県神石高原町が連携し、AIを活用した高血圧重症化予防プログラムを2024年9月から開始
- スマートフォンやウェアラブル端末から収集した生活情報を基に、AIが血圧上昇リスクの高い生活習慣を推定
- 日本初の成果連動型委託契約を活用し、プログラムの継続率や血圧リスクの低減などを成果指標として設定
プログラムの目的と特徴
本プログラムの主な目的は、高血圧重症化予防による町民の健康維持、健康寿命の延伸、医療費の適正化だ。神石高原町は高血圧リスク保有者が他地域より多く、特定保健指導の実施率が課題となっていた。
そこで、AIを活用した新たなアプローチを導入することで、これらの課題解決を目指す。プログラムの特徴は、「血圧上昇習慣推定AI」を活用している点だ。このAIは、スマートフォンやウェアラブル端末から収集した歩数、スマホ利用時間、位置情報などの生活情報を分析し、今後の血圧上昇リスクを推定する。
推定結果は「健康マイレージ」アプリを通じて住民にフィードバックされ、日々の健康管理と生活習慣改善を促進する。さらに、過去のレセプトデータや健康診断結果から血圧改善事例を分析し、地域に適した改善策を提供する。
プログラムの実施方法と参加促進策
プログラムの実施にあたっては、NTTドコモが提供する「健康マイレージ」アプリを活用する。参加者は普段使用しているスマートウォッチ等のウェアラブル端末またはスマートフォンから生活情報を収集し、同意の上でAIによる分析に提供する。
参加者の積極的な生活習慣改善を促すため、管理栄養士による対話型の食事管理指導を行うほか、プログラム参加によるポイント付与などのインセンティブも用意されている。また、プログラムへの参加を促進するため、健診会場や企業向けウェビナーを通じた参加勧奨も実施する。これらの総合的なアプローチにより、住民の健康意識向上と継続的な生活習慣改善を目指す。
成果連動型委託契約(PFS)の活用と役割分担
本プログラムの特筆すべき点は、成果連動型委託契約(PFS)を活用していることだ。成果指標として「プログラム介入6か月間の継続者数維持」「プログラム参加者の平均歩数増加」「血圧リスクの低減」が設定されており、これらの達成度に応じて委託費用が決定される。
役割分担としては、NTTドコモが事業全般のサービス構成検討、健康マイレージサービスの提供、AIの提供と評価、ウェビナー集客対応、管理栄養士による指導、インセンティブの提供などを担当する。
一方、神石高原町は国保データベース等のデータ提供、保健事業や疾病予防事業に関する専門的見識の提供、事業成果の評価を担当する。両者の強みを生かした連携により、効果的なプログラム運営を目指す。
AI Market の見解
本プログラムは、AIとヘルスケアの融合による公衆衛生アプローチとして注目に値する。特に、日常的な生活情報からAIが血圧上昇リスクを推定する技術は、予防医療の可能性を示している。
また、成果連動型委託契約の導入は、AIを活用した健康増進プログラムの効果検証と普及に向けた重要な一歩と言える。この事例が成功すれば、他の自治体や企業による同様のプログラム導入が加速する可能性がある。AIを活用した予防医療の実証例として、本プログラムの成果は今後のデジタルヘルス市場の方向性に大きな影響を与えるだろう。
参照元:NTTニュースリリース
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