アスクル、物流センター/補充倉庫間の商品横持ち計画にAI需要予測モデルを導入して工数を削減
最終更新日:2023年12月01日
アスクル株式会社は、2023年11月29日、物流センター/補充倉庫間の商品横持ち計画にAI需要予測モデルを導入したと発表した。
アスクルは、事務用品を中心として通信販売事業を展開する企業だ。同社が今回導入したAI需要予測モデルは、商品横持ち(社内拠点間の商品移送)について「いつ・どこからどこへ・何を・いくつ運ぶべきか」をAIが指示するものであり、全国の物流拠点にて予測精度の向上および指示作成工数の削減を実現している。
<本ニュースの10秒要約>
- 商品横持ちの「いつ・どこからどこへ・何を・いくつ運ぶべきか」をAIが指示
- 手作業をAIに置き換え、指示作成/入出荷/フォークリフトの作業工数を削減
- 東日本の一部から、他の物流拠点へも展開へ。物流基盤のさらなる進化を図る
商品横持ち作成/指示における属人性を解消へ
アスクルは、1993年に「1本の鉛筆を明日届ける。」というモットーに掲げてオフィス用品の通販事業を開始。30年を経た2023年時点ではあらゆるオフィス/生活の必需品/サービスを届けるまでに成長した。現在も、メーカー・サプライヤーや配送キャリア、エージェントやコールセンターパートナーといった企業と協力し、商品/サービスのスムーズな配送に取り組み続けている。
同社は、物流センターの出荷能力や間口を最大限活用できるよう、センター近郊に立地する補充倉庫にて余剰在庫の保管を行っている。物流センターと補充倉庫の間における商品横持ちについては、両施設の担当者が経験/知見をもとに計画を作成し、指示を行ってきた。この属人的な商品横持ち作成/指示が、予測精度のバラつきを生んでいると同社は判断。補充倉庫の追加や横持ち回数の増加にも対応しきれないと考え、AIを用いたシステム化を行うに至った。
AI需要予測モデルにより、様々な工数削減を実現
アスクルが今回導入したAI需要予測モデルは、商品横持ち計画においてAIが「いつ・どこからどこへ・何を・いくつ運ぶべきか」に関する指示を出すものだ。開発は、同社が自社内にて行った。
このAI需要予測モデルにより同社では、様々な工数削減が実現した。これまで担当者が手運用で行っていた作業をAIに置き換えることで、商品横持ち指示作成の工数は約75%/日まで削減。需要予測の精度向上により臨時便の横持ち回数が減少したことで、入出荷作業の工数も約30%/日まで減少した。さらに、フォークリフト作業についても約15%/日の削減を実現している。
AI需要予測モデル導入の効果として同社は、商品追加/在庫の積み増しの際に商品横持ち指示作成工数の増加が生じなくなった点を評価。また、補充倉庫の追加などにも柔軟に対応可能な点や、担当者変更による引き継ぎ作業の削減も評価している。
デジタルの力でビジネストランスフォーメーションを実現
アスクルのAI需要予測モデルは、同社が東日本にて展開する一部の物流センターにて導入されている。導入先で同モデルが示した定量・定性実績を同社は高く評価し、他の物流拠点への展開を検討。モデルそのもののアップデートも含めて、物流基盤のさらなる進化を図る。
同社は今後も、デジタルの力で最適な変革を進め、データ/テクノロジーを活用したビジネストランスフォーメーションを実現するとしている。
参照元:PRTIMES
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