BlueMeme、量子コンピュータを用いたゲノムインフォマティクス解析について、京大と共同で研究中
最終更新日:2022年12月16日
株式会社BlueMemeは、2022年12月14日、「量子コンピュータを用いたゲノムインフォマティクス解析」の社会実装に向けた共同研究を、2022年4月より京都大学と実施していると発表した。
BlueMemeは、日本のローコード開発市場を牽引している企業だ。今回公表された研究は、京都大学・学際融合教育研究推進センター特定教授の長﨑正朗氏と共同で実施しているものであり、量子コンピュータのゲノム解析への応用を目指して量子AI/組合せ最適化計算の技術構築が進められている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 従来のコンピュータが持つ限界を克服できる量子コンピュータを、ゲノムサイエンスの分野で活用
- 量子コンピュータが特に力を発揮できる量子AI/組合せ最適化計算について、共同で技術を構築
- IT産業の未来を左右する次世代計算機・量子コンピュータ、今後もアプリケーション開発に注力
計算量の上限克服を可能にした量子コンピュータ
近年、従来のコンピュータが持つ限界を克服できるシステムとして、量子コンピュータに期待が集まるようになった。量子コンピュータは、量子力学の物理法則を用いて情報処理を行うコンピュータであり、「0と1両方」の重ね合わせ情報が表現可能な量子ビットを情報処理単位とする。従来のコンピュータと根本的に異なる動作原理を持つことで、計算量の上限克服を可能にした。
量子コンピュータは、実社会における幅広い課題解決についても期待が寄せられている。例としては、物流業界における「配送ルートの中で最も効率の良いものを求めたい」といったニーズや、製薬業界における「新しい薬の候補を高速で探索できるようにしたい」といったニーズへ対応が可能だ。
こうした量子コンピュータの活用をゲノムサイエンスの分野においても実施すべく、BlueMemeと京都大学の共同研究は開始された。
量子コンピュータにも注目しているBlueMeme
BlueMemeは、2012年にローコード開発基盤「OutSystems」を日本で初めて導入して以来、日本のローコード開発市場をリードしている企業だ。独自の開発方法論「AGILE-DX」を用いてローコード技術とアジャイル手法の効果的な運用を実現し、日本企業の国際的な競争力の向上に寄与している。
また同社は、デジタルレイバー時代の産業システムを担う次世代計算機として、量子コンピュータにも注目している。現状としては、量子計算の導入検証が全く進んでいない潜在的な分野が数多く存在することにも着目し、量子計算の実装研究も推進。中でも、ライフサイエンス領域におけるゲノム解析をターゲットとして、取り組みを進めていた。
従来型のコンピュータよりも大幅に計算の大規模化・高速化を図る
BlueMemeと京都大学の共同研究では、ゲノムサイエンスの分野において量子コンピュータを応用し、従来型のコンピュータよりも大幅に計算の大規模化・高速化を図ることで、新たな知見の獲得が目指される。研究テーマ内の「ゲノムインフォマティクス」は、ゲノムサイエンスにおける多様な情報/課題を、情報科学の技術を用いて整理/活用/応用し解決を図る分野を指す。
研究内では、量子コンピュータが特に力を発揮すると期待されている2つの計算タスクについて、ゲノム解析における個別具体的な問題を検証する。計算タスクのひとつは量子AIの技術構築であり、AIが持つパターンの自動抽出機能などを活かす形で分類タスクにおけるモデルの予測性能の向上などを目指す。もうひとつは組合せ最適化計算の技術構築であり、量子コンピュータが持つ「量子重ね合わせ」の性質を活かして効率的な解の導出が図られる。
量子コンピュータ開発が今後のIT産業の未来を左右する
今回の共同研究について長﨑氏は、ゲノムサイエンスの様々な情報解析においてディープラーニングが活用されている現状と同様に、量子計算の活用が進むことを期待。BlueMemeも、量子コンピュータをめぐるソフトウェアの開発が今後のIT産業の未来を左右すると考え、量子コンピュータアプリケーションの開発に今後も注力するとしている。
参照元:PRTIMES
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