最終更新日:2023-06-19
ローコード開発のBlueMeme、量子AIを用いたバイオメディカル言語モデルの構築に向けて九州大学と共同研究を開始

株式会社BlueMemeは、2023年6月14日、「量子AIを用いたバイオメディカル言語モデル」の社会実装に向けた研究を、九州大学と共同で開始したと発表した。
BlueMemeは、日本のローコード開発市場を牽引しているIT企業だ。同社と九州大学の共同研究は、医療研究/臨床治療に活用可能なバイオメディカル言語モデルの開発と、量子AIによるバイオメディカル言語モデルの運用コスト低減を目的として、同年4月より開始されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 医療に活用可能なバイオメディカル言語モデルの開発と、同モデルの量子AIによる運用コスト低減を目指す
- 大規模言語モデルに生物学的データを学習させ、疾患原因探索などを可能にしたバイオメディカル言語モデル
- 量子コンピュータ上で学習・推論を行うことで、モデルの運用コストも削減。社会実装に向け性能検証へ
バイオメディカル情報解析分野に注目したBlueMeme
BlueMemeは、2012年にローコード開発基盤「OutSystems」を日本で初めて導入するなど、ローコード開発市場の第一線に立ち続けている企業だ。独自の開発方法論「AGILE-DX」を用いて、アジャイルとローコード手法の効果的な運用を実現。また、最新コンピューティング技術を用いる形で企業のDXにも先進的に取り組んでいる。
企業のDXに取り組む中で同社は、バイオメディカル情報解析分野に注目した。バイオメディカル情報解析は、AIをはじめとするコンピューティング技術の活用によって大量の生物学的データを効率的に処理し、医療研究や臨床治療に活用する。この分野であれば、社内で擁する知見を活かして課題の解決に貢献できると判断し、今回の共同研究実施に至った。
膨大な生物学的データを学習させたバイオメディカル言語モデル
両者の共同研究ではまず、医療研究や臨床治療に活用できるバイオメディカル言語モデルが開発される。
このバイオメディカル言語モデルは、バイオメディカル領域の膨大な生物学的データを学習させた大規模言語モデルだ。BlueMemeは、バイオメディカル情報解析で扱われる生物学的データが自然言語と類似していることに着目。自然言語を解釈する大規模言語モデルに生物学的データを学習させると、疾患原因探索や薬剤設計において活用可能になると考え、今回の開発に至った。
両者の共同研究では、このバイオメディカル言語モデルの運用で生じるコストの低減も目指される。このコスト課題の解決にあたりBlueMemeは、量子AIに注目。量子コンピュータ上で大規模言語モデルの学習・推論を行うことで、モデルのパラメータ数を大幅に削減し、ひいては運用コストの低減も実現するとしている。
社会実装に向けた性能検証を、九州大学と共に推進
BlueMemeが今回共同研究を行うのは、九州大学生体防御医学研究所高深度オミクスサイエンスセンターバイオメディカル情報解析分野長﨑研究室だ。研究においてBlueMeme側は、量子AIのバイオメディカル言語モデルのためのアルゴリズム提案・構築と、GPUシミュレータを含む量子計算プラットフォーム上での量子計算を担当。九州大学側は、メディカルインフォマティクスの専門知識に基づくオミクス解析技術の実応用と、量子計算プラットフォームに応用可能なアルゴリズムの提案や試験評価計画の策定を行う。
同研究によりBlueMemeは、量子AIを活用したバイオメディカル領域の言語モデルの開発と、社会実装に向けた性能検証を、九州大学と共に推進するとしている。
参照元:PRTIMES
自然言語処理
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