DIGITIMES Researchが生成AI市場調査、2030年に1.5兆ドル規模へ
最終更新日:2024年09月03日
台湾大手ITメディア調査部門のDIGITIMES Researchは2024年9月2日、最新の「Generative AI Special Report」を発表した。
このレポートによると、世界の生成AI市場は急速に成長し、2024年に400億ドル、2030年には1.5兆ドルに達する見込みだ。2022年から2030年までの年平均成長率(CAGR)は83%と予測されている。
台湾はICT産業チェーンの優位性を活かし、ハードウェア市場で早期にチャンスをつかむ態勢を整えている。さらに、今後急成長が期待されるソフトウェアとサービス分野への早期投資により、台湾企業が競争優位性を獲得できる可能性が指摘されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 生成AI市場が急成長、2030年に1.5兆ドル規模へ。2022年から2030年までのCAGRは83%と予測
- 台湾のICT産業チェーンが生成AIハードウェア市場で優位性を持ち、大きな受注が期待される
- 今後5年間でAI関連ソフトウェアとサービスの市場シェアが大幅に増加、2030年には市場全体の87%を占める見込み
生成AI市場の成長予測
DIGITIMES Researchの最新レポートによると、生成AI市場は急速な成長を遂げており、2024年には400億ドル、2030年には1.5兆ドルに達すると予測されている。この成長率は、2022年から2030年までの年平均成長率(CAGR)で83%に相当する。
生成AIの応用範囲はテキストや画像から音楽まで、ますます拡大している。特に、チップ設計、チップ/メモリ製造、パッケージングなどの上流部門、PCB、受動部品、電力部品などの中流部門、サーバー製造などの下流部門を含むICT産業チェーンが、生成AIの台頭により大きな恩恵を受けると予想されている。台湾のICT業界は、生成AI関連の多大な受注を獲得する可能性が高い。
エッジAIの課題と今後の展望
生成AIの発展に伴い、AIがクラウドからエッジに移行する傾向が見られる。この移行に伴い、ハードウェアの制限とモデル開発が大きな課題となっている。
アナリストのエヴァン・チェン氏によると、エッジAIが現実世界のアプリケーションに移行するにつれて、小型化、適応性、拡張性、コスト効率という4つの主要な課題に直面するという。これらの課題に対応するため、エッジAIチップの開発では、ドメイン特異性の向上とソフトウェアとハードウェアの統合の強化に重点が置かれるようになると予想されている。
さらに、多様なハードウェアの開発に加えて、開発プラットフォームの統合と垂直アプリケーションの深化も、エッジAI分野での足場を確立するために重要になると指摘されている。
ソフトウェアとサービス市場の将来性
アナリストのウィン・ファン氏によると、現在の生成AI市場はまだ初期段階にあり、世界の市場規模は主にAIコンピューティングハードウェアによって牽引されている。しかし、今後5年間でAI関連のソフトウェアとサービスの市場シェアが大幅に増加すると予想されている。具体的には、2030年までにソフトウェアとサービスが生成AI市場全体のそれぞれ32%と55%を占めると予測されている。
この成長は、市場の拡大を促進する上で非常に重要だ。台湾企業にとって、ソフトウェアとサービスは将来の成長の鍵となる分野であり、これらの分野への早期投資により、競争上の優位性を獲得できる可能性がある。
AI Market の見解
DIGITIMES Researchの予測は、生成AI市場の爆発的な成長と、それに伴う産業構造の変化を示唆している。特に注目すべきは、ハードウェアからソフトウェア・サービスへの重心移動だ。これは、AIの応用範囲が拡大し、より多様で専門的なソリューションが求められるようになることを意味する。台湾のICT産業にとっては、ハードウェアでの優位性を維持しつつ、ソフトウェアとサービス分野への迅速な展開が求められる。
また、この市場予測は他国のAI企業や政策立案者にも影響を与え、グローバルなAI開発競争の加速につながる可能性がある。今後、AIの倫理的・社会的影響に関する議論も重要になると予想され、技術開発と並行して、これらの課題への対応も求められる。
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