最終更新日:2024-05-22
NVIDIAの支援を受けたbiomy、AI病理画像解析プラットフォーム「DeepPathFinder」を提供開始
NVIDIA(エヌビディア合同会社)は、2023年8月30日、同社のGPUを活用したAI病理画像解析プラットフォーム「DeepPathFinder」のサービス提供が、株式会社biomyによって開始されたと発表した。
「DeepPathFinder」は、腫瘍の病理画像を迅速に解析し、個々の患者のがん免疫微小環境を把握することで、最善の治療選択を支援するサービスだ。提供するbiomyは、NVIDIAのスタートアップ支援プログラムに参画しており、国内のAI創薬を促進するとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- NVIDIAのGPUを活用してAI病理画像解析を迅速化した、biomyの「DeepPathFinder」
- 患者がそれぞれ持つがん免疫微小環境の定量的な把握を実現、免疫療法の進展に貢献
- スパコン「Tokyo-1」との連携も予定、NVIDIAと共に病理画像解析AI技術の普及も展開
がん患者のためにAI開発を進めているbiomy
NVIDIAは、30年以上にわたって新たな技術を開発し続けているアクセラレーテッドコンピューティングのパイオニアであり、特にGPUを発明したことで知られる。同社は近年、AIとメタバースに関する事業に注力しており、AI領域でのスタートアップ支援プログラム「NVIDIA Inception」も展開してきた。
この「NVIDIA Inception」へ2022年に参画したのが、今回「DeepPathFinder」の提供を開始したbiomyだ。biomyは、株式会社NTTドコモでAIの研究開発を手がけていた小西哲平氏と佐野博之氏によって2019年に創設されて以来、がん治療に悩む多くの患者のためにAIを用いた技術開発を進めている。
腫瘍の病理画像を迅速に解析する「DeepPathFinder」
biomyの「DeepPathFinder」は、AIを用いた病理画像解析のクラウドサービスとなる。NVIDAの「NVIDA A100 TensorコアGPU」を活用することで、腫瘍の病理画像を迅速に解析し、患者がそれぞれ持つがん免疫微小環境の定量的な把握を可能にした。
がん免疫微小環境の把握は、近年ノーベル賞受賞で注目を浴びたICI(免疫チェックポイント阻害剤)をはじめとする薬剤の適切な使用において、大きな助けとなる。「DeepPathFinder」に実装されているAIは、上皮細胞/リンパ球/マクロファージに加えて線維芽細胞/プラズマ細胞も画像から迅速に検出し、がん領域における免疫療法の進展に貢献するとしている。
病理画像解析AI技術の基礎を広める活動も展開
biomyは現在、「DeepPathFinder」をクラウドサービスとして利用する研究機関/製薬業界の新規ユーザーを積極的に募集している。AIの知識がなくとも利用に問題はなく、ユーザーの要望に応じたカスタマイズやAIモデルの共同開発にも対応するという。また今後は、三井物産株式会社の戦略子会社である株式会社ゼウレカが構築する製薬業界向けのスーパーコンピューター「Tokyo-1」とも連携を予定している。
NVIDIAとbiomyの協働も、継続される予定だ。NVIDIAが主催するハンズオン形式のワークショップにbiomyが協力する形で、両社は病理画像解析AI技術の基礎を広める活動を展開するとしている。
参照元:PRTIMES
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