トヨタモビリティパーツとギックス、共同開発した「AI整備見積りシステム」の実稼働を開始
最終更新日:2024年08月02日
トヨタモビリティパーツ株式会社は、2024年4月8日、同社が株式会社ギックスと共同開発した「AI整備見積りシステム」について、トヨタモビリティ新大阪株式会社への提供を開始したと発表した。
「AI整備見積りシステム」は、自動車ディーラー/自動車整備工場などが行う車の部品交換・整備予測において、AIが約80項目の整備内容を診断するシステムだ。トヨタモビリティ新大阪への提供は同年3月より開始されており、データに裏付けられた整備内容の提案・見積りやエンジニアの作業負荷削減などを可能にしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 自動車整備について、AIが約80項目の整備内容を診断する「AI整備見積りシステム」
- データに裏付けられた整備の提案・見積りやエンジニアの負荷削減などを実現
- 2024年3月より導入開始、全国トヨタ車両販売店にも順次サービス提供を開始予定
人材不足が大きな課題となっている自動車整備業界
昨今の自動車整備業界では、ハイブリッド車/電気自動車、また衝突被害軽減ブレーキといった先進安全技術を搭載した車両が普及したことで、整備の高度化対応が求められるようになった。しかしその一方で、整備業界では人材不足が大きな課題となっており、自動車整備要員の有効求人倍率は4.55倍にまでおよぶ。
トヨタグループの一員として自動車修理部品の企画・販売を手がけるトヨタモビリティパーツも、整備業界が抱えるこうした問題を憂慮し、その解決にはAIなどの先端技術の活用が必須であると判断。「データインフォームド」を掲げるギックスをデータ基盤およびAIの開発パートナーとして、そしてトヨタ販売店システムに精通した有限会社ネクステイジやエコドライブメッセージサービスを展開する株式会社アスアの協力も得て、「AI整備見積りシステム」を開発するに至った。
AIが約80項目の整備内容を診断し、「AI診断書」を作成
「AI整備見積りシステム」は、自動車ディーラー/自動車整備工場向けに提供する整備支援システムだ。車両情報をシステムに入力すると、AIが約80項目の整備内容を診断し、整備の必要有無について推奨度を算出した「AI診断書」を作成する。
この「AI診断書」により、サービススタッフは入庫前段階の顧客に対して、データに裏付けられた整備内容の提案・見積りを提示することが可能となった。また入庫後の整備作業においても、AIの診断結果をもとに作業計画の改善を図ることで、エンジニアの作業負荷削減も実現している。
同システムの開発に際しては、約21万台/約135万点検分におよぶデータを活用。車種/年式/走行距離といった車両情報や整備履歴のデータをAIで解析することで、安全性と作業効率を両立したシステムを実現した。実店舗での実証実験も繰り返し、現場で活用できる予測モデルを備えたAIエンジンも開発。こうした取り組みを経て、今回の提供開始に至っている。
全国トヨタ車両販売店にも順次サービス提供を開始
トヨタモビリティ新大阪において「AI整備見積りシステム」は、2024年3月1日より順次導入が開始されており、同年6月以降には本格稼働の開始も予定されている。同システムについてトヨタモビリティパーツは、2025年より全国トヨタ車両販売店の要望に応じる形で、順次サービス提供を開始する予定だ。
参照元:PRTIMES
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