ZOZO、曖昧なファッションの表現についてAIが自動で解釈する「Fashion Intelligence System」を早大と共同開発
最終更新日:2022年11月22日
株式会社ZOZOは、2022年11月22日、曖昧なファッションの表現についてAIが自動で解釈する技術「Fashion Intelligence System」を開発したと発表した。
この技術は、全身コーディネート画像とファッション特有の多様な表現をAIに自動学習させることで、ユーザーからの抽象的な問いに対する回答を可能にしたものだ。開発は、早稲田大学および株式会社ZOZO NEXTの研究開発組織であるZOZO研究所のメンバーによって行われている。
<本ニュースの10秒要約>
- コーディネート画像とファッション特有の多様な表現をAIに自動学習、曖昧な問いに回答
- 画像に埋め込まれた複数のタグ情報を活用、関連度が高い画像領域をヒートマップで提示
- オランダの学会誌に研究成果を発表、曖昧な表現で説明が行われがちな他分野にも応用へ
ファッション特有の多様で曖昧な表現を解釈
近年、消費者はSNSやECサイトを通じてファッションアイテムの購買活動を行うことが一般的になっている。しかし、このオンライン上のユーザー行動において障壁となっているのが、ファッション特有の多様で曖昧な表現だ。
ファッションに対してユーザーが持つ嗜好やイメージは極めて曖昧であり、用いられる表現も「カジュアル」「フォーマル」「かわいい」など曖昧な言葉である場合が多い。そのため、専門家ではないユーザーがファッションを理解・解釈することは困難となり、ひいては購買活動においても課題となっていた。
ファッション通販事業を手がけるZOZOは、その事業展開においてこうした課題は解消する必要があると判断。「この服装をもう少しフォーマルにしたらどんな服装になるか?」「この服装はどれくらいカジュアルか?」 「この服装をカジュアルにしている要素は何か?」といった問いへの回答が可能なAI技術の開発に取り組んだ。
ユーザーからの曖昧な問いに回答する「Fashion Intelligence System」
ZOZOが早稲田大学と共に今回開発した技術「Fashion Intelligence System」は、全身コーディネート画像および画像に埋め込まれた複数のタグ情報を活用し、ユーザーからの曖昧な問いに対する回答を獲得するというものだ。開発に際しては、画像とその画像に関連する情報(文章/単語など)を同一空間に写像するVisual-Semantic Embedding技術が用いられている。
「Fashion Intelligence System」では、提案システムにおける画像並べ替え機能を用いることで、より望みに近い服装を判断することが可能だ。例えば「オフィスカジュアルがよくわからない」といったユーザーに対しては、「オフィスカジュアル」タグが付与されている服装を提示し、オフィスカジュアルに近い服装かどうかの判断を支援する。
同技術の画像表示は、AAM(Attribute Activation Map)機能も備える。このAAM機能は、指定したタグとの関連度が画像上のどの領域において高いかをヒートマップで提示するものだ。「オフィスカジュアルがよくわからない」ユーザーであれば、「対象の服装のどの部分がカジュアルなのか?」を視覚的に理解することができる。
どのよう投稿データにも適用できるよう改善、他分野への応用も
現状の「Fashion Intelligence System」は、元データとなる画像が綺麗に撮影されている必要がある。ZOZOは今後、どのようなユーザー投稿データに対しても適用できるよう、こうした課題の解消を企図。また、曖昧な表現で説明が行われがちな他の分野への応用も、視野に入れている。
なお本研究成果は、オランダのエルゼビア社が発行する『Expert Systems with Applications』において2022年11月17日(現地時間)付で公開された。
参照元:PRTIMES
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