Grok「DeepSearch」とは?使い方や性能を検証レビュー!
最終更新日:2025年02月27日
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2025年2月18日に公開されたGrokのDeepSearchは、Grok 3に搭載された、論理的かつ構造的な検索結果を提供する新しい機能です。
本記事では、GrokのDeepSearchを実際に使用した結果をもとに、その特徴や使用感を詳しくレビューします。
目次
Grok 3のDeepSearchとは?
GrokのDeepSearchは、Grok 3モデルを利用し、より深く精度の高い検索を実現するAIリサーチツールです。
無料でも利用することが可能です。
利用制限については不明ですが、無料プランでは5回使用すると利用制限がかかることが確認されました。Xのプレミアムプランに加入している場合は5回以上使用しても利用制限がかからなかったため、より高い制限が設定されていると考えられます。
Grok 3のDeepSearchの使い方
DeepSearchを利用するには、まずXのアプリのメニューバー、GrokのウェブサイトまたはGrokアプリからアクセスし、検索ボックスの「DeepSearch」をクリックすることで、DeepSearch機能をオンにします。下の画像のようにDeepSearchボタンが青くなっていれば、うまく設定ができています。
あとは、検索ボックスに質問や指示を入力すると、情報源をレビューし、1分程度でレポートを作成してくれます。
Grok 3のDeepSearchを実際に使用した結果
実際にDeepSearchを使用したところ、検索結果の生成には内容に応じて、30秒から1分30秒ほどの時間を要しました。また、出力される文章は論理的で構造化されている上に、適切に表も挿入されているため読みやすい印象を受けました。
下記は、実際にプロンプト入力から出力までの一連の動画です。(途中から倍速になります。)
「これから日本で自動車メーカーを立ち上げたいが、どうしたらよいか?」という専門家ではない人にとってはかなり難題な質問を投げたところ、140のwebページから情報を参照し、わかりやすい論理的な回答を生成してくれました。
Perplexityの「Deep Research」機能を検証したところ、出力まで平均3分程度かかっており、Grok 3のほうが圧倒的に生成スピードは早いです。
調査内容としては、自動車メーカーを立ち上げるために必要なこと(直接の回答)をまず簡潔に述べ、「市場調査」「資金調達」「法的手続きや規制」「土地や人材」「マーケティング」など幅広く必要な情報を調査してくれました。
下記は、生成内容の抜粋です。
市場とニッチ
日本は自動車市場が成熟しており、トヨタやホンダなどの大手が支配しています。驚くべきことに、EVの売上が2022年第3四半期で前年比80%増加しており、新規参入者はEVや持続可能な交通手段に焦点を当てることで差別化が可能です。
資金と支援
政府のJ-Startupプログラムは有望なスタートアップを支援し、補助金や税制優遇を提供します。特に自動車分野では、脱炭素化や自動運転技術への投資が奨励されています。
規制と基準
車両は型式認定を受ける必要があり、安全性や排出ガス基準を満たす必要があります。これには詳細な技術文書提出と厳格なテストが必要です。
詳細な調査報告
この報告書では、日本で新たに自動車メーカーを立ち上げるための包括的な手順を詳述します。以下では、各ステップの詳細と背景情報を提供し、成功の可能性を高めるための戦略を検討します。
市場調査と計画
まず、日本市場の需要を理解することが不可欠です。2023年のデータによると、日本国内での新車販売は約478万台で、トヨタが約158万台でトップを維持しています(Best-selling car brands in Japan 2023)。しかし、EVの売上が2022年第3四半期で前年比80%増加しており、これは新規参入者がEVや自動運転車に焦点を当てる機会を示しています(Market Outlook 2023: The Automotive Industry in Japan)。
競合分析では、トヨタ、ホンダ、日産などの既存メーカーの強みと弱みを評価する必要があります。事業計画には、ビジョン、ミッション、製品ライン、ターゲット市場、財務予測、成長戦略が含まれます。特に日本の消費者文化を考慮し、例えばコンパクトカーやケイカー(軽自動車)の需要が高いことを反映する必要があります。
~~中略~~
結論
日本で自動車メーカーを立ち上げるには、市場調査、規制遵守、資金調達、戦略的立地選択、人材採用、サプライヤーとの関係構築、効果的な生産・マーケティング戦略が必要です。EVや自動運転技術に焦点を当てることで、競争力を高めることが可能です。
ユーザーインターフェースも洗練されており、検索プロセスの思考過程が日本語で表示されるため、結果の理解が容易です。この思考プロセスは、まるで人間が本当に考えているかのような思考過程で非常に興味深いです。
また、入力するプロンプトの書き方(丁寧語で書くか、タメ口で書くか等)に応じて、Grok DeepSearchは思考過程における言葉の使い方を使い分けるという興味深い特徴も見られました。
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Grok 3のDeepSearchの検索結果の特徴
Grok 3のDeepSearchが回答を生成する際に参照されるソースの数は、質問内容に応じて変化し、20-150程度でした。
DeepSearchが生成する事実ベースの文章の多くは文末に引用が明記されており、回答の最後にも主要な引用が一覧としてまとめられています。
しかし、日本語のプロンプトを入力しても英語のサイトを優先的に対象に検索が行われるため、日本に関する調査を行う場合には情報源が足りず、十分な調査が行われない可能性があります。
また、学術論文の引用を含む回答を生成することも多くあり、引用元の情報は比較的信頼できると考えられますが、誤った回答をすることもあるため慎重に事実確認をする必要があります。
以下の画像の例では、「DeepSearchはマルチモーダル対応していないが、Grok 3はマルチモーダル対応している」という回答が正しいですが、Grok 3もマルチモーダル対応していないと回答してしまっています。
尚、Grokの特徴として、Xの投稿内容を参照できるため、DeepSearch機能においても、質問次第ではXの投稿を参照していることが確認できます。
まとめ
GrokのDeepSearchは、論理的かつ精度の高い回答でリサーチをサポートするAIツールでした。特に英語圏の情報収集に適しており、学術論文などの信頼性の高い情報を引用する点は評価できます。
一方で、英語のサイトを優先的に検索するため日本に関する情報が不足していたり、誤った回答が含まれる場合があるため、活用する際は慎重な検証が必要です。
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Grok 3 「DeepSearch」についてよくある質問まとめ
- DeepSearchとは何ですか?
DeepSearchは、Grok 3モデルによるAIリサーチツールで、深い情報収集や論理的な検索結果を提供するサービスです。英語の情報を中心に、学術論文や信頼性の高い資料をもとに回答を生成します。
- DeepSearchの検索結果はどのくらいの時間で表示されますか?
通常、検索結果の生成には30秒から1分程度かかります。情報の深さや複雑さによって変動する場合があります。
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