クレスコと日本航空、医療AIの画像認識技術を活用した「航空機エンジン内部検査ツール」を共同開発
最終更新日:2022年12月23日
株式会社クレスコは、2022年12月20日、医療AIによる画像認識技術を活用した「航空機エンジン内部検査ツール」を、日本航空株式会社と共に開発すると発表した。
クレスコは、AIとクラウドを中核とするデジタルソリューション事業などを手がけるIT企業だ。今回開発が発表されたツールは、航空機エンジン内部のタービンブレードの検査記録をデータベース化し、より精密な内視鏡検査や不具合発生の予測を実現するものとなっている。
<本ニュースの10秒要約>
- 航空機エンジン内部のタービンブレードの画像データをAIで解析、精密な内視鏡検査を実現
- 眼科医療で実績のある画像認識AI技術や、ニューラルネットワークを応用して、ツールを開発
- エンジンデータと検査情報を融合し、不具合発生も予測。整備技術の継承にも活用予定
2019年より始まった、クレスコと日本航空の協働
クレスコは、1988年の創業時より「最高の技術と品質を発揮するIT企業」としてシステム開発のノウハウを蓄積し、現在はITサービス事業とデジタルソリューション事業を展開している。デジタルソリューション事業においては、AIとクラウドに関する知見と実績を強みとして、様々なサービスを創出。AI領域では、データアナリティクス/プロセスマイニング/画像アノテーションといったサービスも提供している。
同社は他領域の企業とも連携を進めており、2019年4月には日本航空のオープンイノベーション拠点である「JAL Innovation Lab」における協働も開始した。この協働では、眼科医療で実績のある画像認識AI技術や機械学習で用いられるニューラルネットワークを応用して、エンジン内視鏡検査支援ツールの開発も推進。これらの研究実績が評価され、今回「航空機エンジン内部検査ツール」の開発が正式に行われることとなった。
エンジン内部に何百枚も存在するタービンブレードを、従来より精密に検査
航空機のジェットエンジン内部には、何百枚ものタービンブレードが存在する。このタービンブレードは、ジェット燃料の燃焼エネルギーを推進力に変える動翼のことだ。ブレードの検査は、工業用内視鏡を使用して行われるが、枚数が多いためブレード1つ1つが持つ故障リスクの検知・判断は難しい。整備士としての長年の経験と、それに基づく技術に依存する状況が続いていた。
今回開発される「航空機エンジン内部検査ツール」では、タービンブレード整備に関するこれらの課題を、画像認識AI技術などを活用する形で解決する。同ツールでは、タービンブレードの詳細な検査記録をデータベース化した上で、画像データからブレードの状態の数値化や予測を実施し、従来より精密な内視鏡検査を実現。また、日々の検査で蓄積された情報と運行中に収集したエンジンデータを融合させることで、エンジンの不具合発生を予測し、事前に整備処置を行う予測整備も実現するとしている。
ベテラン整備士の技術をツールに学習させ、若手整備士の技術継承を支援
「航空機エンジン内部検査ツール」はまた、整備技術の継承における活用も想定。ベテラン整備士の持つ豊富な知見や高度な内視鏡操作技術をツールに学習させることで、若手整備士の技術継承を支援するとしている。
クレスコは今後も、医療分野の研究で培った最新テクノロジーを日本航空の航空機整備技術と融合させる形で、同ツールの開発を推進するとしている。
参照元:PRTIMES
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