インテックと横河グループ、姿勢推定AIを活用して製造業の生産性を可視化する実証実験を開始
最終更新日:2024年03月01日
株式会社インテックは、2024年2月29日、姿勢推定AIを用いた製造業の生産性可視化に向けた実証実験を、横河グループと共に開始したと発表した。
インテックは、TISインテックグループにてシステム開発などを展開している企業だ。今回の実証実験は、同社と株式会社横河システム建築および横河商事株式会社が同年1月より開始したものであり、カメラで撮影した作業者の関節の動きから作業内容を推定するAIによって作業効率/品質の向上などが図られる。
<本ニュースの10秒要約>
- インテックの姿勢推定AI技術を、横河システム建築の製造現場へ導入する形で実験開始
- 作業者の動態を撮影し、関節の情報から詳細な作業内容を推定、作業効率/品質を向上
- 一般的なカメラ1台の2D映像から人の骨格を認識。「匠の暗黙知」のデータ化なども実現
定常的で正確/詳細な情報取得が求められている製造業現場
製造業の現場では、業務の属人化やブラックボックス化、また非効率な業務形態が改善されないまま残るケースが、少なからず発生する。こうした課題を把握/共有するため、各種センサーやIoTデバイスを活用した生産性の可視化に取り組む現場も多い。しかし、従業員の状況や作業実績の収集は現在でも人手によって記録されている場合が多いため、定常的で正確かつ詳細な情報の取得は容易ではない。
製造業が持つこうした課題の解決に向けて、インテックは実証実験を開始するに至った。同社は、情報化戦略の立案からシステムの企画/開発/アウトソーシング/サービス提供/運用保守まで手がけ、またAIやRPAといったデジタル技術の活用も推進している企業だ。同社の姿勢推定AI技術を横河システム建築の製造現場へ導入する形で、実験を開始している。
ディープラーニングによってマーカー/センサーなしの認識を実現した姿勢推定AI
今回の実証実験では、横河システム建築の鉄鋼製品組み立て工程について、姿勢推定AIを用いた生産性の可視化を進める。具体的には、同工程に従事する作業者の動態をカメラで撮影し、関節(姿勢)の情報から詳細な作業内容(行動)を推定し、作業効率/品質の向上を図る。
実証実験で用いる姿勢推定AIは、画像/動画に映った人の姿勢情報を取得するためのAI技術だ。これまで人の姿勢/動きを認識するためにはマーカーやセンサーを使用する必要があったが、姿勢推定AIはディープラーニングによってマーカー/センサーなしの認識を実現。一般的なビデオカメラ1台で撮影した2D映像から、人の骨格を手軽に認識することができる。
この姿勢推定AIを製造業の生産性可視化に用いた場合、作業者の実績(生産数/作業効率/作業品質)の自動収集が可能となる。また、いわゆる「匠の暗黙知」のデータ化や、作業標準書の作成および継続的な改訂なども可能だ。
産業全体に活用できるサービスの展開も進める
インテックと横河グループは、今回の実証実験を2024年1月から4月にかけて実施する。データ取得期間は、2024年2月8日から2024年3月29日までの予定だ。
製造業におけるAI活用についてインテックは、作業者の健康状態/スキル/経験などをデータ化して収集・分析することで、作業者の健康状態の改善やスキルアップなどにつながる施策を打ち出すことができると判断。今後も人に関するデータの収集を行い、産業全体に活用できるサービスの展開を進めるとしている。
参照元:PRTIMES
他にも、製造業でのAI導入事例を詳しく知りたい方はこちら製造業に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事をご参考ください。
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